時々、蕎麦祭りなどのイベントにかり出されることがあります。
このような場合、会場に自分の身長に合ったテーブル等の蕎麦打ち板
を乗せる台があるかどうかが問題になります。
高さが合わないと、とても疲れるからです。
そこで、「いっそのこと蕎麦打ち板の脚を作って持っていけば良いのでは」
と考え、自作しました。
持っていくためには、軽量で、コンパクトに折りたためて、簡単に組み立て
られて、高さがある程度調整がきくこと(靴やスリッパの分身長が変化する)
が重要です。もちろん強度の確保が最優先であることは他の家具と同様です。
いろいろ検討、試作を繰り返した結果、この写真のような脚になりました。
ワンタッチでセットでき、手前のストパーが上からの圧力を支える構造です。
これを持って、あちこちのイベントの手伝いをしていたところ、蕎麦打ち教室
を主催している仲間から制作依頼があり、先日作成しました。
その時の制作過程をごらんください。
材料です。
ツガ、SPF、ラミン、チーク
それにストパーを本体に接合する蝶番として牛皮 を使いました。
ほぞ組みすれば良いのですが、低コストと工期の短縮のため、ビス止めとしました。
意匠というほどのことではありませんが、ダボにチークとラミンを使い、変化を持たせました。
センターをボルトで固定するための穴をあけます。
この穴あけの精度が非常に重要です。
今回は身長170cm用の脚との要望でしたので、板面の高さを74cmとしました。
そのため脚の接地角度は52.5度になりますので、その角度の治具を作成しておき、
マイターゲージと鋸歯の角度を設定します。
脚の接地面をカットします。
上下の幕板にビス穴の墨付けをします。
ビスとダボの下穴を開けた後、幕板の面取りをしておきます。
組みあげです、この時各部材の直角を出すことが重要です。
ストッパーを蝶番としての牛革で取り付けて完成です。
厚さ9cmにたたむことができますので、運搬が楽です。
セットした状態です、脚を前後に開き、ストッパーで固定します。
このストッパーと幕板の間にスペーサー(角材等)を挟むことにより高さを調整する
ことができます。