遊木民のアトリエ

現在は農業・木工業
                           

蕎麦打ち板の作成工程

2005-07-02 | 木工の部屋




 先日、蕎麦打ち仲間(蕎麦打ち教室を主催している
当県では有名な御仁で、ソバ栽培、製粉まで企んで
いる、人よんで「ご当地、蕎麦打ちの仕掛け人」)
からメールが入りました。
「蕎麦打ち板と脚を1セット今月中に」でした。
 即刻材料を発注し、週末から作成を開始しました。
その過程を画像を添えて紹介します。
 
 制作過程を3過程に分けました。

 1.木取り
 2.組み上げ
 3.仕上げ

 今回の蕎麦打ち板は、蕎麦打ち教室で使われるということで、かなり見た目を意識した作り
になっています。自家用であれば、木口、木っ端の処理、ビス穴の処理等は不要です。
 ホームセンターで材料をそろえれば5~6千円で自作可能でしょう。
  

木取の工程

2005-07-02 | 木工の部屋
木取 1



 21mm厚のシナランバーコア材(1820x910mm)を、
作業台に固定し、ガイドに沿って1/2に切断します。

木取 2



 切断のラインにマスキングテープを貼っておくと、ささくれを防ぐ
事ができます。ただ、丸鋸の定盤の水平性を確保するため、内側に
も1枚貼っておきます。

木取 3



 材料です。

  板      :シナランバーコア 21mm
  足      :ツガ
  木口補強   :檜
  木っ端処理  :シナ木口テープ

木取 4



 檜材を木口補強用にバンドソーで切断します。
 
木取 5



 自動鉋盤で寸法をそろえます。

木取 6



 木取りした部材をサディングしておきます。




組み上の工程

2005-07-02 | 木工の部屋
 組み上 1



 足(板の補強材)にビス穴の墨付けをします。

 これ以降、作業はサンディングマットの上で行います。
 これは、直接作業台に部材をおくと、木くずなどで傷つく恐れが
あるためです。 

 組み上 2



 φ7.5mmのダボ用穴をあけます。

 組み上 3



 ビスで仮組します
 必ず、サンディングマット(毛布等も可)の上で作業します。
 板面に傷が付くと、その傷は蕎麦の麺帯に写ってしまいます。

 組み上 4



 仮組の段階で平面性をチェックしてみます。
定規との隙間から漏れる光で平面度を確認します。
紙1枚入っては失格です。

 組み上 5



 木っ端にシナの木でできたテープを貼り付けます。

 組み上 6



 木口補強に檜の部材を木工ボンドで接着し、仮り止めクギで固定します。

 組み上 7

 
 
 板に足をボンドとビスで本組します。
 無垢材を接ぎ合わせた板の場合、湿度の変化で収縮、膨張します。
従って、補強材は板に固定せず、アリ溝を掘り、アリ桟加工をした
補強材をはめこみ、板の収縮をキャンセルする構造にします。

 しかし、ランバーコア材の様な合板は湿度による変化は無視できる
レベルですので、低コスト化と工期短縮のため、接着剤とビスの併用
としています。

 組み上 8



  ビス穴にダボを打ち込みます。
 蕎麦打ち板は表面保護のため、通常裏面をみせて立てかけておきます。
 従って、裏面の処理も重要です。
 今回は、ラミンとチークの丸棒からダボを作りました。
 なお、ダボの直径は8mmとダボ穴の7.5mmより太い棒の先端を
 面取りして打ち込みます。

 組み上 9


 ダボを切り取ります、この鋸は「あさり」が片面にしかなく、木に密着
 して切っても木を傷つけることがありません。

 組み上 10


 
ドレッサーで面一にします。

仕上の工程

2005-07-02 | 木工の部屋
 仕上 1



 鉋で面取りします。

 仕上 2



 #240で全体をサンディングします。

 仕上 3



 蕎麦打ち面を濡れタオルで水拭きします。これには2つの目的があります。
 
 ・板面の細かい傷を取る(木材は水を含むと膨らむ)
 ・表面の細かい毛羽をたたせ、サンディングの効果を上げる


 仕上 4




 #400でサンディングし、細かい毛羽を落として完成です。