山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

14年 北海道旅くらしのレポート <第16回>

2014-08-04 08:57:47 | くるま旅くらしの話

【今日(8/4)の予定】 

  終日別海町ふれあいキャンプ場に滞在

 

【昨日(8月3日:日)のレポート】天気:曇り一時晴れ

<行程>

終日別海町ふれあいキャンプ場に滞在

<レポート>

 昨日はおよそいつもの別海町とは違った暑い一日だったが、今朝は5時過ぎに起き出して外に出ると、周りは一面の霧で、シャツ一枚では耐えられぬほどの寒さだった。毎朝の霧はどうやら海の方からやって来るらしく、それが冷気を含んでいて、霧が晴れるまでは夏とは思えぬ気候なのである。これが農作の限界地帯を形成する最大の要因の様な気がするのだが、昨日はそれを感じなかったので、今朝の寒さにやっぱりそう簡単に限界地帯が消滅するはずはないなと思った。別海町の大半は平地であり、海抜も10m前後くらいしかないのではないかと思う。このキャンプ場は海からは30kmくらいは離れていると思うけど、海霧はそれ以上の距離を張り出してきているようだ。

 昨日は日中に歩いて懲りているので、今日は早朝の内に歩こうと思い、ブログを後回しにして、カメラを携帯して散策に出た。久しぶりの別海町の早朝散歩である。今日は歩きの道端にある野の花を撮ろうと思っている。内地とそれほど変わった野草があるわけではないけど、同じ植物でも形状はかなり変わったものもあり、生育の環境によってその適応のために彼らも苦心していることが分かるのである。それらのことを考えながら、今年はどうなっているのかを観て歩くのは楽しい。2時間弱の散策の間に20種以上の野草たちの花を撮ることができて満足した。(この後紹介したい)

 散歩から戻った後は、今日は完全静養日とするつもりでおり、終日グータラをする考えでいる。8時半過ぎにマツナガさんが次の目的地に向けて出発して行かれた。我々の旅は自由なので、細かいことは訊いたりはせず、どの方面へ向かうかなどをちょっと伺うだけである。又何処かでお会いできれば良いですねというのがお互いの所感なのである。羅臼方面へ向かわれるということだから、我々も追ってその方面へ行くことにしているので、再会できるのかもしれないと思った。

 その後は完全静養に入り、TVを見たり昼寝などをして一日を過ごす。今日は曇り空が終日続いて、道東らしい涼しい一日となった。四国では大雨による災害が懸念され、関東辺りは酷暑に見舞われているというのに、ここでこの様な暮らしをしていていいのかと、少しばかり申し訳なさを覚えた。もはや、書くこともないので、以下に野の花を紹介することにします。

【別海町の野の花たち】

<ホサキシモツケ>

  

 ホサキシモツケは「穂先下野」と書けば、下野の花を知っている人には想像のつく花だと思う。文字通り、穂の先の方にシモツケの花と同じようなボワッとした暖かそうな薄桃色の花を咲かせている。草というよりは灌木という方が正しいと思う。北海道では各地にみられるが、内地には無い花のようだ。別海町では、もっともふつうに目立って咲いている花かもしれない。道端や牧場の側溝の脇辺りに大きな株を見ることが多い。シモツケの花は、拡大鏡で見ると幻想的な美しさを見せてくれる。この花はそのまま見過ごすのではなく、必ず拡大鏡持参で覗かれることをお勧めしたい。

<マツヨイグサ>

  

全国どこでも見られる雑草の一種であろう。北海道にも随所に点在して花を咲かせている。この花は元々北アメリカ原産の帰化植物で、明治時代に鑑賞用にと持ち込まれたものが野に逃げ出し、その後全国に分布を広げていったとか。宵待ち草などとも呼ばれているようだけど、それは花の可憐さと呼び名のトーンからそのようなことになったのかもしれない。北海道では庭に草花を植えている家が多く、それを見ていると、寒さに閉じ込められている期間が長い人たちの、花への愛情の様なものが伝わってくる。時々マツヨイグサを雑草扱いしていない家もあり、それを見ると、何故かホッとする。

<ミソガワソウ>

  

最初に北海道でこの花を見たのも別海町の道脇だったが、何故かと驚いたのを思い出す。この花は木曽川の支流の味噌川という川の近くに多いらしく、花の名はそこから来ていると図鑑に書いてあったので、北海道には無いものだとばかり思っていたからだった。しかし、図鑑の解説をよく読むと北海道にもあると書かれており、それでようやくなるほどなと思ったのだった。この時期は花が終わりに近づいていて、鮮やかな紫にもやや疲れの色が入ってしまい、可哀そうな気がするけど、これは宿命なのだから仕方ない。来年はもう少し早く来て最盛期の花を楽しみたいと思った。

<ノリウツギ>

  

 これは北海道ならではの花ではある。花といっても野の草花ではなく、ウツギは立派な樹木である。いや、立派とは言い難いかもしれない。なにしろウツギは空木であり、木の幹も枝の部分もその内側は空洞になっていて、質感の無い存在なのだ。この花は北国を象徴する花の一つではないかと思っている。釧路湿原などにも冬の寒さを耐え忍んで生き残った小さな株が幾つも見られる。それらの株と比べると、別海町に点在する株はかなり大きく伸び伸びと育っている感じがする。しかし、この地が決して安楽な気候の地でないのは確かだから、彼らなりの苦難があるに違いなし。真っ白な花はアジサイと同じで、白アジサイといってもいいようにも思う。アイヌの人たちはこの花をサビタと呼んでいたのは、歌の文句で知ったことだった。道端のありふれた花に見えるけど、純白のその花はアイヌの人たちが恋人を詩うにふさわしいものだと思う。

<ツリガネニンジン>

  

 漢字では釣鐘人参と書く。何故人参なのかは良く解らないが、釣鐘というのは花を見れば過ぎに納得することだ。花の形が釣鐘の形をしているからである。ベルフラワーと呼ばれる洋花があるけど、この花もベルフラワーと同じ仲間なのかもしれない。ただ、野生である分だけ、逞しく美しいように思う。戦後間もない子どもの頃に、田舎に入植したばかりで碌に食べるものが無かった時代には、春になってこの野草が芽を出すと、それを母が摘んできて味噌汁に入れて食べさせられたのを思い出す。その時は、この草を「トドキ」と呼んでいた。夏になるとその草に花が咲いて、それが意外ときれいだったので、トドキのあの不味さは何処から来るのだろうと思ったものだった。北海道には大型のものが多く、草藪の中に逞しく咲いている。

今日はここまで。

 

コメント
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