山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

‘14年 北海道旅くらしのレポート <第31回>

2014-08-19 02:38:23 | くるま旅くらしの話

【今日(8/19)の予定】 

  岩尾内湖白樺キャンプ場 →(道道)→ 道の駅:香りの里たきのうえ →(R273・道道)→ 道の駅:オホーツク紋別 →(R238)→ 道の駅:雄武 → その先未定

 

【昨日(8月18日:月)のレポート】天気: 晴れ

<行程>

美深アイランドキャンプ場 →(R40・道道)→ 岩尾内湖白樺キャンプ場(泊) 

<レポート>

 今日も書くことは殆どなしの移動日。でも、自分たちの旅は今日から本番を迎えると考えている。

家を出てから31日目となり、丁度一カ月を経過する。今までの旅の中心テーマは、旅の友、知人との再会だった。2年ぶりのお互いの無事の確認は、高齢化に首を突っ込むほど大切になるということを、改めて思い知らされた日々でもあった。順風満帆で日々を過ごしてきた人は少なく、何かしらの苦しみや悲しみを背負いながらの旅人が多いように思った。お釈迦様のおっしゃるように、「生・病・老・死」は、人がこの世に生れてから誰でも経なければならないプロセスであり、その時々のテーマであることを思い知ったのだった。

 美深のキャンプ場には、旅の大先達が何人か滞在しておられ、その中でも最高齢者のワダさんは、自分よりも一回り年長の86歳の高齢者である。夏の北海道へのくるま旅を始められてから既に30年を迎えられようとしている。昨年奥様を亡くされ、長い間のお二人の旅の思いを込められて、昨年の夏は散骨に何箇所かを回られたとお聞きしている。今年はどうなさるのかと心配だったが、我々の心配を乗り越えて、美深のキャンプ場に滞在されているのだった。ご自身も幾つもの大病に痛めつけられて、決して楽に動ける身体ではないのに、その旅にかける執念の凄まじさを思い知らされる感じがした。ご挨拶に参上してお聞きしたのは、住まいのある愛媛県は松山の暑い夏を乗り切る自信はなく、北海道に来なければ熱中症などでたちまちこの世を去ることになってしまうとのお話だった。幾許(いくばく)かのジョークも含めてのお話だとは思うけど、半ば以上が本気のように思った。いつどこで倒れても判るようにと、細かな連絡先を記したメモまで用意されているのを拝見して、覚悟の日々なのだなと思った。今の自分には想像もつかない心境である。とにかく無理は決してなさらぬようにと、繰り返してお願いして、設営されているテントを辞した。どうかご無事でお帰りになれるようにと祈るのみ。

 13時頃までの間に、もう一度ヘンテナをつくり上げて、取り換えることにした。今度はアルミのポールにして、以前のものよりもしっかりしたものが出来上がった。この手作りアンテナには興味を示される方もおられるらしく、付近を散策されている何人かが指さしながら通り過ぎてゆくのを見たり、中には傍に寄って来られて熱心に観察されている方もおられて、そんな時には知人に教えてもらったことも忘れたかのように、その作り方を説明したりした。とにかく、この場所では良く映るので、満足だった。

 13時半ごろ、北に向かうことにしてキャンプ場を出発する。これから先はオホーツク海側に出て北上し、雄武町でLPガスを補てんした後、浜頓別町のクッチャロ湖に行き、そこでしばらくゆっくり過ごすつもりでいる。何日滞在するかは今のところ未定。その後は稚内まで北上して何日か過ごし、それから日本海側を南下してゆるりと帰途につくつもりでいる。今日は先ずは名寄市内で給油と食材などを仕入れた後、まだ行ったことのない士別市の山奥にある岩尾内湖畔にあるキャンプ場に行って見て、もし良かったらそこに泊ってもいいなと考えている。ダメなときは隣の滝上町の道の駅に泊まるか、あるいは紋別まで行ってそこの道の駅にお世話になるかも、などとも思っている。成り行き次第である。

 名寄から山道に入り、熊出没注意の表示板のある道を1時間半ほど走ると巨大なコンクリートのダムの壁が見えてきた。こういうのを見ると相棒はビビるのである。あの壁が崩れて大洪水になりはせぬか、或いは湖畔などに泊ったら大雨が降って湖の水が押し寄せては来ぬか、などとあらぬ妄想にとらわれてしまうらしく、少し表情が厳しくなっていた。しかし、キャンプ場に着いてみると湖の水は少なく、白樺の樹間に緑豊かな地面が広がっていて、その心配は消え去ったようだった。林の間には何台かの車が留っており、テントも何張りか設営されていた。事務所の方に聞くと無料だとのこと。直ぐに泊ることに決める。

 その後TVの設定をしたのだが、さすがのヘンテナも四方が山に囲まれ、木々たちに囲まれたこの環境では歯が立たないらしく、受信は不可能だった。それではBSの方をと、いろいろやって見たのだが、これもまたどうもうまくゆかない。ついに諦めて、今夜は本来の旅人に戻って、TVなど無しで、日の沈むと共に眠り、日の出と共に起きるという暮らしを志向することにした。相棒が呆れるのもかまわずに一杯やって、18時には寝床の人となる。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする