Vision&Education

木村貴志の徒然なるままの日記です。

山上憶良に惹かれる

2023年06月01日 | Weblog

4月に書いたブログのことをまた頭の中で反芻しています。

以下、再投稿です。

 

少子化対策が色々と取り沙汰されています。

このままのペースで人口が減少していけば、

日本という国はいずれ消滅するしかありません。

だから少子化対策は大切だと思います。

しかし、お金だけの問題ではないように私は感じています。

貧しさが原因なら、戦後、日本が焼け野原になったときに、

子どもが増えることはなかったはずです。

私が感じていることは、

未来に希望が持てない、志がない人が多くなったこと。

今の自分の豊かさを手放したくない、

面倒なことはしたくない、

といった利己心が強くなったこと。

子どもを宝と思い大切にする心が失われたこと。

そうしたことの積み重ねように感じるのです。

 

万葉歌人の一人でもある山上憶良は、次のような歌を遺しています。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【長歌】

瓜食(は)めば 子ども思ほゆ 栗食めば まして偲(しぬ)はゆ 

いづくより 来りしものそ 目交(まなかひ)に もとなかかりて 安眠(やすい)しなさぬ

【意味】

瓜を食べれば(残してきた)子どものことが自然に思われる。粟を食べれば、いっそうしのばれる。いったい子どもたちはどこから来たものなのだろうか(どのような縁で、私の子どもとしてやってきたのだろうか)。目の前にやたらと(子どもたちの姿が)ちらついて、安眠させてくれないことよ。

【反歌】

銀(しろかね)も 金(くがね)も玉も 何せむに 優れる宝 子にしかめやも

【意味】

銀も金も宝石も、どうしてそれらより優れている子ども(という宝)に宝として及ぶだろうか。いや及びはしない。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

自分が美味しいものを食べたときに、

子どもにも食べさせてあげたい、

親や祖父母にも食べさせてあげたい、

そんな心が失われたことや、

子どもを宝と思う心が失われたことが、

問題の根幹にあるのではないかと私は思っています。

結局は、情緒を育む教育を回復することが

大切なのだろうと思います。

古くさいと思われるでしょうから、

私は勝手に考え、勝手に行動するだけです。

 

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