私は「親心の学び舎」というプログラムを
一貫して実施してきました。
親として大切なことは、
子育ての知識では無く、
愛情だと思うからです。
そして、親としての愛情をひと言で言い表せば、
「親心」という言葉になると思ったからです。
愛情を知らずに育った子供に、
いくら「愛情とは」という知識を与えたところで、
愛情がわかる訳ではありません。
観念的に「愛情」を理解したところで、
その子供が大きくなって、
自分の子供に
愛情を注ぐことができるようになるとは
あまり思えません。
抱きしめること、
一緒に涙を流すこと、
本気で叱ること、
共に笑い合うこと・・・。
そんなことの積み重ねからしか、
愛情は伝わらないのだと私は思います。
愛されたことが、
人を愛することに転化していくのだと思います。
親からの愛情を注いでもらえず、
荒んでしまった寂しい子供たち、若者たちに、
愛情を伝えるのには、大きな覚悟が必要です。
海で溺れそうになった人が、
必死にしがみついてくるようにして、
愛情を求めてくるからです。
それは、救いの手をさしのべている人に
怨みや悪意があるからでも何でもありません。
ただ、愛され方がわからないだけなのです。
そうした人たちと共に
人生を豊かなものにしていこうと思うのであれば、
余程の覚悟と、人間的強さと、冷静さが必要だと私は思います。
しがみつかれてなお泳ぎ切るような
強さが必要だと思います。
自分も死にかけてなお笑っていられるような、
タフな心が必要だと思います。