Vision&Education

木村貴志の徒然なるままの日記です。

だし

2014年12月29日 | Weblog
きちんとした出汁の大切さを伝えるだけで、
子どもの教育は半ば成功したと言えるのではないかと思います。

出汁と添加物を使わぬきちんとした調味料さえあれば、
野菜や肉を美味しくいただくことができます。

その味に慣れていれば、
化学合成された調味料の味に
違和感を感じることが出来ます。

そうすれば、
一人暮らしをしていても、
子どもが生まれても、
きちんとした食をいただくことができます。

それは肉体を健康にし、
精神を安定させ、
人間の本性を正しく開花させてくれます。

人間も自然の一部なのです。
自然な食こそが、
人間を人間らしく成長させてくれるものです。

そのことに真剣に向き合うべきだと思います。

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一声

2014年12月29日 | Weblog
日本画家の伊藤小坡に「一声」という作品がある。

和服の女性が、
外に意識を向けている姿が描かれている。

画面左上には青々としたもみじが、
画面右には、すだれが涼しげに描かれている。

初夏の候である。

女性が手にしているのは、
『古今和歌集 第三巻』

古今和歌集第三巻というのは、
全部で34首の歌が収録されているが、
そのうち28首がホトトギスにちなんだ歌である。

だから、その女性が外に意識を向けているのは、
ホトトギスの一声を聴いたからにほかならない。

時鳥の一声に、
はっと意識を奪われ、
次の一声を待つ意識が、
その瞬間が、
実に美しく優雅で繊細に描かれている。

瞬間をとらえ、瞬間を描き切り、
瞬間を永遠に転じることが絵画には可能だ。

そこに日本人の感性が宿っている。

西洋美術の鑑賞に、
キリスト教の知識が必要であるのと同様に、

日本画の鑑賞にも、
日本文化の素養が必要なのである。

私は深い教養ある人間になりたい。

それが経済的には貧しくとも
人生を豊かにすると思うからだ。



来年の秋には、
「北大路魯山人の美 和食の天才展」が
足立美術館で開催されます。

大人向けツアーを作ります。
ご期待下さい。
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