東京多摩借地借家人組合

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アパートの明渡しで組合が交渉し立退料が3倍に増額

2018年08月10日 | 明渡しと地上げ問題
 町田市のアパートに住む林さん(仮名)は、昨年12月に管理会社の不動産屋から「建物老朽化に伴う立退きについて」が突然届きました。

 通知の内容は「当アパートは平成2年5月に新築いたしましたが、経年老朽化が進み維持管理が困難な状況となっています。今後は、天災はさることながら老朽化に伴う事故が起こり、入居者各位殿に多大な被害をもたらす事も考えられるため、建物の取り壊し工事を行うことを決断致しました。よって入居者各位には誠に申し訳ありませんが、当アパートを退去して頂きますようお願い申し上げます」等々、家主と管理会社が明記されていました。

 林さんは障害者であり、母親が管理会社に問い合わせたところ今年5月までに退去すれば20万円の引越料を払うと一方的。これでは引っ越しもできないため2月に組合に相談し、入会しました。組合では早速管理会社に「築28年が経過したばかりであり、老朽化そのものが口実に過ぎず明渡しの正当な理由には当たらない」と指摘し、「移転条件等について賃借人が納得できる内容の提示があれば組合を通して話し合う」と通知しました。

 管理会社から早速組合に連絡が入り、「もう一度移転条件を検討し提示する」と言ってきました。5月に入り、管理会社から当初の条件の3倍の立退料の提示があり、林さんも移転策を探して見ることにしました。このほどようやく移転先も見つかり、8月末までに移転する約束で明渡し合意書を作成し、立退料は合意書作成後1週間以内に賃借人の銀行口座に振り込むことで決着。転居前に立退料プラス契約時の支払い済の退去時原状回復費用31500円がこのほど送金されました。

 林さんは「組合が交渉してくれて本当に助かりました。私たちに冷たかった不動産会社の態度がこんなにも変わるとは驚きです」と語っています。


東京多摩借地借家人組合

電話 042(526)1094

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