花・伊太利

日々の生活に関する備忘録です。

当てはまる文字は? 3連(休・救・窮・泣)

2017-10-06 21:13:48 | Weblog
 「心は安く、気はかろし、揺れ揺れ、帆綱よ、空高く・・・」これは樺太旅行へおもむく北原白秋の船出の言葉です(「フレップ・トリップ」岩波文庫)。旅に出るワクワク感、ウキウキ感にあふれています。北原白秋は樺太の旅がよほど楽しかったらしく、アザラシの繁殖地である海豹島へ向かう途次、「ブラボウ、ぼうぼうぼうぼうおうと汽笛が吼える」と、相当なハイテンションを見せています。「われは思ふ、末世の邪宗、切支丹でうすの魔法」で始まる「邪宗門」の世界とは大きな違いです。さて、明日から3連休。お出掛けを楽しみにしている方も多いでしょう。北原白秋のような昂揚感が得られれば、旅のし甲斐もあると言えます。
 ちなみに私は再来週に奈良への旅行を控えているので、財布の紐を締めなければなりません。森まゆみさんの「千駄木の漱石」(ちくま文庫)の頁を広げ、活字の海に遊ぶのがせいぜい。ただ、区の図書館が書庫の整理で休館中なので、ちょっとだけ散財してしまいましたが。
 一方、3連休もお仕事の人がいます。日頃の激務から疲労が積み重なり、文字通り身体を休めるだけの人も少なくないはずです。長時間労働が原因となって命を落とした電通の若手社員のことが、各メディアで大きく報道されてきました。つい先日はNHKの若い記者が過労死したニュースも伝えられました。北原白秋は旅の終わりを次の言葉で結んでいます。「若かれと私は叫ぶ。若かれ、若かれ、若かれと。」気も心も若くあるには、必要充分な休養が得られるかどうか、社会のあり方も問われます。

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