花・伊太利

日々の生活に関する備忘録です。

となるのでしょうか?

2023-10-26 20:35:00 | Weblog
 自民党の山田太郎参議院議員は不倫が明るみに出て、文部科学兼復興政務官を辞職することになりました。岸田政権の支持率が低迷している中、世間の風当たりへの懸念から早々に幕引きをとなったのでしょう。でも表向きの理由は、「不倫している人間は政務官にふさわしくないから」になるかと思います。と言うことは、議員は辞めないそうなので、「議員としては不倫しても特段問題にはならない」となるのでしょうか?

 支持率回復に躍起となっている岸田総理は、臨時国会の所信表明演説で所得税定額減税を打ち出しました。表向きは、「物価高に苦しむ国民に所得税の増収分を還元するため」とおっしゃってますが、本心は「増税メガネ」と揶揄されたくないからと見られているようです。であるなら、ご機嫌取りのバラ撒き施策が欲しければ、「岸田総理を支持せず悪いイメージのあだ名をつけ続ければよい」となるのでしょうか?

毒虫になった男と虎になった男

2023-10-20 21:27:00 | Weblog
 変身譚と聞いて昔話やおとぎ話以外で私が思い浮かべる作品に、セールスマンが毒虫に変わるカフカの「変身」と、役人が虎に変わる中島敦の「山月記」があります。目が覚めたら姿が変わっていた点は共通ですが、変身後の意識や態度は対照的です。

 虎になった李徴はなぜ虎の姿になったかを自問し続け、己の臆病な自尊心と尊大な羞恥心がその原因であったと悔やみます。一方、毒虫に変わったグレゴール・ザムザは変身の理由を問うことがなく、あっさりと新しい境遇を受け入れます。関心の的は毒虫の自分を家族がどう見ているかです。両者の意識はそれぞれ内と外とまったく逆を向いています。

 ただ変身前、ザムザも李徴も世の中にうまく適応出来ていなかったところは同じで、その不適応の積み重ねが異形に至ることにつながったと思われます。さて、不適応の蓄積で心が引き裂かれて、ついには異類の身に変わってしまう人がいたとします。方や、適応はしているけれども、そのためにかなりの無理をしている人がいたとします。その人は外見上毒虫や虎になったりしていなくても、心が毒虫や虎になったりはしないでしょうか(これは結構いそうですね)

 また、不適応で姿や心が毒虫や虎になる代わりに、ルサンチマンや苦難の神議論で自己肯定する途もありそうです。ザムザは家族に毛嫌いされていることを知り、夜半にひっそりと死んでしまいます。李徴は我が身を嘆いた後、月に向かって吠え、草むらの中に姿を消しました。そうではない、不適応が違う形で現れるザムザや李徴を想像してみるのも、ちょっと面白いかもしれません。

インセンティブ

2023-10-10 20:29:00 | Weblog
 インセンティブは報奨金や奨励金といった意味で使われることがあります。商品特性にほとんど差のない似通った商品を作っているA社とB社があったとします。例えばA社が自社の商品を積極的に売ってもらうため、ある目標をクリアした販売店に対して通常の販売手数料とは別に支払うお金がインセンティブです。商品力で優位に立てないので、お金の力で競争に勝とうという訳です。あるいは新商品を投入した際や決算前に、勢いをつけるために用いることもあるかと思います。

 一方、会社内では人事や査定がヤル気を引き出すためにインセンティブ的な意味合いを持っています。それはそれで普通のことですが、会社の施策やビジョンなどと結びついた時はどうなるでしょうか。施策やビジョンに基づいて頑張った結果、好業績が生まれたのなら、頑張った人たちが昇進したり高い査定を受けることは当然でしょう。ただ、施策やビジョンを打ち出した時に、合わせて人事や査定をちらつかせたりされると、経営陣は自信がないのかなと思ってしまいます。サラリーマンは上の言うことに従うものです。納得のいく施策やビジョンであれば、なおさらです。マイナンバーカードはマイナポイントで釣って取得者数を増やしました。本当に便利なら、みんな進んで取得するでしょう。そうじゃないからエサで釣りました。インセンティブの使い方によっては、かえって不信感を抱かせることになりかねません。