花・伊太利

日々の生活に関する備忘録です。

死なない思想家、マルクス

2019-08-31 13:59:35 | Book
(※朝日新聞朝刊連載「折々のことば」風に)

 「資本主義がどれほど永続し、マルクス思想が後の思想家たちにどれほど批判されても、資本主義が資本主義である限り死なない思想家、それがマルクスである。」

 マルクスは資本主義下において労働力が商品化されたことによって生じた疎外状況から労働者を解き放とうとした。自由を取り戻すための処方箋を描いたが、その後の歴史の中で否定されるに至る。しかし、資本主義に問題がなくならない以上、マルクスの課題を乗り越えたことにはならない。坂本達哉著「社会思想の歴史」(名古屋大学出版会)から。

知世ちゃん、喉は大丈夫ですか?

2019-08-25 12:39:03 | Weblog
 夏休み、東京から九州まで車を運転しました。道中聴こうと持ってきたCDを荷物室に置いたままにしてしまったので、最初の休憩までの間、元からセットしてあった原田知世さんの「恋愛小説2」が何回も繰り返されることになりました。

 静岡県のどこかを走っている時、ふと思いました。「こんなに何時間も続けて歌っていて、知世ちゃんは喉が痛くならないだろうか?」もちろん痛くなろうはずはありません。なんで変なことが頭に浮かんだのだろうかと思いつつ、ここらで休もうと次のサービスエリアに入りました。

 トイレ休憩の後、CDを入れ替えて走り出しました。運転しながら、昔も同じCDを繰り返し聴くことがあったのを思い出しました。平成になってまだそんなに経っていない頃、金曜の夜ともなれば、スキー場へ向かう道路という道路が大渋滞になり、それが都内の道路にも及び、東京を出るのにすら何時間もかかったものでした。そうしたある週末、ユーミンを聞きながら夜通しゲレンデを目指したことがありました。ユーミンの歌に「リフレインが叫んでいる」というのがありますが、その夜はCDの「LOVE WARS」のリフレインが10回くらいは続いたような気がします。

 その時は、「ユーミンは喉が痛くならないだろうか?」なんて少しも思いませんでした。思うに、CDの知世ちゃんの喉を心配するなんて、自身歳を取ってあちこちガタがくるようになり、身体を気遣う心性が出てきたことの表れなのかもしれません。そうなると、老いもまた良し。やさしさに包まれた心が生まれるのかもしれません。

笑ってもらえなかったジョーク

2019-08-07 00:50:35 | Weblog
 梅雨が明けたとたんに酷暑がやってきて、通勤の時など最初の乗換駅に着いた頃には肌着がピチャピチャになっているくらいです。そんな暑さが続く中、某日、小仏城山に登りました。樹林歩きで直射日光は遮られているものの、ムアッとする熱気は容赦なく、歩き始めてすぐ、流れる汗があごからポタポタと滴り落ちてきました。全身汗みずくのハイキングでしたが、足がつることも、意識が混濁することもなく、高温多湿もなんのそので登って降りてきました。下山してからは、流れていった(それ以上の?)水分を補うためビールを飲んで、ほろ酔い気分で家に帰りました。家族に「今日は暑くて大変だったよ。パンツまでビチョビチョ。凄い汗だと思いきや、実は尿漏れだったかも」と言ったところ、「えぇー、きたなーい。それヤバイじゃん」のリアクション。ちょっと下品とは思いながら、こちらは冗談のつもりで言ったのに、マジに取られて、「俺ってそんなジジイに見られているのか」と、少なからぬショックを受けました。「今のは笑いどころじゃないのか」に対しても、「ホント、大丈夫?」と疑いの視線。このジョーク(?)を今度は同年代に投げて反応を見ようと思いますが、「そうか、お前もか」なんて言われたらどうしましょう。