8月15日が近づくと戦争を振り返るテレビ番組が多くなります。それらの番組は、悲惨な経験をした人の記憶をたどるものが少なくありません。戦争体験を風化させないことは大切ですが、被害者の立場だけで良いのかなと思います。戦争で多くの人が苦しんだのは事実です。しかし、戦争がなければ銃を取ることのなかった多くの人たちが、命を奪う側に立ったことも事実です。私たちがテレビで見る戦争被害者と同じような人たちが世界中にたくさん居て、それは、日本兵によって殺された大勢の人たちがいることを意味し、おそらく、その日本兵は戦争が始まる前は善良な市民であったろうと思います。「あの辛く悲しい戦争を繰り返さない」といった視点のみならず、「いったん戦争になれば、私たちも殺す側に回りかねないこと。そんな人間性を破壊するような事態は絶対に起こさない」、この視点からの訴えもまた忘れないようにしなければならないと思います。
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