花・伊太利

日々の生活に関する備忘録です。

流れる時と流される自己

2023-04-28 23:10:00 | Weblog
 年度替わりは概ね忙しいものですが、今年は特に忙しかったです。いろいろな要素がたまたま重なったのでしょうが、「遅くまで大変だね」と声を掛けられたり、ものを頼まれる際、申し訳なさそうに「忙しいところ済みませんが、・・・」と言われることが、例年になく多かったように思います。

 自分のペースで仕事をするのではなく、終日「今」・「すぐ」的な切羽詰まったリクエストに追われる感じだと、家に帰って「今日も忙しかったなぁ」とは思うものの、「ところで何で忙しかったんだっけ」と顧みても、何も思い出せなくて、ビックリと言うか、がっかりと言うか、要は具体的な内容がすっぽりと抜け落ちていることに、唖然としてしまいます。

 人間が時間に流されたりせず、流れ去っていくところを眺められるのが通常です。そのような状況で過ぎた時間を振り返った場合、そこには何がしかの記憶が残るものです。ところが、自分自身が時に流されてしまったら、記憶も一緒に流れ消えてしまうようです。思うに、記憶が蓄積されるためには、時間と意識の相対速度が小さ過ぎてはダメで、経験や行為に意味づけをしていく時間的、精神的な余裕が必要なのかもしれません。尤も、「思い出せないのは、ボケてきただけじゃねっ」と言われる恐れが無きにしも非ずではありますが。

知は力なり

2023-04-23 14:43:01 | Weblog
(※朝日新聞朝刊連載「折々のことば」風に)

 「解いた人が世界を広げるきっかけになればうれしい」

 クイズ作家歴15年の近藤仁美さんは、テレビのクイズ番組に出題される問題を作るために、年間300冊の本を読む。大学入学時にクイズ研究会に勧誘され、クイズ作りを始めたが、解答者が楽しむ姿を見てやりがいを感じたそうだ。クイズ作りにあたっては、一部の人しか分からないような問題は避け、みんなで考えられる題材を心がけている。正解であろうと不正解であろうと、知る楽しみ、考える楽しみが味わえれば良い。知は外に向かう力であるばかりではなく、内に向かっても働きかけるものであろう。

4月22日付 朝日新聞朝刊・「ひと」欄から

(ひと)近藤仁美さん テレビ番組「高校生クイズ」などを手がけるクイズ作家:朝日新聞デジタル

(ひと)近藤仁美さん テレビ番組「高校生クイズ」などを手がけるクイズ作家:朝日新聞デジタル

 シマウマのたてがみの色は何色でしょう? Aは白、Bは黒、Cは白黒。正解は「C」。草木に溶け込み、血を吸う虫から逃れるために体全体をしま模様にしているとされる。...

朝日新聞デジタル

 

ムダな会議

2023-04-14 22:20:00 | Weblog
 会議のムダ、あるいはムダな会議をなくしましょう、はたまた会議の効率化、なんて呼び掛けが、忘れた頃に、いえいえ「またか」といった頻度でやってきます。年度が替わった今頃あたり、そんな呼び掛けを聞いた人は多いかもしれません。会議時間は1時間以内、資料は前日配付、報告事項はメールで、みたいなことが言われますが、毎度似たような内容であるところからすると、そもそも呼び掛け自体がムダと言われても仕方ありません。

 例えば、はなから1時間と時間を切られれば、時間内に収めるための巻きが入ったり(チンとベルを鳴らすことも)、自分の発言を短く簡潔にしようとするので、熱がこもった議論にはならず、課題解決型の会議には不向きです。結局、会議の1時間そのものがムダなものとなりかねません。

 自分のパソコンの予定表には次々と会議の招集依頼が飛んできます。会議の時間を他の仕事に回したいと思ったりしますが、「一番のムダは参加者のお前だ」と言われないよう、ビシッと心を引き締めて臨むことにします。