花・伊太利

日々の生活に関する備忘録です。

バブル失政

2015-10-31 16:28:29 | Book
 岩波書店から出ている「検証 バブル失政」を読みました。1985年のプラザ合意から1990年のバブル崩壊までの過程を、当時、政策に関わった人たちを追うことで明らかにしていく内容です。この本はバブルを振り返るノンフィクションでありながら、読んでいる最中スリリング感が溢れていました。日米経済摩擦に対する米国民や議会からの批判に押されるように対日圧力を高めるアメリカ政府。ホワイトハウスへの協調姿勢を示そうとする日本政府。アメリカと日本の政権の間で自らの影響力を守りながら調整役を務めようとする大蔵省。そしてアメリカ政府から、また時の内閣や大蔵省から公定歩合引き下げを迫られる日本銀行。これら四者の駆け引きの模様が、作者である軽部謙介さんの綿密な取材による豊富なエピソードの積み重ねで織り出されていきます。自分が過ごしたあの時代と重ね合わせつつ、カタストロフィにどんどん向かっていく展開は、バブルが生まれ弾けることが分かっていながらも、サスペンス小説を読んでいるかのような印象を受けました。
 おそらく、バブルを助長するような政策決定に携わった多くの人が鬼籍に入った今、ようやく生々しい言動を表に出せるようになったのだろうと思います。1987年の総額6兆円に及ぶ補正予算がバブルの後押しをしたとされていることに対する、「間違っていたという批判は、皆さんにもお返ししたい」との、ある大蔵省事務次官経験者の言葉が紹介され、著者は「政治も、メディアも、正確に事態を認識していなかったではないかというわけだ。政策当局者の判断の誤りの背景には政治の圧力や世論があったという認識は、広く存在する」と解説を加えています。確かに、「それはそうだろう」とは思いますが、それで失政がチャラになるわけでもないでしょう。あの一時代を昔話にしてはならないと思います。

長閑な日曜日

2015-10-13 20:03:02 | Weblog
 このところウォーキングづいています。3連休の中日、昼前から3時間ほど歩きました。とある駅からの歩き出し、秋の涼しい風がキンモクセイの香りを運んできます。「天気はまずまずだし、気持ち良く歩けそうだ」と思いました。しばらく歩くと酒蔵が連なる通りが現れました。日曜だったので蔵は閉まっていましたが、いろいろなお酒の看板を見ながら、知らないお酒、飲んでいないお酒がまだまだあるなと思いながら歩きました。酒蔵通りの端っこあたりにあるお店で奈良漬と日本酒を買い、それらを手にぶら下げながら40分くらいも歩くと神社に出ました。お参りをして、参道にある食堂に入りました。この日、何と言う理由も根拠もなく「昼ごはんはカツ丼とビール」という思いがありました。これまた何の理由も根拠もなく、出てくるカツ丼は、カツと卵が固く一体化し、タマネギにはしっかり味が染みてない上まだ生の部分が残っていて、砂糖をたくさん使った甘い味付けのカパカパしたカツ丼だろうと予想し、どこか期待する面もありました。けれども、出てきたのはタマネギが飴色になるまで煮込まれているし、卵はとろんとしたつゆだくのゆるいカツ丼でした。予想は裏切られたものの、地方の町の食堂ぽくて安心しました。また、スーパードライと一緒に出てきたコップがかなり使い込まれている風に黄みがかっていたのも、町の食堂ぽさを感じさせました。カツ丼とスーパードライに1250円を払って食堂を出て、50分ほどでスタートとは違う駅に着きました。そこからさらに1時間近く歩きました。途中、田んぼの稲が綺麗に色づいていて、もう少し季節が進めば百人一首の「秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ わが衣手は 露にぬれつつ」チックな雰囲気になるだろうなと思いました。紫式部は自らの日記で、控え目で慎み深い態度のことを「おいらか」と言っています。世は秋の行楽シーズンの3連休、観光名所には人がどっと繰り出していることでしょう。一方、私の今日のウォーキングは別にどってことなく、家族からは「そんなとこ歩いて暇ねぇ」と言われそうです。でも、本来の意味とはちょっと違いそうですが、私の中では「こんなおいらかな休日もいいもんだ」と思いました。そうそう、神社でひいたおみくじが「吉」だったのも、なかなか「おいらか」なような気がしました。

予行演習

2015-10-05 20:13:38 | Weblog
 土曜日、先週の20キロ・ウォーキングの清々しい余韻から、またぞろ歩いてみたくなり、2時間かけて11~12キロを歩きました。仲間とおしゃべりを楽しみながら歩くのも良いですが、ひとり歩きの気楽さも良いものでした。目的地に着いたのがちょうどお昼頃、ラーメンとスーパードライでお昼ごはん、その後電車で帰りました。家では、カツオの生節を肴に井上合名会社の日本酒「美田」飲みました。だんだんいい気分になってきて、ごろっとなったらそのまま昼寝になりました。
 日曜日、14時過ぎに子どもを迎えに行くことになっていたので、その前に土曜日とは反対の方角を散歩してみるかと思い、12時を少し回った頃家を出ました。1時間半ほど歩いてから、子どもと落ち合うために電車で戻りました。親子ともお昼はまだだったので、子どもに「何が食べたい」と聞くと、答えは「ラーメン」だったので、2日続けてお昼はラーメン、しかもスーパードライ付きでした。家に戻った後、晩ごはんの用意がそろそろ整うかという頃合からキャンティ・クラシコを飲み始めました。いつの日かリタイアしたら、毎日がこのようになるのか、この土日はその予行演習だったのかな、と思いました。