「さむしろやまつよの秋の風ふけて月をかたしくうぢのはし姫」、これは藤原定家の代表的な歌のひとつですが、古今和歌集に収められている「さむしろに衣かたしき今宵もやわれを待つらむ宇治の橋姫」(詠み人知らず)の本歌取りとしても有名です。本歌取りの歌ですから、「うぢのはし姫」と言っても、具体的な誰かを思い描いたのではなく、歌の情景は定家の想像によるものであり、「はし姫」は「待つ女」のメタファーです。源氏物語の「浮舟」の話と重ね合わせることで、「待つ女」のイメージは益々強くなります。
平等院を訪れた後、宇治川に沿って少し歩きました。宇治川をはさむ山々にポツポツ降りの雨が霧の衣をまとわせており、その間の幅広でフラットな川面を流れる少し蒼碧がかった水を見ていると、平安の文学的世界にちょっと近づいたような感じがしました。今回は平等院が目当てでしたが、再訪の機会を作って宇治川を山間までゆっくり遡ってみたいと思いました。
(画像の女性像は橋姫ではありません。紫式部だそうです)
平等院を訪れた後、宇治川に沿って少し歩きました。宇治川をはさむ山々にポツポツ降りの雨が霧の衣をまとわせており、その間の幅広でフラットな川面を流れる少し蒼碧がかった水を見ていると、平安の文学的世界にちょっと近づいたような感じがしました。今回は平等院が目当てでしたが、再訪の機会を作って宇治川を山間までゆっくり遡ってみたいと思いました。
(画像の女性像は橋姫ではありません。紫式部だそうです)