花・伊太利

日々の生活に関する備忘録です。

あまりにもピッタリ

2012-01-25 23:10:30 | Weblog
 昨夜、パラパラとE.H.カーの「危機の二十年」(岩波文庫)を読んでいて、びっくりした箇所があります。そこには、こんなことが書いてありました。『左派の政党ないし政治家は政権を獲って現実とかかわるようになると、「空論家的」ユートピアニズムを放棄して右派へと転じていく傾向があること、しかも左派はしばしば左派のラベルをつけたままにしており、そのため政治用語の混乱に拍車をかけているということである。』 カーの言う「左派」を「野党」に、右派を「与党」に読み替えれば、今の民主党そのままではないかと思い、思わずこの部分を二度、三度と読み直してしまいました。この夜、古舘さんや秋元さんのニュースで、野田総理が施政方針演説で自民党の歴代首相の言葉を引用して消費税率の引き上げを訴えたことが報じられていたので、「ドンぴしゃ」感はますます強くなりました。民主党に対して思うのは、『「空論家的」ユートピアニズム』にいつまでも固執するのも困りものですが、「もうちょっと頑張るかと思った」というのが率直な感想です。ムダを削る努力が尻すぼみだったのは残念です。

子どもと観た映画2作

2012-01-23 21:57:34 | Weblog
 12月、1月とそれぞれ1作ずつ子どもと一緒に映画を観ました。極々簡単ではありますが、その感想を。

「タンタンの冒険」:ハリソン・フォードが年を取って、もうインディー・ジョーンズ役が演じられなくなり、しかもハリソン・フォードに代わる俳優もいなさそうなので、スピルバーグがアニメでインディー・ジョーンズを作ったといった感じの映画。宝をめぐって追いつ追われつの展開は、まさしくインディー・ジョーンズシリーズそのもの。

「マジック・ツリーハウス」:一言で言えば「子供だまし」。ストーリーは安直、展開は安易、映像は安出来。原作をそのままなぞっただけで、新味も掘り下げもなし。でも、本を読んでいる子、特にまだ小さい子にとっては、4話分のおさらいが出来てそれなりに楽しめるのかもしれません。

 うちの子どもの感想は、「どっちも面白かった」とのこと。私が観た上映回に限れば、「マジック・ツリーハウス」の入りの方が良く、これはきっと原作の子どもへの浸透度の差なのだろうと思います。配給元別でみた場合、利益率ではGAGAが東宝東和を圧倒しているのではないでしょうか。

2012年を迎えて

2012-01-09 16:44:36 | Weblog
 2011年が「絆」の重要性を再認識した年であるとすれば、2012年は実際に絆を築いていくために何をしていくかが問われる年だと思います。ただ大切だと思うだけでは、2011年が私たちにとって何の契機ともなっていないことになります。さて、では何をするかですが、闇雲に手を差し出して「絆を作りましょう」と言っても仕方がありません。また、かつての共同体に見られたような、人々を総ぐるみで絡め取る桎梏的なつながりに帰ることは、私たちの求めるものではありません。むしろ、ひとりひとりが主体的につながりを取り結ぶことが望ましく、そのためには私たち自身の持つ共感力を高めることが必要だと思います。なぜなら、人に共感すれば、その感ずる点を結節点として相手との関係を取り結ぶ道が開けてくるからです。
 「空即是色」という言葉があります。空であると思われるものに色を見出すのは、私たちの心の働きです。共感力を持つことで、今まで見過ごしがちだったものに彩を感じ取ることが出来るようになります。私たちそれぞれが共感力を高めていけば、そこから紡ぎ出される絆は多彩なものとなるでしょう。今年は心を開いて他者を理解するよう努めることを、特に心掛けていこうと思います。

紅白歌合戦

2012-01-01 08:47:36 | Weblog
 2011年の紅白歌合戦は一言で言えば、演出過剰でした。能弁も過ぎるとだんだん嘘くさくなってくるように、意図したメッセージが心に刺さってきませんでした。演出が過剰ということは、歌い手にもいろいろと指示が出ている訳で、どこか「やらされている感」が出ていたのかもしれません。シンプルに、一年の歌い収め、渾身の熱唱に徹した方が、歌の持つ本来の力が伝わってきたのではないかと思いました。