花・伊太利

日々の生活に関する備忘録です。

カラスウリと赤とんぼ

2014-11-26 20:01:43 | 季節/自然
 先日妻の実家へ行った時、朝、散歩がてら近くの里山を歩きました。途中、真っ赤になったカラスウリがひとつぶら下がっていました。自分が小学生の時分は、「手榴弾」と言って悪ガキ同士でカラスウリのぶつけ合いをしたものでした。当たると中のネバネバが飛び散って、服が朱色に汚れます。今はそんな悪ふざけをしようものなら、親から大目玉でしょう。今時の子はカラスウリなんて見たことないだろうと思い、子どもに見せるため蔓を切ってぶらぶら手に持ちながら山を下りました。しばらく歩くと用水池がありました。魚か何か生き物がいるかもと池の縁に寄ってみると、一匹の赤とんぼが弱弱しく飛んでいました。池に浮かんだ枯れ葉で休み休みしながら、水面すれすれに飛んでいました。枯れ葉が弱り切った赤とんぼの舟となる、その様に老老介護を思いました。いずれ枯れ葉は池の底に沈んでいき、赤とんぼも力尽た後、また池の底に身を横たえるかもしれません。
 12時までには戻ろうと思っていましたが、カラスウリをプラプラさせながら歩いていると町の方から12時を報せるメロディーが聞こえてきました。少しでも早く帰ろうと思い近道をしたのがいけなく、通れるはずの場所が工事中で逆に遠回りをする羽目になり、12時を20分ほど過ぎて家に着きました。

この2年間を振り返ると

2014-11-21 20:45:40 | Weblog
 本日衆議院は解散し、来月14日に投開票が行われることになりました。阿倍政権のこの2年間に対する印象は、とっても乱暴な言い方をすれば、「力のあるヤツには甘い汁を吸わせ、不満を持ったヤツには勇ましい言葉で煽って、それぞれ支持を取り付けた」、といったところです。今回の解散については、先ず答えがあって、それに腹の中に思っていることとは違う理由をくっつけているように思います。ほんの少し前、「解散は考えていません」とおっしゃっていました。これから、さらに嘘に嘘が塗り重ねられていくのか、それともやはり増税時期の延期は国民の信を問うべき問題なのか、選挙戦での今後の論戦に注目したいです。

晩秋

2014-11-16 19:41:00 | 季節/自然
 昨日の土曜日、会社の仲間と山を歩きました。天気は良く、風はなく、陽射しを浴びながら歩いていると汗ばんできて、着込んでいた服を脱ぎ、Tシャツで十分でした。格好からすると11月中旬の山歩きには見えません。登った山は400メートルと250メートルのふたつの低山で、植生が竹、桧、杉だったことから紅葉はありませんでした。これまた見た目に秋の風情はないものの、歩く足元にどんぐりが落ちていたり、山頂でお弁当を食べる箸を持つ指先が意外と冷たかったりして、やはり秋にしっかりと包まれているのだなぁ、と思いました。これで夕日が差していれば、新古今和歌集の三夕の歌のひとつ、寂連の「寂しさはその色としもなかりけり真木立つ山の秋の夕暮」の趣がそのまま当てはまりそうです。蛇足ですが、「真木立つ山」の「真木」とは常緑樹のことです。
 下山後、温泉に浸かりました。お湯の温かさがぐっと身体に伝わってきました。夏山では、温泉に入ると汗が流れる心地よさを感じますが、秋冬になると心地よさをもたらすのは身体が温まる感覚です。それから、反省会と称してつついた鍋の美味しさはまさしく秋を感じさせるものでした。はじめ、「今日は全然秋っぽくないなぁ」と思って歩いていたのが、家路に向かう頃は「秋も深まったなぁ」に変わっていました。大相撲九州場所が終わると、今度は冬が間近に迫って来るのを感じることになるのでしょう。

獺祭磨き二割三分

2014-11-03 16:26:59 | Weblog
 山口県旭酒造の獺祭磨き二割三分を飲みました。二割三分とは酒米を23%まで磨き上げ、つまり77%は削り捨てたということです。酒米の芯の芯で作られたお酒ということです。冷やの二割三分をbodumのグラスに注ぎひと口すすりました。これが日本酒かと思うような滑らかさでのどをすーっと落ちていきました。舌の上で広がるでもなく、胃に落ちた後に戻ってくるものがあるでもなく、ただただすーっと落ちていき、落ちていったままでした。77%を削り取ることで雑味がなくなり、清く澄んだお酒になってます。同時に口に含んだ時の火照り感もなく、個性のないことが個性と言っても良いかもしれません。獺祭磨き二割三分、それは静謐なお酒でした。