花・伊太利

日々の生活に関する備忘録です。

日中安保条約

2023-02-23 08:39:00 | Weblog
 またぞろ北朝鮮がミサイルを発射しています。以下は戯言です。もし、日米安保条約が日中安保条約だったら、北朝鮮は絶対にミサイルを発射しないでしょう。日本は安保条約で国土を守っているとしても、その安保条約が脅威を生んでもいます。アメリカからトマホークを買ったら、ミサイルを撃ち落とす攻撃力と引き換えに、新しい脅威が出てくるかもしれません。何かひとつのことで全て丸く収まるなんてことは、普通はないものです。

 2月21日付朝日新聞朝刊オピニオン面で政治学者・宇野重規さんがおっしゃっていることを要約してみます。「岸田政権は目の前の現実に押し流されている。実際には錯綜し矛盾した要素で世の中は動かされているのに、状況を一枚岩と捉える見方では、自らの選択を現実的とし、批判に対しては観念的、非現実的のレッテルを貼りがちになる。平和や安定のためには、経済や外交を通じた信頼関係の構築、文化的な交流などを複合的に考える、政治の想像力が必要だ。」

 オセロで目先のことばかり考えて手を打っていると、やがてあれよあれよ追い込まれてしまうことがあります。複眼思考で想像力を働かせて頂きたいと思います。

リスキリング

2023-02-19 17:39:14 | Weblog
 岸田首相の「産休・育休時のリスキリング支援でキャリア・アップが可能に」との発言は、出産・育児を甘く見ていると反発を受けました。子育てしながらのリスキリングが現実的か否かはひとまず置くとして、変化の激しい今の世の中で、リスキリングが必要なことは誰もが認めるところでしょう。

 リスキリングが必要ということは、スキルの賞味期限が短くなったということです。経験や知識を積み重ねて職業人として成熟していくのは昔話で、柔軟性や瞬発力をもって常にスキルをアップデートすることが求められる社会に変わってきたようです。

 常にスキルをアップデートするということは、スキル自体が一過性のもので、キャリア形成の不安定化、流動化を意味します。また、能動的なキャリア形成が難しくなり、キャリアとの向き合いが受動的になりそうです。

 着せ替え人形がいろいろと衣装を変えていっても、人形そのものは何も変わっていないといった事態にならないか心配ではあります。めまぐるしく社会は動いていっても、根幹的な部分は何も変わっていなければ、それは皮肉なことです。

 リスキリング発言の真意が、政権の権力維持にあるのではないかと思うのは、流石に深読みのし過ぎでしょうが、「リスキリング」には何か人々の幸福とは相反するものが潜んでいるような気がします。

失言

2023-02-08 22:12:00 | Weblog
 性的マイノリティに対する差別的発言で荒井首相秘書官が更迭されました。新聞やニュース、ワイドショーなどがこの問題を大きく取り上げ、巷の人や識者などから全面的にNoのコメントが突き付けられているようです。ついこの間、法務大臣が一発アウトの発言で更迭されたばかりです。失言によってポジションを外される人が後を絶たず、ダメージを受けることは誰もが分かっているはずです。けれどもしばらくするとまた出て来るのには、首を傾げるばかりです。

 さて、失言された皆さんがよく言うのは、「不快な思いをされた方がいるならば、陳謝したい」みたいな、「・・・ならば」の条件付き謝罪です。つまり、発言の内容を詫びているのではなく、傷ついた誰かに対してだけ謝っている訳です。「言った内容自体はOKだけども、嫌に感じる人がいたんだよね」という考えがそこにはあるのでしょう。

 荒井秘書官が「同性婚は秘書官室もみんな反対する」と発言したことも伝えられています。不適切発言が次から次へと出て来るのは、そういった発言を「良し」とする存在が少なからずあるからだと思います。仲間内では受けが取れたのに、世間からは批判を浴びた戸惑いが、「・・・ならば」につながっているのではないでしょうか。

 更迭によって問題に幕が引かれたと思うのは間違いです。幕の裏に失言予備軍を隠しただけかもしれません。首相の任命責任の根は深く広いと思います。