花・伊太利

日々の生活に関する備忘録です。

年忘れ

2008-12-31 17:52:13 | Weblog
 今年の年末は、ママの「家中を徹底的に掃除をするぞ」の大号令の下、27日から5日間かけて、今の家に引っ越して以来最大級の大掃除大作戦を展開しました。あかぎれと爪の中まで真っ黒になった指に、日ごろの不精を反省しながらも、このご時世、掃除する家があることは幸せなことなのでしょう。ともあれ、明日は気持ち明るくなった家で新しい年が迎えられます。さて、少しはのんびりしましょうか。

 年忘れ橙剥いて酒酌まん(子規)

レレレのレ

2008-12-22 21:07:23 | Weblog
 銀座を歩いていると、救世軍が社会鍋を出しているのに目が留まりました。師走の風物詩だなぁとか、今年は不況風が吹き荒れているから社会鍋にも例年以上にリアリティを感じるなぁとか、「軍」だの「鍋」だのなんだか古風で時代を感じさせるなぁとか、好き勝手なことを思いながら横を通り過ぎていましたが、ちょうどその時、時代がかった外套を着込み時代がかった帽子をかぶったおじさんがトランペットで「あわてんぼうのサンタクロース」をたどたどしく吹き始めました。「あわてんぼうのサンタクロース♪クリスマス前にやってきた♪いそいでリンリンリン・・・」ってやつです。あまりに子どもっぽいメロディにミスマッチだなぁと思いました。
 同じ日、家に帰って夕刊を見ていると、明日の運勢の欄にこう出ていました。「楽しい一日。お酒は適量に。」うーむ、喜んでいいものやら。

損して得取れ

2008-12-18 21:05:09 | Weblog
 今日の読売新聞夕刊で、阪急電鉄が子会社の駅員や乗務員を本社での直接雇用に切替えると報じていました。「直接雇用によって情報伝達を一元化すれば災害やトラブルに素早く対応できる」と阪急電鉄の人事部はコメントしています。このところ、自動車産業はじめ各製造業での派遣社員や期間工の削減が大きく報道されています。そこで報じられる人数のあまりの多さに、工場で働く人のうち熟練労働者といった人たちはいったいどれくらいいるんだろうと思っていました。また、最近やたらと目に付く車のリコールに関する記事や火の出る家電などのお詫び広告に、これらはコストを下げるために熟練工を育てる努力を怠ったツケではないかとも思っていました。今回の阪急電鉄の判断が結果として「損して得取れ」の好例となって、安定的な雇用関係はやっぱり企業にとってメリットがあるよね、となってくれればいいのにと願っています。

サバイバル!

2008-12-08 21:42:42 | Book
 先週、ひょんなことから鎌倉で飲むことになり、仕事が終わった後、新橋からJR横須賀線に乗込みました。その車中で一気に読み進めたのが、服部文祥さんの「サバイバル! 人はズルなしで生きられるのか」(ちくま新書)でした。服部さんは最低限の装備で長期山行を行なうスタイルを良しとする登山家で、この本では日本海に面した新潟県糸魚川市の青海(おうみ)から上高地までの山行記録が中心となっています。雨で川が増水しあわや装備を流されそうになったり、蚊に苦しめられたり、岩魚を釣ったり、ギョウジャニンニクを採ったりと、サバイバル登山家ぶりを十二分に発揮した山行記を楽しんでいるうちに、いつの間にか鎌倉に着いていました。ただ、家に帰ってから読み残しを読んだのですが、最後の「第4章 サバイバル思想」は蛇足のような感じがしました。服部さんの登山に対する思いは、山行記録の随所からしっかりと伝わってくるので、それを正面きって語るのは余計じゃないかと思いました。行為が伝えてくれるものが濃厚なだけに、行為の裏にある思想を取り出してきてそれだけでひとつの章にしてしまうと、かえって食傷してしまいそうです。第4章を読みながら、「きっと、筑摩書房の担当者から新書にするためには、あと何ページ書いてくださいね、と言われて無理して書いたんじゃないだろうか」、と思ったりもしました。優れた演奏家の音楽を聴いた後、出来ればアンコールでもう一曲、と思っているところに、私の音楽論を聞いてください、となったようなものでしょうか。なので、私の中では前著「サバイバル登山家」(みすず書房刊)の方が☆の数は多いです。

ステレオタイプ

2008-12-02 21:00:30 | Weblog
 地球温暖化だ何だと言っても、やはり師走になればそれなりに寒くなるものです。それなりに寒くなれば、暖かい料理が恋しくなります。例えば、家族でスーパーへ買い物へ行った時、「晩ご飯、何にする?」と聞かれれば、「鍋かな」と答えてしまいます。頭にぱっと浮かんだものを何も考えずにそのまま言ってしまうのですが、だいたいにおいて「ワンパターンねぇ」の言葉が返ってきます。逆に夏はどうかと言えば、「お昼ご飯、どうする?」、「冷やそうめんがいいな」、「ワンパターンねぇ」ということになります。また、これがお酒なら、寒くなると日本酒、暑くなるとビール、11月の第3木曜ならボージョレ・ヌーボと、やっぱりワンパターンです。きっと、頭の中がステレオタイプ化しているからなのでしょう。でもステレオタイプにもいくらかの効用はあるかと思います。寒くなれば鍋と思っていれば、「今晩、何が食べたい?」と聞かれても、さして頭を悩ませることもありません。ワンパターンはワンパターンで、そこそこに居心地がいいものです。かといって、居心地の良さに甘えてばかりいて、あらゆる分野について思考を停止したままでいると大事です。ステレオタイプは些事だけにしたいものです。