花・伊太利

日々の生活に関する備忘録です。

新・のび太と鉄人兵団

2011-02-26 14:44:15 | Weblog
 先の日曜日、子どもと映画の試写会に出掛けました。ビックカメラプレゼンツ「ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団」が試写会のタイトルで、3/5(土)封切りに先駆けたものでした。宇宙の遠く離れた星に住むロボットたちが地球に鉄人兵団を送り込み、人間を奴隷にしようと企みますが、のび太とドラえもん、そして友情で結ばれた仲間たちがそれを阻むために勇気を奮って戦うというストーリーです。その日の夜、子どもとのお風呂の中での会話です。「遠く離れた星からワープして地球に奴隷狩りに来るくらいなら、自分たちで奴隷ロボットを作ればいいのにね」と父、それに応えて子どもが「人間よりロボットの方が良く働くしね。あったまワリぃー」今どきの子どもは一筋縄ではいかないようです。友情や勇気といったテーマで素直に感動したりはしないのかもしれません。

春のヒサン

2011-02-20 19:16:01 | 季節/自然
 先週、東京は雪が積もり寒い一週間でした。金曜日の夜は強い北風でグッと冷え込みましたが、土曜日は寒さが和らぎました。その土曜日に、栃木県足利市の行道山に登りました。行基上人が開いた浄因寺が中腹にある修行の山です。足利市駅から浄因寺へ向かうタクシーの車中から、しなびた蜜柑の皮のような黒ずんだオレンジ色に色づいている杉の木がたくさん目に留まりました。オレンジ色の正体は花粉で、エネルギー充填120%、発射準備完了といった感じで、杉の木を覆っていました。花粉症の人にとってはおそらくゾッとする光景でしょう。
 家に帰って家族に、大変な量のスギ花粉が今にも飛びそうだったと話し、「花粉が飛散したら悲惨だ」と言いました。妻も子ども聞こえなかったふりをしたので、私は何も言わなかったことにしました。そして、半ば意図的に作り出された沈黙を破るために、ビールを「プシっ」と開けました。

第三の開国(下)

2011-02-06 19:12:41 | Weblog
 少し間延びしてしまいましたが、朝日新聞の環太平洋パートナーシップ協定に関する対論風の記事を読んで思い出された本の3冊目です。エマニュエル・トッド著「デモクラシー以後」(藤原書店刊)に収められている日本の読者に向けたインタビューの中に、次のような発言があります。「自由貿易主義の思想の歴史を見てみると、彼らは極めて単純化された公理系を持った人々で、自分たちが持っているシステムは永遠に良いもので、理想的なシステムであると考えています。極めて単純ないくつかの法則から、彼らはその結論を導き出すのです。保護主義者は、諸要因が複雑に絡み合っており、社会は多様であって、歴史上の時代も多様である、という形で思考する人々です。彼らは常に、歴史上異なる局面が相継いで継起するという考え方をします。保護主義者にとって、永遠に良いシステムは存在しません。フリードリッヒ・リストを読めば、その点は実に明白です。彼には、一つの国は、出発点においては、発展するために抵抗しなければならない、自らを保護しなければならない、それはテイクオフをするためであり、それから次の段階に進んだところで、それが支障を来たすことがないようなら、国を開くことになる、という考えがあります。当初の保護主義理論には、保護主義から自由貿易へと移る、ただしいつでも保護主義に戻る可能性は確保しておく、というシークエンスの考えが見られます。(中略)私が到達した結論は、いつの日かわれわれは、唯一最適な態度とは、自由貿易から保護主義へ、保護主義から自由貿易へと際限なく移行を繰り返すのが適切であるとする態度だ、と気づくだろうというものでした。経済に活力を与えるために国を開き、次いで活力を与えるために国を閉ざさなければならない、そうした時期があるのだと。」 
 要するに、環太平洋パートナーシップ協定を巡る議論で必要なことは、「国を開くか、閉じるか」といった2者択一的なことではなく、「どのくらい開くか」、「果たして今は開くタイミングなのか」といったことではないでしょうか。そして、その議論に際して私たちが心がけなければならないことは、私たちが選択する道筋が協調的なものとなっているかどうかです。ややもすると、「輸出産業にとっては有利ですね」とか「農業はダメージを受けますね」のように、損得の議論に終始しがちですが、他の国々との関係が持続可能なものになるかといった視点が欠かせないと思います。

春をことほぐ

2011-02-04 22:44:47 | 季節/自然
 今朝、駅へ向かって歩く道すがら、そこここに1円玉よりちょっと小さいくらいの黄色いものが道路に付着していました。「すわっ、犬のフンか」と思いましたが、どうやらそうではないようで、よく見ると炒り豆が踏まれてつぶれたものでした。「昨日は節分だったので、これは鬼は外のなれの果てだな」と合点がいきました。そして、今日は立春。太陽の光を受けても刺すような寒さに身をすくめていた先週とは打って変わって、歩く道筋をまぶしく照らす太陽の光がとても暖かく感じられました。「ことほぐ」という言葉がありますが、暦に合わせたようにやって来た暖かさに導かれたのか、なぜかこの言葉が頭に浮かびました。「ことほぐ」は「琴解」と書き、かつては春の暖かな日に、琴から琴糸を解(ほぐ)して、手入れをしたことから来た言葉です。もちろん、それは出鱈目ですが、出勤途中にそんなくだらないことを考えてしまうような、心地良い陽気でした。