花・伊太利

日々の生活に関する備忘録です。

山笑う

2009-04-22 22:15:37 | 季節/自然
 「山笑う」は春の季語です。暖かくなり生命の躍動が感じられだした山の姿を「笑う」と表現しているのでしょう。その山が笑う春の一日、山梨県に東のはずれ、神奈川県との県境に位置する道志山塊へ出掛けました。歩く目線の先には山桜の薄いピンクや桃の濃いピンク、足下に目をやればスミレの薄紫に名前の通り破れた傘さながらのヤブレガサの緑の葉っぱ、陽光が差し込む方向を見上げればブナの新緑が風にそよいでいます。また、鳥のさえずりは遠くなったり近くなったりしながら耳を愉しませてくれます。まさしく、山が笑っているのを感じることが出来ました。そして、山全体がひとつの小宇宙をなしているかのような、いわば自己完結した世界としての印象を受けるほころびのない雰囲気、命ある全てのものが、あるべきところにあるべくしてあるといった、予定調和に満ちていました。そんな中をゆったりとリラックスした気持ちで歩くことが出来ました。最近、ビオトープが置いてある観賞魚のお店が増えているように思いますが、そのビオトープを見た時、同じように心和むものを感じることがあります。おそらく、両者に共通するのは調和であり、その調和が私のこころに安らぎを与えてくれるのでしょう。さて、「故郷やどちらを見ても山笑う」は子規の句です。「どちらを見ても」と言うあたりに、子規が笑っている山に調和を感じていたことが現われているように思えてなりません。

バケツ稲観察記録 (4/14)

2009-04-14 23:40:32 | バケツ稲
 お米をよく知ってもらうことを目的として、JAではバケツを使った稲の栽培方法、名付けて「バケツ稲」の普及活動を行っています。今年は、我が家もそのバケツ稲にチャレンジしてみようと、バケツ稲づくりセットを申込みました。そして今朝、こどもと一緒に種籾を水に浸しました。3日から7日もすると芽が出るそうなので、それまで毎朝種籾を浸した水を新しいものに取り替えることにします。これから折に触れて、稲の成長具合を掲示していきたいと思います。

スポーツマンシップ

2009-04-10 22:02:08 | Sports
 今日の朝日新聞朝刊のスポーツ面に、故意にオウンゴールをしたフットサル・チームのことが出ていました。記事によれば、6点差以上で負けると決勝トーナメントの組み合わせが有利になるので、キックオフ後立て続けにオウンゴールしてわざと6失点したとか。オウンゴールの指示を出したコーチは、「ルールで問題なく、悪いと思わなかった」と言っているそうです。この記事を読んで思い出されるのは、明徳義塾の監督が星稜の松井秀樹選手に対して全打席敬遠の指示を出した、あの有名な夏の甲子園です。指示を出す方は、「ルールで禁止されてなければいいじゃないか。それも作戦のひとつだ」と言います。でも、やっぱりそれは違うんじゃないかと思います。と言うのは、次のような理由からです。ルール違反ではないけれども、みんながやらないこと、それをみんがやらずにだれかひとりだけがやれば、その人はうまいこといけることがあるでしょう。でも、それはみんがやらないという前提があってのことです。しかし、「勝つためには手段を選ばず、違反じゃなければオウンゴールだろうと敬遠だろうと大いに結構」とみんなが思ったらどうでしょうか。そしたら、わざとオウンゴールをする意味がなくなってしまいます。また、フットサルだろうと野球だろうと、やってる方も見ている方もゲームはちっとも面白くありません。お互いにオウンゴールを繰り返す試合って、面白いはずがありません。だから、だれもやらないことを前提とした戦法は、たったひとりでもやってはいけないのです。ルールブックだって完璧じゃありません。全てのケースについてああだこうだと書いてはありません。であればこそ、スポーツマンシップとかフェアプレーの精神とかが貴ばれることになります。選手宣誓の時に、「スポーツマンシップに則って」とわざわざ言うのはそのためではないでしょうか。スポーツの楽しさを損なわないためには、ルールの抜け穴をかいくぐるのではなく、スポーツマンシップの大切さをよく理解することが必要だと思います。

桜降る

2009-04-09 22:39:19 | 季節/自然
 地下鉄・丸の内線が地上に出て神田川を渡る時、灰緑色の濁った水面に稠密な桜の花びらの帯が出来ていました。それを見た娘が「桜がたくさん降ったね」と言い、それを聞いたママは「桜は降るじゃなくて散るよ」と言いました。でも、神田川に浮かんでいた桜の花びらは相当な数で、「散る」では「ハラハラと散る」のように語感としてはまばらなイメージがあり、「降る」の方が「どかっと降る」と言ったりすることから、スケールの大きさが感じられ、この景色にはふさわしいのではないかと、母娘の会話を聞きながら思いました。そう言えば、たくさんの桜の花びらが舞うことを桜吹雪と言いますが、桜吹雪の吹雪はすなわち雪、雪は散ったりせず降るものです。ややこじつけめきますが、桜が降ると言ってもあながち間違いではないような気がします。