イギリスの政治思想家、マイケル・オークショットは保守主義の擁護者とされています。保守主義と言っても、その指し示す内容は人によって異なりがあります。オークショットの立場は、歴史的な経緯を先人の英知と見て、イデオロギーに基づいて足早な改革を行うのではなく、漸進的な改良を積み重ねていこうとするものです。
オークショットは「政治というもの」について次のように述べています。「政治というものは何らかの新しい社会を想像することでも、既存の社会を抽象的な理想に合致させるべく改造することでもなく、我々の現存の社会からほのかに聞こえてくる要求をより充分に実現するために今何をなす必要があるのかということを認識することであろう。」(勁草書房刊「政治における合理主義」所収の「自由の政治経済学」より)
「社会からほのかに聞こえてくる要求をより充分に実現する」ことを是とするオークショットなら、声の大きな人や近づいてきて耳打ちする人の要求を優先的に実現しようとする姿勢には、異を唱えただろうと思います。
オークショットは「政治というもの」について次のように述べています。「政治というものは何らかの新しい社会を想像することでも、既存の社会を抽象的な理想に合致させるべく改造することでもなく、我々の現存の社会からほのかに聞こえてくる要求をより充分に実現するために今何をなす必要があるのかということを認識することであろう。」(勁草書房刊「政治における合理主義」所収の「自由の政治経済学」より)
「社会からほのかに聞こえてくる要求をより充分に実現する」ことを是とするオークショットなら、声の大きな人や近づいてきて耳打ちする人の要求を優先的に実現しようとする姿勢には、異を唱えただろうと思います。