花・伊太利

日々の生活に関する備忘録です。

少しだけ花の下にて酒飲まん

2024-04-14 20:51:01 | 季節/自然
 13日の土曜日、子どもと連れ立って山へ出掛けました。街の桜はだいぶ葉っぱが目立つようになってきましたが、山の上では見頃かと思って出掛けました。山道を1時間ほど歩いて、桜のポイントはそろそろといったあたりで、登山道にいくつか桜の花びらが落ちていました。いい感じに咲いているのではと期待して、もうひと踏ん張りすると、杉木立の緑に混ざって、薄桃色の桜が見事に咲いていました。

 ここらでお昼にしようと、棒ラーメンや野沢菜のお焼きを食べました。それから、桜にちなんで持ってきた出羽桜を飲みました。昔、とある大先輩に「明るいうちから酒を飲むようになったら人間はおしまいだ」と言われ、以来なるべく守るようにしてきたのですが、今日は勘弁してもらうことにし、子どもと二人でちょっとだけ飲みました。

 その大先輩は、10年以上前、会社を卒業してまだそんなに経っていないお歳でお亡くなりになりました。明るいうちからは飲んでいなくても、明るくなるまで飲まれていたのかもしれません。今日は、山の爽やかな風と、その風に舞う桜の花びらに心が乗せられ、昼酒をしてしまいましたが、大体においては大先輩の戒めに従おうと思いました。

 山を下り、駅に着いた時は夕方になっていて、多少日が陰ってきていました。電車に乗り、途中下車して、のれんをくぐり、焼き鳥やもつ焼きを食べながら、楽器正宗と名倉山「新(にゅう)」を一杯ずつ飲んで帰りました。

次は桜花無きにしも非ず

2024-04-08 22:38:00 | 季節/自然
 昨日の日曜日、山に出掛けました。街の桜は満開ですが、山の上はまだ固い蕾のままでした。「見ごろは次の週末あたりか」と思いつつ、どういう訳か太平記に出てくる児島高徳の話がふと頭に浮かびました。

 鎌倉幕府への謀反を企てた後醍醐天皇が隠岐の島へ流されるのを、児島高徳は救おうとしましたが、果たせませんでした。せめて自分の忠節を示そうと、後醍醐天皇が道中泊まった宿から見える桜の木に漢詩の一節を刻みます。

 その一節とは、
 天莫空勾践(天勾践を虚しうすること莫れ)
 時非無范蠡(時に范蠡無きにしも非ず)

 これは、中国の春秋戦国時代、呉に敗れた越王勾践を范蠡が助け、逆に呉を滅ぼした故事にならい、後醍醐天皇にも范蠡のような臣下が現れると励ましたものです。

 山で桜が咲いていなかったことと、児島高徳の話は全く関係ありませんが、「今日桜が見られなくても虚しく思うな、もうしばらくすれば見られないこともない」と読み替えてみたくなったのでしょう

 桜には少し早かったものの、足元に目をやればスミレの薄紫、ニリンソウの白い花々がちょうど盛りと咲いていました。

シモバシラ2023

2023-01-29 12:30:41 | 季節/自然
 自分の中で季節季節の恒例行事としているもののひとつがシモバシラ観察です。シモバシラは毛細管現象で地中から吸い上げられた水分が凍って出来る氷の花です。週末シモバシラを見に出掛けました。数日前の雪がうっすら残っていて、それに隠れているのか、なかなか見つけられませんでした。それでもいくつかの氷の花を見ることが出来ました。年間スタンプラリーの最初のスタンプがもらえました。

 さて、以前、凍った滝を見に行った時、岩肌にぶら下がっているツララでウィスキーのオンザロックを作ったことがあります。シモバシラのオンザロックはどうだろうと思ったりしましたが、それは想像だけのことにしておきます。

シュンラン2022

2022-03-15 03:09:03 | 季節/自然
 季節の階段を2段飛ばしで駆け上がったような暖かさだった週末、子どもと春を感じに山へ出掛けました。お目当てはシュンラン。白く透き通ったジェルで出来たレースの衣をまとった姿が陽光を浴びた姿は、春の息吹が感じられ浮き立つような気持にさせてくれます。

 ところが、今年は冬の寒さが厳しかったせいか、ほとんどのシュンランはまだ葉っぱのみでした。花が咲き揃うには、あと2週間ほど掛かりそうです。丹念に探しながら歩いて蕾が認められたのはほんの数株、そして咲いたと言って良いかためらわれそうな咲き始めが2株でした。

 瑞々しいシュンランの花を子どもに見せたかったのですが、残念ながらそれは叶いませんでした。しかし、咲いていると期待したものが咲いていなかった、それでも特に日当たりの良い場所でやっと花のはしりが見られたことが、逆に季節の動きを印象づけたようでした。

 行けばいつも絶景や満開の花が待っているなんて思うのはそもそも期待過剰ですが、当てが外れてがっかりした様子はなく、それなりに楽しんだ風に見えました。帰りに途中下車して立ち寄った蕎麦屋で、私が反省会と称してお酒を飲むのに嫌な顔もせず付き合ってくれました。

2年ぶりのシモバシラ

2022-02-07 19:53:19 | 季節/自然
 1年前の2月6日に植物のシモバシラを見に高尾山へ行きました。でも、この年の1月、2月は暖かい日続きでシモバシラは影も形もありませんでした。梅や桜を毎年楽しみしているように、最近では冬の寒さの中、山へ出掛けてシモバシラを見るのが楽しみでした。合わせた訳ではありませんが、今年の2月6日、高尾山へシモバシラを見に出掛けました。

 連日冷え込みが厳しかったからか、形は小さいものの今年はそれなりの数のシモバシラを見ることが出来ました。2年ぶりのシモバシラに満足して下山。季節季節の植物を目にすることが出来れば、季節季節に句読点が打たれ、心に刻み込まれるような気がします。春になれば、高尾山の先の一丁平、城山に桜を見に行こう、その頃にはコロナの第6波が収まって多少は花見酒が飲めるといいな、と思っています。