花・伊太利

日々の生活に関する備忘録です。

ふきのとう

2017-02-27 22:31:19 | 季節/自然
 2月最後の日曜日は陽射しが暖かでした。穏やかな陽気に後押しされて、外出先から戻る時、ひと駅分歩きました。途中、妻がとある民家の庭にふきのとうを見つけました。ひとつふたつではなく、雑草に混じって五つ六つくらいは顔を出していました。里山の近くならいざ知らず、幹線道路にほぼ面した住宅の庭なので、自然に生えたものではなく、わざわざ植えたものかもしれません。ふきのとうの天ぷらは苦みがあって、お酒のつまみにもってこいです。どんなお酒が合うだろうか、佐賀県の矢野酒造の蔵心はどうだろうかなどと、昼間からお酒のことを考えながら行き過ぎました。で、ふと気になったことは、さっきのふきのとうは随分大きくなっていたなぁ、もうちょっと小さいうちが美味しいだろうに、ということでした。あのふきのとうはほったらかしになっているのだろうか、ひょっとしてノンベエのお父さんが亡くなって、顧みられなくなったのではないか、あるいは家の人が寝たきりになって摘むひとがいないのではないか、そういえばかなり古いお家だったなぁ、などと大きなお世話的なことを想像してしまいました。勝手な想像はさておき、3月を目前にすっかり春模様、もうひと月もすると桜の季節、桜と言えば桜えび、桜えびで日本酒の磯自慢が飲みたいなぁと、やっぱりこころはお酒から離れることが出来ませんでした。

 いつからか 摘むひともなき ふきのとう
 摘むひとの なきまま伸びた ふきのとう

プレミアムフライデー

2017-02-24 20:16:36 | Weblog
 今日は村上春樹さんの新作小説「騎士団長殺し」の発売日です。ハルキストの盛り上がりがニュースになっていましたが、ハルキストならずともうちの妻のように楽しみに待っていた人は多いと思います。また、個人消費を喚起するため、夕方前に仕事を切り上げて街へ出ようと呼び掛けるプレミアムフライデーの初日が今日であり、会社をいつもより早く出て読書にいそしむ方もいるかもしれません。プレミアムフライデーと言えば、今朝の朝日新聞で特集しており、買い物、旅行、飲み会、イベントなど金曜の夕方の楽しみ方を紹介していました。特集内にはサントリーのプレミアムモルツの広告が載っていて、会社へ行く前から「夕方まで待てないなぁ」なんて思ったりしてしまいました。ところで、プレミアムフライデーは消費促進を狙ったものですが、ボランティアや地域の活動などの機会を増やしても良いと思います。土日は家族サービスをしなければならない人でも、金曜の夕方の数時間、ボランティア活動や地域の活動に参加して、その後打ち上げで軽く飲めば、消費促進と人脈形成と社会貢献の一石三鳥になります。プレミアムフライデーが一時の浮かれたものに終わらず、働き方に多様性をもたらす地道な取り組みになってくれれば良いと思います。

ある高校3年生の独白

2017-02-09 21:39:16 | Weblog
 何十年か前の今日、2月9日に、ある高校3年生の男の子が「知性とは何か」について次のような思いを独り語りしました。「知性というものは、すごく自由でしなやかで、どこまでもどこまでものびやかに豊かに広がっていくもので、そしてとんだりはねたりふざけたり突進したり立ちどまったり、でも結局はなにか大きな大きなやさしさみたいなもの、そしてそのやさしさを支える限りない強さみたいなものを目指していくものじゃないか」と。彼が言いたいことは、知性はやさしさや慈しみに根差していなければならないということでしょうか。またその延長で、民主主義にも思いを致しています。「民主主義には『ひとに迷惑かけちゃだめよ』の上に、『みんなを幸福にするにはどうすればよいか』とでもいったことが必要だということなのだろう」つまり、利他性に支えられた民主主義を求めていこうとの考えです。
 さて、安倍首相は明日行われるアメリカ大統領との会談のため渡米します。新聞などの報道を見る限り、かの国の指導者が目指しているものと、先に紹介したある高校生が考えていたものとの間には大きな隔たり、あるいはベクトルの違いがあるようです。政策の是非については良く分かりませんが、何とかファーストの考えには他人のものをぶんどってやろう的な利己主義が感じられます。誰かを痛めつけて自分がいい思いをするのは如何なものでしょう。また、ゼロサムでは全体のパイは増えません。一方、利他的な考えの道筋で行けば、物質的な面以外も含めて、全体の豊かさを上げていく可能性があると思います。
 かつて、万人の万人に対する闘いの状態にあったところから、いくつもの時代を経て民主主義や協調体制の世になりました。このところ、歴史の流れを逆戻りさせるかのような話を耳にするからでしょうか、せめて何十年か前の今日に戻って、青い民主主義論に与してみたくなりました。ちなみに、ある高校3年生とは実在の人物ではありません。小説「赤頭巾ちゃん気をつけて」の主人公、庄司薫くんでした。