花・伊太利

日々の生活に関する備忘録です。

微同だにしない?

2007-06-28 21:29:10 | Weblog
 「寒さは一段と増し、歯がカタカタと絶え間なく音をたてている。口はこわばり、思うように喋れない。そして三重靴の足の指先がズキンズキンと痛む。・・・(中略)・・・この寒さの中で眠ったら、間違いなく死んでしまう。起き続けて朝を迎えるのだ。眠ってはいけない。しかしこのすさまじい寒気の中にいてなお睡魔が襲ってきて、ちょっとでも気をゆるめようものなら、吸い込まれるように眠りに引込まれてゆく。ハッとして正気に戻る。」以上は、加藤保男著「雪煙をめざして」(中公文庫)からの抜書きです。エベレストに登頂した後、下山を始めたものの途中で日は没してしまい、ビバークを余儀なくされたときの模様です。海抜8650m付近で気温はマイナス45℃、そんな中でのビバークに耐えるなんて驚異的です。
 さて、私が以前読んだ「雪煙をめざして」のこの箇所を思い出したのは、やはり睡魔との闘いの中でした。ある日飲んで帰り、やや千鳥足で言葉もやや「ラリルレロ」になって家に着き、布団に身体を投げ出したときのことです。「んー、このまま寝てしまいたい。でもお風呂に入んなきゃ。でも寝ちまいたいなぁ。でも歯を磨かなきゃ。んー」と薄れゆく意識の中で葛藤している最中、なぜかふと「今の俺って、加藤保男チックじゃないか」と思ったのです。
 しかしながら、これはまったく調子のいいアナロジーです。「似て非なり」という言葉がありますが、私の場合はそれ以前、論外です。

たまには右を見ながら

2007-06-18 23:52:13 | Weblog
 父の日の日曜日、皇居へ走りに行きました。いつも通り、大手門を起点として反時計回りに一周しました。走っていると何となく視線は内側にいき勝ちで、皇居側の景色を見ることが多いのですが、今回は進行方向の右側、つまり皇居とは反対側を眺めながら走ってみようと思いました。大手門からスタートすると、三井物産あたりでほんのわずか左に折れ、続いて気象庁のところでまた少しだけ左に折れます。反時計回りに走っているので、必然的に左に曲がりながら走ることになります。東西線の竹橋駅のところでは、毎日新聞社のビルが皇居と向き合っています。毎日新聞社を過ぎると大きく左に曲がり登り坂に入ります。北の丸公園を右に見ながら登っていくと、首都高の代官町入り口のあたりで平坦になります。高速の入り口を過ぎると、しばらく直線コースです。右側は樹木で建物は見えません。千鳥ヶ淵で直角に曲がると今度は半蔵門までの長いストレートです。こちらも背の高い街路樹が続いて、左右の見通しはあまり良くありません。半蔵門からは下りです。半蔵門から三宅坂にかけての下りでは、社会民主党の看板の横に国会議事堂の尖った頭が見えます。もっと右へ首をひねると六本木ヒルズも見えます。三宅坂から先も国土交通省近くまで下りです。国土交通省を見ながらゆるやかに左へカーブして、警視庁まで来ると桜田門です。桜田門をくぐって真っ直ぐ行って、内堀通りに突き当たったところで左に90度曲がります。そこからは最後の直線コースです。二重橋前を過ぎて、右側を眺めると街路樹が緑の衝立となり、その向こうはさらに大きなビルの並びが二重の衝立をかたちづくっています。個々のビルの趣きは違いますが、セントラルパークから見る景色を思い出させる雰囲気があります。昔は結構目だっていた東京海上のビルも、今ではもっと大きなビルにはさまれてこじんまりとした感じです。最後にパレスホテルを過ぎると大手門で、皇居一周の終わりです。
 往復の地下鉄代が340円、走った後のスポーツドリンク代が150円、計490円。500円玉1枚持って家を出て、季節の花々や首都の都市美を眺めながら気持ちよく汗をかいて、それでも10円手元に残ります。しかも、運動不足が解消されたのが良かったのか、長年にわたって懸案だった尿酸値が夢の7ポイント台に下がり、秋の健康診断ではincredibleな6ポイント台が今年の阪神の優勝よりは期待出来そうです。まったく、いい楽しみが出来ました。

いちゃもん社会

2007-06-12 22:52:14 | Weblog
 「朝から嫌なものを読んじゃったなぁ」、そんな感じでした。今朝の朝日新聞の天声人語のことです。先週の天声人語で、学校の先生に理不尽な要求を突きつける「モンスター親」と、そのせいで疲弊する教師が増えていることが取り上げられていましたが、これはその続編でした。今日は、「何様のつもり」と言いたくなるような横柄傲慢な人と、そんな人と接するためにひたすら感情を押し殺して「感情労働」を強いられる人について書いてありました。「肉体労働」、「頭脳労働」はそれぞれ肉体や頭脳を主として使う労働ですが、それらとは違い感情を酷使する「感情労働」者がサービス業全般に広がっており、日夜、堪忍限界ギリギリの状況で働いているそうです。また、天声人語氏は、理不尽を言う人が言われる立場になることもあると言い、『弱い立場の者をストレスのはけ口にする、やるせない「堂々巡り」が透けて見える』と書いています。これぞ丸山眞男の「抑圧の委譲による精神的均衡の保持」にほかなりません。 確かに、一旦上下関係の上に立つ、あるいは相手が下手に出ると恥じらいもなく暴君になり、逆に自分が下になれば、また恥らいもなく阿諛追従の人となる、おそらくそのような人を、誰でも何人かは指を折って思い浮かべることが出来るのではないでしょうか。夜の新橋では、毎晩そういった人を肴に「堂々巡り」のはけ口を求めて酒を飲んでいる人がいそうです。
 朝から眉をひそめたくなるような気持ちになる天声人語でしたが、せめてこれら傍若無人の輩を他山の石として、少なくとも自分は「堂々巡り」の片棒は担ぎたくないし、他人に正当性に欠ける要求はしたくないと思いながら出勤の途につきました。

豪雨の前と後

2007-06-10 23:57:07 | Weblog
 ほぼ1年前、カタツムリを公園で見つけて飼い出しました。ちょうどその頃、カタツムリが主人公の絵本を子供がよく読んでいたことが背景にあったと思います。飼い出した時は3匹だったカタツムリが、今や80匹くらいになっています。100円ショップで買った小さい水槽ふたつで飼っていますが、狭い水槽の中でひしめき合うようにしているのも可哀相だと思い、大きめのカタツムリを15匹くらい持って子供と近所の小学校の植え込みに放しに行きました。実は、当初の3匹のうち1匹はこの小学校の植え込みで見つけたものでした。
 ある樹の下の置いてあった薄っすらと苔の生えたコンクリートブロックの上に放しました。カタツムリは苔を食べるし、殻の材料として石灰分を含んだコンクリートも食べるからです。カタツムリにバイバイと言って家に戻った時、ちょうど頃合を見計らったように雨脚が強くなり、一時は傘が全く用をなさないような豪雨となりました。
 3時近くに雨があがり、徐々に晴れ間が広がってきたので皇居へ走りに行きました。雨あがりで涼しいのかなと思いきや結構蒸し暑く、皇居を一周した後は汗で重たくなったTシャツが背中に貼り付いていました。地下鉄に乗って帰り、駅の自販機でスポーツドリンクを買って飲みましたが、ボトルを勢い良く傾けたので、スポーツドリンクが鼻の下に当たってから口の中に入り、しょっぱい味がしました。

発熱後頭部

2007-06-04 23:01:56 | Weblog
 子供の後頭部は何故か熱い。子供を寝かせつける前に絵本を読んであげるのだが、あぐらをかいた足の上に子供を座らせて絵本を読んでいると、後頭部が当たるみぞおち周辺は、ホカロンを素肌に貼り付けたようにやけに熱い。長めの絵本を読んだ時は、子供が寝入った後も余熱が残っている。去年はへそのあたりが熱かったのだけれども。