未唯への手紙
未唯への手紙
1.5.1~1.6.4
1.5.1 他者との接点
未唯への手紙
①未唯は絶対的存在
②未唯Ⅱに期待
③願いを届ける
④自分に還るため
①未唯は絶対的存在
②未唯Ⅱに期待
③願いを届ける
④自分に還るため
もう一人の私
①存在を確認する
②全体主義を警戒
③メディアを監視
④循環のエントロピー
①存在を確認する
②全体主義を警戒
③メディアを監視
④循環のエントロピー
パートナー
①私に力を与える
②未唯的な女性
③素直に語る相手
④つながる接点
①私に力を与える
②未唯的な女性
③素直に語る相手
④つながる接点
新刊書
①社会の方向を知る
②読むより解析
③他者は語らない
④先を考えておく
①社会の方向を知る
②読むより解析
③他者は語らない
④先を考えておく
1.5.2 ちょっかい
ボランティア
①社会との接触
②高齢者の暇つぶし
③個人的要望に対応
④組織を超えてない
①社会との接触
②高齢者の暇つぶし
③個人的要望に対応
④組織を超えてない
笑顔とあいさつ
①ファシリテーター
②活動の出発点
③小さな経験
④大きな目標
①ファシリテーター
②活動の出発点
③小さな経験
④大きな目標
勇気づける意味
①活動の原動力
②成果をアピール
③事務局次第
④循環エネルギー
①活動の原動力
②成果をアピール
③事務局次第
④循環エネルギー
市民は動かない
①自己満足の世界
②人をつなげる
③専門家を取り込む
④行政は画一的
①自己満足の世界
②人をつなげる
③専門家を取り込む
④行政は画一的
1.5.3 サファイア
持続可能条件
①Sustainable Architecture for facilitation, interpretaion, realization, empowerment
②持続のシナリオ
①Sustainable Architecture for facilitation, interpretaion, realization, empowerment
②持続のシナリオ
循環させる
①ローカル思考から始まる
②行動から循環
③小さなループ
④大きなループ
①ローカル思考から始まる
②行動から循環
③小さなループ
④大きなループ
部分と全体の関係
①ローカルを支援
②グローバルに提案
③効率的なモノつくり
④ローカルを勇気づけ
①ローカルを支援
②グローバルに提案
③効率的なモノつくり
④ローカルを勇気づけ
仕事で見直す
①内と外に分離
②ローカルは内向
③グローバルは外向
④自分を制御する
①内と外に分離
②ローカルは内向
③グローバルは外向
④自分を制御する
1.5.4 先を知るため
日々の思い
①永遠回帰
②緊張感ある生活
③思いをつなぐ
④雑記帳に反映
①永遠回帰
②緊張感ある生活
③思いをつなぐ
④雑記帳に反映
まとめる
①雑記帳1000冊
②未唯への手紙
③未唯空間
④未唯宇宙
①雑記帳1000冊
②未唯への手紙
③未唯空間
④未唯宇宙
先を知る
①自分の全てを定義
②全てを動員する
③先を<今>を見る
④現象を解明する
①自分の全てを定義
②全てを動員する
③先を<今>を見る
④現象を解明する
希望を托す
①笑顔で受容
②新しい視点を得る
③論理的な提案
④未唯的な女性
①笑顔で受容
②新しい視点を得る
③論理的な提案
④未唯的な女性
1.6.1 作り方
蓄積する
①1000冊の雑記帳
②3500冊の電子書籍
③56000件のツイート
④10000件のブログ
①1000冊の雑記帳
②3500冊の電子書籍
③56000件のツイート
④10000件のブログ
作業する
①ICレコーダー
②雑記帳に反映
③新刊書のOCR作業
④未唯への手紙
①ICレコーダー
②雑記帳に反映
③新刊書のOCR作業
④未唯への手紙
分類する
①7つのジャンル
②3つのまとめ
③テーマ抽出
④横断的キーワード
①7つのジャンル
②3つのまとめ
③テーマ抽出
④横断的キーワード
マイライブラリ
①配置の考え方から目次
②項目をヘッドと設定
③構成としての詳細
④参考資料の意味づけ
①配置の考え方から目次
②項目をヘッドと設定
③構成としての詳細
④参考資料の意味づけ
1.6.2 320のヘッド
全てが対象
①ジャンルを超越
②言語空間をなす
③全ての必要十分条件
④考える日々
①ジャンルを超越
②言語空間をなす
③全ての必要十分条件
④考える日々
カテゴリー
①詳細の命題
②全体の関係
③要素を記述
④NDC順は特異な観点
①詳細の命題
②全体の関係
③要素を記述
④NDC順は特異な観点
配置を表現
①非順序集合
②近傍系の概念
③多層的表現
④詳細配置
①非順序集合
②近傍系の概念
③多層的表現
④詳細配置
ヘッド項目
①構成の完結性
②曖昧さで拡張
③問題意識コラム
④論理的プレゼン
①構成の完結性
②曖昧さで拡張
③問題意識コラム
④論理的プレゼン
1.6.3 意味を味わう
ヘッドの意味
①言葉を配置する
②簡潔なロジック
③曖昧さが重要
④未唯宇宙に拡張
①言葉を配置する
②簡潔なロジック
③曖昧さが重要
④未唯宇宙に拡張
言葉を因数分解
①社会を言葉で表現
②要素を摘出
③要素で関係づけ
④参考資料を添付
①社会を言葉で表現
②要素を摘出
③要素で関係づけ
④参考資料を添付
言葉の限界
①ホロン的な表現
②言葉は決定できない
③コンパクト性
④本では表現不可
①ホロン的な表現
②言葉は決定できない
③コンパクト性
④本では表現不可
キーワード空間
①ポイント抽出
②横軸のテーマ設定
③多層化と多重化
④言葉の位相化
①ポイント抽出
②横軸のテーマ設定
③多層化と多重化
④言葉の位相化
1.6.4 新しい表現
部品表構成
①内と外に配置
②内と外の循環
③循環の方向付け
④動きを分析する
①内と外に配置
②内と外の循環
③循環の方向付け
④動きを分析する
サファイア意識
①部分・思考で完結
②部分から中間の存在
③知識と意識を保有
④中間の存在で自律
①部分・思考で完結
②部分から中間の存在
③知識と意識を保有
④中間の存在で自律
ヘッド構造
①考えは内向け
②行動は外向け
③考えから行動
④行動から考え
①考えは内向け
②行動は外向け
③考えから行動
④行動から考え
論考スタイル
①線形表現は不可
②ナンバリング
③階層には及ばない
④読み手を選ぶ発想
①線形表現は不可
②ナンバリング
③階層には及ばない
④読み手を選ぶ発想
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アメリカにおける平等について トクヴィル合衆国滞在記
『トクヴィル合衆国滞在記』より アメリカにおける平等について
アメリカにおけるさまざまな社会的地位のあいだの関係は、理解するのがかなりむずかしい。外国人は、以下の二つの誤謬のうちのひとつに陥るのがつねである。ひとつは、個人の長所による区別を除くと、合衆国には人間と人間のあいだにいかなる区別もないと思いこむ場合である。もうひとつは、富がここでは高い地位を占めているのに驚かされた場合で、ヨーロッパの多くの王政では、たとえばフランスのように、人びとはアメリカの共和制にくらべてもっと現実的で、もっと完全な平等を享受していると考えてしまうのである。以前に述べておいたように、この二つの見方には誇張があると思う。
ところで、まず観点を定めよう。この際、法の前の平等は問題にならない。その点では、アメリカは完全である。平等は一個の法律であるだけでなく、一個の事実である。次のように言えさえする。もしどこかほかの場所に不平等が存在しても、政治世界で中流階級と下層階級の利益になるように、豊かな償いがなされる。歴史的名声を持つ人物たちとともに、これらの階級が選挙で選ばれる席のほとんど全部を占めるということである。
私が語ろうとしているのは、社会生活の諸関係における平等である。この平等は幾人かの個人が同じ場所に集まり、彼らの考えと喜びとを分かち合い、彼らの家族を結婚によって互いに結び合わせることで実現する。ここでこそフランスとアメリカのあいだを区別しなければならない。違いは本質にかかわる。
フランスでは、なんと言おうと、出自に関する偏見がまだなお非常に大きな力を行使する。出自は、諸個人間では、いまだにほぼ乗り越えがたい障壁を形成している。フランスでは、職業はその職業についている人びとを、いまだにある程度階級に分けている。平等に対しては、この偏見がすべてのもののうちでもっとも害を及ぼす。というのもこの偏見は、富と時間の助けがあっても、だいたいのところ消しがたい、永久に残る区別を作り出すからである。こうした偏見の類は、アメリカにはまったく存在しない。出自は区別ではあるが、しかし、それを持つ人間を階級にはまったく分けない。出自は権利も、無能力も、世界と自分自身に対する義務も作り出さない。同じく職業による分類もほぼ知られていない。この分類は、諸個人の地位のあいだに、現実には、なんらかの相違をしっかりと確立する。そしてそれは地位よりもむしろ財産の相違である。しかし、それは、いかなる根本的不平等も作り出さない。というのも、それは家門間の結婚をいささかも妨げないからである(そこにこそ大きな試金石がある)。
とはいえ、アメリカにおいては、社会のあらゆる階級が同じサロンで混じり合っていると思ってはならない。そんなことは全然ない。同じ職業、同じ考え、同じ教育を持つ人びとは、ある種の本能で選び出され、他の人びとを排除して、結集する。違いはこの配列を仕切る規準が恣意的で、柔軟性を欠く規準ではまったくないということである。だからそれはほとんど不愉快なものではない。それは、だれにとっても決定的ではないし、だれもそれで傷つけられることはありえない。したがって、他人の政治的権利ばかりでなく、快楽をも分かち合いたいと思う、ひとつの階級のあの熱烈な欲望は、アメリカよりも、ほかのいたるところではるかに多く見られるのである。以上は、良い意味でわれわれの社会からアメリカ社会を区別する事柄である。以下は悪い意味でアメリカ社会を区別する事柄である。
アメリカにおいてあらゆる社会的区別の第一番目に来るものは、かねである。
かねが社会に作り出しているのは、別のところに位置し、他のあらゆる階級に対して優越性を非常に荒々しく感じさせるような真の意味での特権化された階級である。
社会における富のこの優越性は、平等に対して有害な結果を持つが、しかし、出自と職業の偏見に起因する結果の方が、平等にとっては、はるかに有害である。富の優越性は、永遠に続くわけではまったくないうえに、それは’がれの手にも届くものになっている。それは根本的なものではないが、しかし、おそらく、なおいっそうしゃくにさわるものではある。それは、アメリカにおいては、われわれのところにくらべてまったくくらべものにならないほどの慎みのなさを伴って現われ出ている。才能や長所は、富の優越性と競合するときには、フランスにおいては、決定的にこの優越性を打ち砕くのに対して、ここではそれらは、富の優越性に仕方なく地歩を譲らざるをえない。なぜ事態がこのようなことになっているのか、その原因については、いくつか挙げることができる。
フランスでは、身分間の不平等は極端だった。頭のなかだけの区別と戦うために、理屈にかなった唯一の区別、すなわち長所の区別に訴えなければならなかった。フランスでは知的な快楽や精神の天与に対しては、いつのときでも高い評価が与えられてきた。
アメリカにおいては、物質的で、外面的な一切の差別がない。富は、人間たちの美質を測るための自然な物差しとして現われてきた。そのうえアメリ力人は、精神の喜びに対しては、ほとんど感じるところがない民族である。財産を作ることのみに関心を寄せている彼らは、自然に富に対して一種の尊崇の念を抱くに違いない。富は彼らの羨望をかきたてるが、しかし、暗黙のうちに、彼らは富を第一の長所として認めている。
要するに、アメリカの人間は、われわれのところのように、社会生活の流れのなかで一定のカテゴリーにしたがって序列化されている。共通の習慣、教育、そして、なかんずく富こそがこれらの階級への分化を築き上げる。しかし、これらの規準は絶対的なものではないし、柔軟性を欠くわけではないし、永遠につづくものでもない。それらは片時の区別を打ち立てる。そしてそれらは厳密な意昧での階級をまったく形成しない。これらの規準は、あるひとりの人間に、他人に対するいかなる優位も与えないし、世間の評判さえも与えない。だから、二人の個人がけっして同一のサロンで顔を合わせることがないにもかかわらず、公共の広場で彼らが出会えば、一方は他方の顔を、高慢さを持たず、また羨望も持たずに見るのである。心底から、彼らはお互いに平等だと感じ、実際にも平等なのである。
ひとつの国民のなかにさまざまな階級があっても、そのあいだに平等があると判断されたい場合には、結婚がどのようにして行なわれているかを問うことにいつも行き着かなければならない。これが事柄の本質である。必要性や宮廷儀礼や政治の結果としての平等などというものは、表面的に存在でき、人目を欺くかもしれないが、しかし、家族の結婚を通じて、この平等を実際の局面にたまたま置こうとするときには、傷口に指で触れることになろう。〔一二月二日「オハイオ」の項目に続く〕
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双極の図書館比較:伊万里市民図書館と武雄市図書館
『システムエンジニアは司書のパートナー』より SEの図書館見聞録 変わりゆく図書館
まず、一番大きな違いは図書館の設立にあります。「図書館はそもそも誰のためにあるのか?」伊万里市民図書館は、設計段階から、「伊万里をつくり市民とともにそだつ市民の図書館」を旗印に、建築施工者、図書館、市民のトライアングルで、多くのプロセスの中で育てられていきました。ボランティア団体が「ミシンをかける部屋が欲しい。アイロンをかけるためにはコンセントがいっぱい必要」と訴えれば、それを実現した図書館なのです。
人口5万7千人の伊万里市に、図書館をサポートする市民活動団体「図書館フレンズいまり」には、400名近い方が登録され、図書館をバックアップしています。図書館の周りの草刈りから読み聞かせや布絵本制作など、それらが独立して自発的におこなわれている「ボトムアップ」方式の図書館です。1994年の起工式の日、敷地をみんなで歩いた後にぜんざいを食べました。今もその日を「芽生えの日」とし300食のぜんざいが振舞われています。伺った日、テラスでお年寄りと若者が囲碁をしていて、それをまた数人のお年寄りと若者が見守っていました。日常的に住民が利用する滞在型の図書館でした。
一方の武雄市図書館は、「トップダウン」方式の図書館です。樋渡啓祐市長(当時)は高校まで武雄市で過ごされ、伊万里市と人口もほぼ同じ武雄市に市長として戻ってきました。夕方午後5時には閉館する図書館に疑問をもち、市長として奮闘し、武雄市図書館は2013年4月にTSUTAYAを運営するCCCを指定管理者として開館しました。今も全国からの視察が絶えず、図書館は観光名所としての経済効果に十分一役買っています。その経緯は樋渡啓祐著『沸騰!図書館』にまとめられています。
伊万里市民図書館は、毎週月曜日、祝日などの休館日があり、開館時間も金曜日以外は午前10時~午後6時までの従来型の図書館です。それに比べ、武雄市図書館は年中無休、午前9時~午後9時まで開館しています。武雄市に住む私の友達は、図書館を、「ちょっとおしゃれして家族で半日過ごせる場所」と話していました。今まで図書館を利用したことはなかったそうですが、夕食を終えて、くつろぎながらコーヒー片手に本をよむために図書館を利用するとのことでした。参加者の中にも、「ここでゆっくりくつろぎたい」と言わしめたほど、図書館を利用していなかった層を発掘しているのもまた事実のようです。
図書館は単に本を借りる場所から、公共性や経済効果など地域のニーズをうまく取り入れて、変わろうとしています。このふたつの図書館に、その到達方法の違いを見た気がしました。
ただ、一同がとても残念がったのは武雄市郷土資料館(蘭学館)の扱いでした。蘭学館には、江戸後期の佐賀藩近代化の礎になった鍋島藩武雄領の蘭学資料が常設されていましたが、来場者が少ないことを考慮して、その場所はTSUTAYAのCD、ビデオコーナーヘと替わったのでした。資料の活用を望む声が参加者の中にもありました。
対照的に、伊万里市民図書館の郷土研究室の前に無造作に貼られていたのは、1930年伊万里町図書館の標語でした。
一.真の文化は、図書館を背景とす
一.覚めざる者は、図書館を解せず
一.一日読まざれば、一日遅る
一.無智は、読まざる報いなり
一.一日一頁あなどり難し
私は、このふたつの図書館の違いを、この標語に見た気がしました。
元伊万里市民図書館長だった犬塚まゆみ氏は、「市民は風、図書館は帆、行政は船」と例えました。
どの図書館も、その生い立ちや歴史があり、抱える問題も違い、首長の采配で対処も変わります。その中で図書館がどうやって利用され、利用者とどうやって繋がっていくのか。その答えは、伊万里にも武雄にもなく、実際に暮らずその町’にしかないのではと感じたツアーでした。
⇒その後の追記
2018年6月に再び武雄市図書館を訪れました。2017年10月に子ども図書館ができ、レイアウトが大きく変わっていました。CDやビデオコーナーは撤去され、ビジネス・経済の本に囲まれた50席に変わり、パソコンを持ち込んで作業する方の姿がありました。館長の話では、高校を卒業すると地元を離れる若者に、パソコン1台あれぼ故郷でも仕事はできる、そんな姿を見てほしい意図もあるとのこと。
この場所は、音楽会や映画会の会場としても利用されているそうです。かつての子どもコーナーは、スターバックスに隣接する新たな50席と、「私たちの武雄(こども歴史コーナー)」になっていました。そして、館内2か所ですが撮影OKの場所ができていました。子ども図書館は親御さんの要望も多く、館内撮影OK。新しくできた駐車場は、ほとんどが軽自動車用。市内の軽自動車の保有率を考慮して作られたそうです。
武雄を訪れた翌日、諌早市立諌早図書館にお邪魔しました。カウンターの前は、「初めて出会う絵本バッグ」や「スポーツの本(熱くて、面白くて、感動する)」など、司書の方が工夫したコーナーでにぎわっていました。アルコールのにおいをプンプンさせた方が館長に、「このくらいの本は、この図書館に置いていてほしい」と専門書を持ってきます。「訪れる人には、それまでの人生のプロセスがある」。利用者の人生のプロセスにも寄り添いたいと話す相良裕館長の言葉に、「図書館は地域が育てるもの」の意味を改めて感じました。
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隠された欲望の見つけ方
『0→1を生み出す発想の極意』より 人が動く企画って何ですか?
驚きの採用広告
インサイトは隠れた欲望である、ということが分かる事例の話をまずしたいと思います。広告はクライアントの課題をコミュニケーションという手段で解決するものです。ケトルという会社を作ったときに、共同経営者の木村健太郎と、「この仕事はすごいよね」、「ケトルでもこういう仕事をしたいよね」、と思ったのがクリスピン・ポーター+ボガスキーというアメリカのクリエイティブ・エージェソシーが手がけたアメリカのグーグル社のための課題解決です。
グーグルといえば、人工知能を開発して碁の世界チャンピオンと互角に対局したり、自動運転のクルマを開発したりと、IT業界の卜ップランナーなわけですが、21世紀になりたての頃はある課題を抱えていたんです。
それは採用に関する問題でした。新しい事業を開発していくためにグーグルはスタソフォード大学やマサチューセッツ工科大学(MIT)などを卒業する優秀な理系の学生を採用したかった。もちろん、アメリカですから学生が起業して自らスタートアとフを作ったり、シリコンバレーのスタートアベフに参加したりという人もいっぱいいるでしょう。
でも、IT企業に就職したいと思う学生の間ではグーグルではなくて、ヤフーやマイクロソフトを目指す学生もかなりの数がいたそうです。ですから、グーグルの課題は優秀な理系学生をぜひ採用したいということでした。
こういう課題が与えられると、普通の広告会社はおそらく、「分かりました、優秀な理系学生向けの採用広告を作りましょう」という話をすると思うのです。「スタンフォードとかMITの優秀な学生のメディア接触を研究してみました。どうやら、彼らはこんなウェブサイトにアクセスしているようです」、「では、そのサイトにグーグルの採用広告を出稿しましょう」、「じやあ、グーグルの魅力を学生に伝えるどんなコピーがいいでしょうかね」……。
しかし、クリスピン・ポーター+ボガスキーが作ったアウトプッ卜はそれとは全く違うものでした。MITの最寄り駅である地下鉄のボストン駅の改札口の上に”First 10 digit prime found in consecutive digits of e.com”と書いた横断幕を張り出したんです。そこには、グーグルとか一つも書いていないのです。僕はこのフレーズをもう1OO回くらい読んでいると思うのですが、いまだに意味が全く分からない。皆さんの多くもそうじゃないですか?
日本語に訳してみると、「自然対数eの中で最初に出現する連続する10桁の素数」となるそうです。普通、日本語に訳すと何となく意味が分かるものですが、さらに難解になる。そんなことを書いた横断幕やビルボードを優秀な理系学生を擁する大学の近くに掲出したわけです。
僕にとっては全く意味不明のこの横断幕なのですが、スーパーブレインズといわれる数学や物理かめちゃくちゃできる学生にとってこのメッセージは全く違うように見えたんです。「やばい、これは」みたいに。彼らがこのメッセージを見てどう思ったか、皆さんお分かりになりますか? 彼らはこのメッセージを見たとたん、「この超難問は俺が解く!」と思ったのです。つまり、その連続する10桁の素数を俺が見つけてやると思ったのです。
この横断幕、メッセージの最後に“.com”って付いているのでウェブサイトが存在するってことが伝わりますよね。これを見た優秀な学生たちは「早く答えを出してやる」と我先に帰宅してPCを開く。とにかくこれは相当な難問らしいのです。コンピュータを使った解析のテクニックも必要になる。いずれにしろ、スーパしフレインズたちはなんとかこの問題の答えにたどり着いて、回答欄に答えを入れる。それが正解だと今まで問題を解いていたサイトがグーグルの採用サイトになって、「あなたを採用します」というメッセージが登場する。どうです、面白い仕掛けでしょ。つまり、難問を解くことはまさに採用試験そのものだったわけです。
人の欲望を先回りして捉える
このクリスピン・ポーター+ボガスキーの仕事は今の時代のコミュニケーションの作り方などさまざまな示唆を与えてくれますが、今日は欲望、つまりインサイトの側面に注目していきたいと思います。数学や物理が得意な学生たちはこの横断幕を見たとたんに「やばい、この問題は俺が解かなきや」と思ったわけです。そこが重要なんです。
ちなみに、グーグルはこのキャンペーンで1000人以上のエンジニアを採用しました。つまりそれだけの人をこの仕掛けは動かし、しっかりワークした企画だったわけです。
ところで、スーパーブレインズといわれている人たち、この問題を必死に解いた人たちは、はたして自分たちの心の中に「難問を解きたい」という欲望があることに気づいていたでしょうか。下手をするとグーグルから採用通知が来たあとでさえ、自分たちの中にそういう欲望があったことを認識しない人も多いのではないでしょうか。
逆に、彼らには「難問を解いて、実力を見せびらかしたい」という欲望があるに違いないと気づいた仕掛人はすごいと思うんです。だって、学生たちは「僕らは難問が解きたいんです」という欲望を言語化していたわけではないのですから。「難問を出題してください」ってブログに書いていた学生がいたわけじゃないですからね。クリスピン・ポーター+ボガスキーはインサイトを掘り当てたんです。
ターゲッ卜は欲望を顕在化していなかった。潜在的にそれを思っていただけです。これがインサイトの恐ろしいところであり、面白いところでもあります。でも、その欲望に先回りして気づけば人を動かす企画を作ることができるのです。だから実際、多くの学生が問題にチャレンジしたわけですよね。
全ての企画はターゲットのインサイトを捉えないとワークしません。でも、その欲望を捉えるのはとても難しい。なぜなら、ターゲット自身が何をしたいのか言語化できていないからです。アンケートやグループインタビューを通じて生活者の欲望を探ろうとしますが、それらの手法で本質的な欲望をキャッチするのはなかなか難しいのです。
人間は不器用で、同時に都合がいい
『羊たちの沈黙』という映画をご存じですか? その映画に出てくるアンソニー・ホプキンスが演じるハンニバル・レクター博士は狂気の人です。殺人を犯し収監されているわけですが、インテリの美食家で、含蓄ある言葉を発するためにマニアックなファンを集めている存在でもあります。
彼は人間の欲望に関して、マーケッターやコミュニケーションに関わる人たちが注目すべき発言をしています。内田樹さんがブログで訳しているのですが、「欲望というものは自存するものではなく、『それを満たすものが目の前に出現したとき』に発動するものなのである」ということを言っているんです。
これ、2つの大事なことを言っていると僕は理解しています。1つは、人間はとても不器用だということ。なぜかって? それは自分の欲望を実は言語化できないからです。そして、もう1つ。でも人間は同時に都合がいい生き物だって話もしています。人間は目の前に欲望を満たすものが出現すると、あたかも以前からそれが欲しかったように振る舞うんです。「そうそう、それが欲しかったの」と反応するのです。
「美魔女」という概念がありますよね。アラフォーになってもオシャレして自由に生きる女性の価値観を表しています。この言葉は山本由樹さんという編集者が光文社の『STORY』という女性誌の編集長をしていたときに開発した概念です。それまでこの世代向けの女性誌は良妻賢母になることをアピールしてきました。でも山本さんは、今どきのアラフォー世代は、そんなことより若いときのようにもっと自由なライフスタイルを謳歌したいと実は思っていると看破した。そして、「美魔女」という価値観を雑誌で提示したわけです。
レクター博士が言ったように、人は自分の欲望を言語化できないけど、それが目の前に現れると都合良くあたかも前からそれが欲しかったように振る舞うわけです。だから読者は「そうそう、私たちはそういうライフスタイルを望んでいた」と思いました。「なんでこの雑誌、私が思っていたことが書いてあるのかしら」とさえ思った人もいるはずです。山本さんはまだ誰も言語化していなかった欲望、つまりインサイトに先回りして気づいたからこそ、雑誌をヒッ卜させることができたのでしょう。
人は自分の欲望の数%しか言語化できない
つまり、人はあまりクリエイティブではないということです。脳科学者の方の書いた文献を見てみると、人間はやりたいことのうち、つまり欲望のうち、数%しか言語化できていないそうです。
多くの欲望は潜在的な存在で、具体的に何が欲しいとか、何がしたいという形で存在していないのです。
人間の欲望はまるで氷山のようだと考えるといいと思います。「芥川賞をとった又吉さんの小説を読みたい」とか、「インスタで見たレストランで食事をしたい」みたいな具体的に何をしたいか言語化されている欲望は海面上に出たわずかな部分でしかないのです。あとの残りの大部分の欲望は水面下にあるのです。「何かはしたいけれど、具体的に何がしたいかは分からない」。そんな状況で人間の欲望は存在しています。
こういうふうに考えると、例えばアマゾンやグーグルが対応できる人間の欲望は言語化できているわずか数%の部分だけしかないということか分かります。マダガスカルについて知りたい人がグーグルの検索窓に「マダガスカル」と入力すれば、ヮオキツネザルやバオバブの木の話からバニラの生産に関することまでさまざまな情報に接することができます。
でも、それはマダガスカルについて知りたいという欲望か言語化されているからできることです。アマゾンで購入したら、翌日、自宅や会社のデスクに、読みたい本が届く。とても便利なサービスです。でもそれは、又吉さんの本を読みたいという欲望が言語化されているからできることなのです。
水面下の人間の欲望は言語化されていないから検索窓に打ち込めない。この欲望を発見してそれに応える仕掛けを作るのが企画の本質だと僕は思うのです。
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ヘッドの変更 1.3.1~1.4.4
1.3.1 開き直り
放り込まれた
私が全て
願うこと
考えること
1.3.2 宇宙の旅人
宇宙を旅する
心を軽く
地球に寄ってみた
存在は無
1.3.3 観察者
観察する
全体を見る
組織の役割
循環を見る
1.3.4 私は諦めない
組織との戦い
個人を生かす
私がいる意味
知るしかない
1.4.1 考える存在
大いなる意思
存在を考える
哲学で考える
私は正しい
1.4.2 私は私の世界
私が世界の全て
他者は存在しない
私の世界を表現
私の夢はかなう
1.4.3 他者との境界
私は無である
他者は無
無に境界はない
外なる世界とする
1.4.4 他者を取り込む
コンパクト空間
いいとこ取り
哲学は手段
考えをまとめる
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1.3.1~1.4.4
1.3.1 開き直り
放り込まれた
①何をなすために
②<今>ここにいる
③神は存在しない
④話相手は居ない
①何をなすために
②<今>ここにいる
③神は存在しない
④話相手は居ない
私が全て
①存在は不思議
②本当に存在するか
③他者は無視できる
④一人で生きる
①存在は不思議
②本当に存在するか
③他者は無視できる
④一人で生きる
願うこと
①それまで観察する
②願うことが商売
③願うために生まれた
④願いがあれば叶う
①それまで観察する
②願うことが商売
③願うために生まれた
④願いがあれば叶う
考えること
①生きるは考えること
②考えるは生きること
③考えない人が多い
.4④存在をかける
①生きるは考えること
②考えるは生きること
③考えない人が多い
.4④存在をかける
1.3.2 宇宙の旅人
宇宙を旅する
①孤高の表現者
②核が存在、端が無
③無から始まった
④たった一人ならば
①孤高の表現者
②核が存在、端が無
③無から始まった
④たった一人ならば
.心を軽く
①親は親ではない
②何にも縛られない
③宇宙人と呼ばれる
④どこでも行ける
①親は親ではない
②何にも縛られない
③宇宙人と呼ばれる
④どこでも行ける
地球に寄ってみた
①宇宙人としての使命
②人間を完全コピー
③多重宇宙の一つ
④いつでも抜け出す
①宇宙人としての使命
②人間を完全コピー
③多重宇宙の一つ
④いつでも抜け出す
存在は無
①全ては無に帰す
②心はどこにある
③ちっぽけな存在
④宇宙の感覚
①全ては無に帰す
②心はどこにある
③ちっぽけな存在
④宇宙の感覚
1.3.3 観察者
観察する
①仕事をやりきる
②数学者の態度
③社会を解析
④社会の課題は不明
①仕事をやりきる
②数学者の態度
③社会を解析
④社会の課題は不明
全体を見る
①個と全体の関係
②社会全体が対象
③近傍から全体を作る
④全体の仕組み
①個と全体の関係
②社会全体が対象
③近傍から全体を作る
④全体の仕組み
組織の役割
①会社は組織なのか
②個人と全体がバラバラ
③近傍でどうにかカバー
④中間の存在が核
①会社は組織なのか
②個人と全体がバラバラ
③近傍でどうにかカバー
④中間の存在が核
循環を見る
①持続可能の条件
②配置の活性化
③循環を定義してみる
④個人の位置づけ
①持続可能の条件
②配置の活性化
③循環を定義してみる
④個人の位置づけ
1.3.4 私は諦めない
組織との戦い
①意思の力の組織
②ハイアラキー
③組織に依存しない
④個人が主役
①意思の力の組織
②ハイアラキー
③組織に依存しない
④個人が主役
個人を生かす
①もう一人の私の役割
②つながりを求める
③決してぶれない
④耐えて、やり抜く
①もう一人の私の役割
②つながりを求める
③決してぶれない
④耐えて、やり抜く
私がいる意味
①組織から圧迫
②承認は求めない
③存在だけが頼り
④ジコチュウで進む
①組織から圧迫
②承認は求めない
③存在だけが頼り
④ジコチュウで進む
知るしかない
①μとの対話
②全体から知恵を見る
③先を見ていく
④未来へ飛び出す
①μとの対話
②全体から知恵を見る
③先を見ていく
④未来へ飛び出す
1.4.1 考える存在
大いなる意思
①用意されている
②私の役割は何か?
③与えられた偶然
④活動を妨害している
①用意されている
②私の役割は何か?
③与えられた偶然
④活動を妨害している
存在を考える
①無の意味
②考える為に存在
③独力で考える
④考え続けるだけ
①無の意味
②考える為に存在
③独力で考える
④考え続けるだけ
哲学で考える
①存在論は中途半端
②何を知りうるか
③宇宙から発想
④考える日々
①存在論は中途半端
②何を知りうるか
③宇宙から発想
④考える日々
私は正しい
①誰が判断するのか
②何が正しいのか
③正しさの証明
④予言を託す
①誰が判断するのか
②何が正しいのか
③正しさの証明
④予言を託す
1.4.2 私は私の世界
私が世界の全て
①内に世界がある
②私の世界を構築
③全てを知るために
④外なる世界と接点
①内に世界がある
②私の世界を構築
③全てを知るために
④外なる世界と接点
他者は存在しない
①存在を信じていない
②本当は在るのか
③他者の承認は不要
④考える時だけ在る
①存在を信じていない
②本当は在るのか
③他者の承認は不要
④考える時だけ在る
私の世界を表現
①全てを知るために
②ジャンルに収まる
③私の世界を把握
④数学・歴史を反映
①全てを知るために
②ジャンルに収まる
③私の世界を把握
④数学・歴史を反映
私の夢はかなう
①世界は夢の外
②夢は持てば叶う
③夢はかなえるもの
④女性が懸け橋
①世界は夢の外
②夢は持てば叶う
③夢はかなえるもの
④女性が懸け橋
1.4.3 他者との境界
私は無である
①私がいるから在る
②自分がなくなる
③<今>が続いている
④存在の無に向けて
①私がいるから在る
②自分がなくなる
③<今>が続いている
④存在の無に向けて
他者は無
①好奇心の旅は続く
②無に帰する
③無からの逆襲
④無にざまあみろ!
①好奇心の旅は続く
②無に帰する
③無からの逆襲
④無にざまあみろ!
無に境界はない
①女性が接点にいる
②漠然たる不安
③境界はオープン
④宇宙から見る
①女性が接点にいる
②漠然たる不安
③境界はオープン
④宇宙から見る
外なる世界とする
①身体は外の世界
②他者の目は外
③内は外で、外は内
④死は外なる世界
①身体は外の世界
②他者の目は外
③内は外で、外は内
④死は外なる世界
1.4.4 他者を取り込む
コンパクト空間
①開と閉が共存
②無は開空間
③存在と無の境界線
④外の世界を取り込む
①開と閉が共存
②無は開空間
③存在と無の境界線
④外の世界を取り込む
いいとこ取り
①女性は絶対的存在
②仏陀にスジャータ
③私の世界との接点
④女性の生き方
①女性は絶対的存在
②仏陀にスジャータ
③私の世界との接点
④女性の生き方
哲学は手段
①ギリシャ・ローマ
②西洋哲学のッテーマ
③イスラム教
④仏教は世俗
①ギリシャ・ローマ
②西洋哲学のッテーマ
③イスラム教
④仏教は世俗
考えをまとめる
①全てを表現
②環境社会に向かう
③他者の世界に関与
④存在の力を見出す
①全てを表現
②環境社会に向かう
③他者の世界に関与
④存在の力を見出す
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ヘッドの変更 10.6.1~10.6.4、10.8.1~10.8.4
元町スタバのブラックエプロン
二人居るとのこと。5158ということは正社員。かなり、最近ですね。駅前の店長は2400でベテランです。
ブラックの試験は従来、6月だったけど、11月の今が試験みたいです。スタバのプログラムが変わってきているとIさんからは聞いていたけど、シュルツも居なくなり、大幅に変わるのか。日本の良さが潰されないようにしないと。
シュルツのように、日本の良さをスタバ全体の良さに変える発想ができるかどうかです。あくまでも考えるのは、現場のスタッフ。
どういう変化が起こっていくのかを注視しましょう。
スタバが出しているシュトレンはあまり固くなかった。独逸的な感覚に対して、期待外れ。果物も感じられなかった。
10.6.1~10.6.4、10.8.1~10.8.4
10.6.1 統合の場
企業・行政活用
コラボのカタチ
メディア活用
活用技術の進化
10.6.2 未唯宇宙を体現
社会に提案
他者に関与
社会と統合
宇宙へ展開
10.6.3 変革提案
個から変革
周縁と中核
家族・教育・仕事
開かれた世界
10.6.4 全体が個を含む
個からなる社会
シェアード
超国家の役割
平和を為す
10.8.1 独我論
用意された世界
哲学・数学・歴史
宇宙を超える存在
語らない
10.8.3 宇宙の旅人
内なる世界
他者の世界
未唯宇宙
今・ここにいる
10.8.3 存在の無
孤立と孤独
多くの真理
存在は無に含む
私は存在する
10.8.4 どうでもいい
大いなる意思
大いなる意思
生まれてきた
存在と時間
自己肯定
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10.6.1~10.6.4、10.8.1~10.8.4
10.6.1 統合の場
企業・行政活用
①販売店でシステム化
②多様な社会実験
③地域のシェア活動
④市民にアピール
①販売店でシステム化
②多様な社会実験
③地域のシェア活動
④市民にアピール
コラボのカタチ
①地域の課題解決
②市民の合意形成
③高度サービス
④信頼関係の確立
①地域の課題解決
②市民の合意形成
③高度サービス
④信頼関係の確立
メディア活用
①多様なつながり
②好き嫌いを表現
③デジタル技術の進化
④スマホで発信
①多様なつながり
②好き嫌いを表現
③デジタル技術の進化
④スマホで発信
活用技術の進化
①要望を即時反映
②教育改革に参画
③回答システム
④ECHOで仕事の革新
①要望を即時反映
②教育改革に参画
③回答システム
④ECHOで仕事の革新
10.6.2 未唯宇宙を体現
社会に提案
①企業存続条件
②商売ルール
③グーグル20%ルール
④町全体をデッサン
①企業存続条件
②商売ルール
③グーグル20%ルール
④町全体をデッサン
他者に関与
①都市住民の意識
②大規模な改革実験
③多様なメディア
④持続可能性
①都市住民の意識
②大規模な改革実験
③多様なメディア
④持続可能性
社会と統合
①サファイア革命
②地域共同体
③知の世界を実現
④平等社会
①サファイア革命
②地域共同体
③知の世界を実現
④平等社会
宇宙へ展開
①ネットの活用
②新しいインフラ
③知による世界征服
④市民の武装化
①ネットの活用
②新しいインフラ
③知による世界征服
④市民の武装化
10.6.3 変革提案
個から変革
①中間の存在の意味
②上下方向につなげる
③個からの要望実現
④存在の力を発揮
①中間の存在の意味
②上下方向につなげる
③個からの要望実現
④存在の力を発揮
周縁と中核
①非連続領域を回避
②周縁から変革
③中核に向かう
④フィードバック
①非連続領域を回避
②周縁から変革
③中核に向かう
④フィードバック
家族・教育・仕事
①内なる世界で確認
②順繰りに変革
③思いをカタチに
④変革の連鎖反応
①内なる世界で確認
②順繰りに変革
③思いをカタチに
④変革の連鎖反応
開かれた世界
①宇宙からの視点
②宇宙を感じる
③ソーシャル接続
④境界は開閉状態
①宇宙からの視点
②宇宙を感じる
③ソーシャル接続
④境界は開閉状態
10.6.4 全体が個を含む
個からなる社会
①柔らかな統合
②個の多様性を生かす
③地域主体の政策
④コミュニティ連合
①柔らかな統合
②個の多様性を生かす
③地域主体の政策
④コミュニティ連合
シェアード
①原発は不必要
②地域エネルギー
③シェ概念の明確化
④地域のインフラを接続
①原発は不必要
②地域エネルギー
③シェ概念の明確化
④地域のインフラを接続
超国家の役割
①日中韓を連携させる
②中国崩壊に対応
③アメリカ覇権衰退
④シベリア経済圏
①日中韓を連携させる
②中国崩壊に対応
③アメリカ覇権衰退
④シベリア経済圏
平和を為す
①平和が唯一の武器
②国を超えた役割
③アフリカ共同支援
④トルコと連携
①平和が唯一の武器
②国を超えた役割
③アフリカ共同支援
④トルコと連携
10.8.1 独我論
用意された世界
①欲しい時に出現する
②蜘蛛の糸を登る
③邪魔も用意される
④未来のシナリオ
①欲しい時に出現する
②蜘蛛の糸を登る
③邪魔も用意される
④未来のシナリオ
哲学・数学・歴史
①示すものに従う
②座標から近傍
③国家から市民
④意思から存在
①示すものに従う
②座標から近傍
③国家から市民
④意思から存在
宇宙を超える存在
①<今>を考え抜く
②社会の意思を超える
③行動しない
④未来学者の預言
①<今>を考え抜く
②社会の意思を超える
③行動しない
④未来学者の預言
語らない
①生きる希望
②他者には語れない
③絶対的存在
④内なる混沌
①生きる希望
②他者には語れない
③絶対的存在
④内なる混沌
10.8.3 宇宙の旅人
内なる世界
①宇宙の中心なのに
②他者の世界を傍観
③生きるは考える
④内から押し出す
①宇宙の中心なのに
②他者の世界を傍観
③生きるは考える
④内から押し出す
他者の世界
①トポロジーで認識
②歴史は折り返す
③なぜ、気にするのか
④私は関与しない
①トポロジーで認識
②歴史は折り返す
③なぜ、気にするのか
④私は関与しない
未唯宇宙
①全ての時空間が対象
②近傍を宇宙に拡大
③宇宙を内に包む
④知識と意識の根源
①全ての時空間が対象
②近傍を宇宙に拡大
③宇宙を内に包む
④知識と意識の根源
今・ここにいる
①今、ここってどこ?
②本当にいるのか
③2兆年後の再会
④無限次元の多重世界
①今、ここってどこ?
②本当にいるのか
③2兆年後の再会
④無限次元の多重世界
10.8.3 存在の無
孤立と孤独
①自分しかいない
②孤立は武器になる
③考えることで生きる
④独我論を超えていく
①自分しかいない
②孤立は武器になる
③考えることで生きる
④独我論を超えていく
多くの真理
①数学は問いを発する
②不変から数学を創る
③真理は一つの出発点
④生まれて、死ぬだけ
①数学は問いを発する
②不変から数学を創る
③真理は一つの出発点
④生まれて、死ぬだけ
存在は無に含む
①何も認識できない
②死に「ざまあみろ」
③風呂場の壁の嘆き
④地球原理を語る矛盾
①何も認識できない
②死に「ざまあみろ」
③風呂場の壁の嘆き
④地球原理を語る矛盾
私は存在する
①考えるから存在
②宇宙の全ては無
③他者は存在しない
④私がいるから正義
①考えるから存在
②宇宙の全ては無
③他者は存在しない
④私がいるから正義
10.8.4 どうでもいい
大いなる意思
①放り込んだ張本人
②宇宙延命のため
③人類の覚醒を促す
④全ての偶然を用意
①放り込んだ張本人
②宇宙延命のため
③人類の覚醒を促す
④全ての偶然を用意
生まれてきた
①自分しかいない
②自己否定はしない
③私の世界の全て
④本当にどうなるのか
①自分しかいない
②自己否定はしない
③私の世界の全て
④本当にどうなるのか
存在と時間
①時間の地平
②他者は気分休め
③私というもの
④<今>だけ存在する
①時間の地平
②他者は気分休め
③私というもの
④<今>だけ存在する
自己肯定
①死の果ての宇宙
②<今>はなくなる
③無為に生きる
④どうでもいい
①死の果ての宇宙
②<今>はなくなる
③無為に生きる
④どうでもいい
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アゼルバイジャン経済事情
『アゼルバイジャンが今、面白い理由』より アゼルバイジャン経済事情
アゼルバイジャンの今後を握るロードマップ
2016年12月6日、政府が出した「アゼルバイジャン共和国の経済見通しに関する戦略的なロードマップ」の核となるのは、合計11の分野に関する12項目を中心に経済の多角化を進めようというものでもあります。これは、2020年までの経済発展戦略と行動計画を定めた短期的視点、2025年までの中期的視点、2025年以降の長期的視点と3つのタイムスケジュールからなっています。
短期的な戦略に課せられたものは、最優先すべき事項にフォーカスしつつ、中長期時代における経済発展の土台づくりです。
すでに現時点で観光業や農業といった非石油分野における発展が見られるようになっています。
では、政府はなぜこのようなロードマップをつくったのでしょうか。
その要因となるものが、2014年に起こりました。2014年までの過去10年間、アゼルバイジャンの経済発展のスピードは世界でもトップクラスにありました。
アゼルバイジャンの国家統計委員会の情報によれば、2004年~2010年の年平均経済成長率は16.9%、アゼルバイジャン経済への投資は年平均17.9%とかなり高かったのです。
そして、先はども申し上げたように、石油戦略が大成功したことによって国家資産は大幅に増加。GDPを上回るほどの潤沢な資金が創出されました。その収入を活用して、国内のインフラ整備、非石油分野発展の支援、社会福祉の改善が進んだのです。
ところが、2014年に石油価格が下落。さらに、アゼルバイジャンの主な貿易パートナーの経済状況の悪化により、我が国の経済発展も減速し始めたのです。2011年~2014年の間には、年平均経済成長率が2.7%に、アゼルバイジャン経済への投資は年平均11.9%にまで下がってしまいました。
そのために、アゼルバイジャンは新たな経済発展モデルヘの移行を余儀なくされ、経済発展を持続的で確実なものにするためのモデルが徹底的に調査されたのです。
今後のアゼルバイジャン経済は、「アヴァンギャルドセクター(先端的分野)」に注目しながら、国営企業よりも民間企業、生産よりも加工、低度技術より高度技術を要する分野、低熟練労働よりも高度の熟練労働を必要とする分野、低価格の市場よりも高価格の市場を発展させることにより、経済バランスを改善し、安定を図る戦略へと変わりつつあります。また、こうした流れを受けてビジネス環境もより良くなることが期待されます。
加えて、新たな金融政策とその健全化、通貨政策の改善、海外進出する可能性の向上など4つの動きにより、経済事情はさらに良くなると考えられています。
1つ目は、財政の安定と変動相場制に基づいてっくられる金融政策。財政と金融政策のバランスによって、マクロ経済の安定の確保が考えられます。
2つ目は株式市場について。国営企業の多くを民営化することによって、経済的なダイナミズムが期待できます。
3つ目は、人的資本の開発にっいてです。国家経済政策を実現させるため、先端分野における新たな労働市場を担う人材を育てていくことが考えられます。
最後に4つ目は、ビジネス環境のさらなる改善によるアゼルバイジャン経済の持続的な発展です。
現在、アゼルバイジャンが注目しているのは、人口が増加傾向にあるアジア市場や開発途上国の東南アジア諸国です。
というのも、アゼルバイジャンはユーラシア大陸のド真ん中にあり、北と南、西と東を結ぶ国ですから、アジア諸国の経済成長はアゼルバイジャン経済にも大いに影響すると考えられます。
また、国家としても、民間企業においても、バイオテクノロジー、ナノテクノロジー、情報、通信、産業、金融等の分野においても、高度な最新技術を取り入れる環境を整えることも急務です。最新技術の輸入と同時に、それを使いこなせる人材開発も併せて行う見込みです。
数字から見るアゼルバイジャンの発展
アゼルバイジャン国家統計委員会のタヒル・ブダゴフ委員長の話によれば、2004~2017年には、アゼルバイジャンのGDPは3.2倍、工業生産は2.6倍、農業生産1.7倍、予算収入はm5倍、月平均名目賃金は6.8倍、最低賃金は12.9倍に増加するという発展を遂げました。逆に失業率は9.2%から5.0%に、貧困率は44.7%から5.4%にまで減少したのです。
中でもアゼルバイジャンの情報通信分野は最も飛躍的に発展しました。2003年と比較して2017年には、情報通信サービスの価値(株価を含めた総資産価値)は実質比2倍増加し、年平均18.8%も増えたことになります。
2017年には、アゼルバイジャンの小売貿易ネットワークによって353億マナトの商品が販売されました。これも2003年と比較すると3.8倍増えていることがわかります。
そのうち11.8%は商業企業、55.5%は個人事業主、32.7%は市場やフェアで販売されました。食料品、お酒類やタバコの小売貿易額は2.4倍増の179億マナトに達し、そのうち非食料品(日用品など)の貿易額は実質8.7倍増となるなど、非食料品に対する売買力は年々増えています。
2003年の消費者製品市場では、非食料品の割合は30.8%だったのに対し、2017年には49.3%まで上がりました。
また、2017年に国家予算から国民の社会保障に充てられた支出は、2003年と比べて11.0倍、経済発展を図るための支出は18.2倍増加しました。
さらに、2018年1月1日現在では、アゼルバイジャンで登録した法人数は118、594になり、14年前と比べて1.9倍になっています。なお、個人事業主は5倍に増え、79万4、441に達しました。
また、第1章でもご紹介したように、観光事業も石油以外の産業の大きな軸となっています。2017年には観光客の数も2005年と比べて2倍以上になっています。ちなみに観光目的で外国に行くアゼルバイジャン人の数も、2005年と比較して2.2倍増加し、410万8、900人に達しています。
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アレクサンドロス三世大王
『リーダーの人間学』より 等身大の大リーダーたち
アレクサンドロス三世大王
まずはアレクサンドロス大王から始めよう。彼はフィリッポスニ世と四番目の妻オリンピアスの子で、少々知的障害ではあった腹違いの兄がいた。母オリンピアスは隣国エフェソスの王女で、アレクサンドロスを王にしようと、母国から二人の家庭教師を招いて厳しく丞才能豊かに育て、その期待に応えてすくすくと伸びていった。一二歳頃になると教育権が父親に移り、アリストテレスを招いて帝王教育を行った。だが、それだからといって、彼に将来王位が約束されていたわけではなかった。父は「お前にはマケドニアは小さすぎるから、自分でよリ広い地を見つけよ」と諭していた。マケドニアの重臣貴族の間には、純粋にマケドニア系の血を引く後継者を望む声が強く、王はマケドニアの貴族の娘を何人目かの妻として迎え、子供を身寵ったところで、暗殺された。その背後の事情は不明であるが、最大の利得者はアレクサンドロス母子であった。王位の空白を恐れた重臣アンティパトロスの推挙がなければ、王位を得ていたかは分からない。アレクサンドロス自身が王位に対する強い意志を示していなければ、そうはならなかったかもしれない。
アレクサンドロスは時を移さず父の計画に従ってペルシア遠征の準備に取り掛かり、スパルタを除くギリシアの諸都市との間でコリント同盟を復活させ、アイデンティティの基盤をギリシア全土に拡大して出陣に備えた。ペルシアに入ってダレイオス三世を徹底的に追い詰めたのは、アジアの盟主としての地位の禅譲を期待してのことであった。自らのアイデンティティの基盤をアジア全土に拡げようとする魂胆であるからには、その地位を譲り受けることが先決であらた。だが、エジプトに遠征してゼウスと同等神であるアモンの神を拝してからは、自分の父はフィリッポス二世ではなく、ゼウスであるとして自らの神格化を主張するようになった。これは自らのアイデンティティを世界に置いて世界征服を宣言したに等しかった。彼はそこまで生きることはできなかったが、少なくともその意図はあったに違いない。
アレクサンドロス大王にとっての尊敬する人物は父方の遠祖とされるゼウスであり、母方の祖先のアキレウスであった。役割モデルとなりためは父であらたが、それが最初だけであった。アンティパトロスの推挙によって王位に就いためは、下からの押し上げというより、上からの引き上げに似た状態であった。遠征といっても、資金も軍隊も不足した状況で、現地調達を覚悟していた。母を残し、恩人のアンティパトロスを城代家老としての出発であっだ。出発前の僅かな間に、東のトラキア、西のイリューリアを征伐し、南の反抗するテッサリアを殲滅して後顧の憂いをなくしていた。彼にはミエザでアリストレスの教えを共にした刎頸の友を大切にする余り、他の部下との公平に欠ける憾みがあり、時としてその場の感情によって残忍な扱いをすることもあった。二度ほど兵士の反乱に遭遇したが、それを何とか切り抜けた。意外にもイッソスの戦いやガウガメラの戦いで対決したダレイオス三世を新しい役割モデルとしようとしていた節もある。執拗に逃げるダレイオスを追跡するが、その目的は生きたまま捕らえることで、殺すことではなかった。自ら神格化を主張してからは、役割モデルの存在はもはや不要となっていた。
ガイウス・ユリアス・カエサル
カエサルが生まれた頃のローマは民衆派で母方の叔父に当たるマリウスと、族閥派のスラの対立で混乱状態にあった。彼は貴族の出であったが、家が市場の近くにあり、叔父のマリウスの民衆派に属していた。そのアイデンティティは彼がキャリアを上り詰めていく過程においても変わることはなかった。一時マリウスのほうが優勢でスラ派を迫害したが、ポントス王ミトリダテスを征伐して帰ったスラは反撃を始めた。ポンペイウスもスラ派で外国で立てた手柄で三度も凱旋式を行っていた。カエサルが自分も執政官になろうと決意し始めたのは早世した父に代わって家名を回復するという使命を一身に背負ってのことであったが、ポンペイウスに対する対抗意識もあったものと思われる。スラはすでに死去していたマリウス一派の一掃を図り、死刑のリスト中にカエサルも含まれていた。取リなす人がいて、ならば妻のコルネリアと離婚せよと迫られたが、それも拒否し、小アジアに逃亡した。帰国後再びロードス島に渡り、雄弁術を勉強して法律事務所を開設したが、所詮雄弁は政治の障害になると決意し、小カトーやキケロの風下に立つことに満足した。当時ローマで上に立つためにはまず軍務を経験しなければならなかったが、一四歳の時からユピテル神殿の神官であった彼にはそうすることは容易であった。それから会計検査官、造営官、属州総督とお決まりの道を進み、四〇歳で執政官に立候補し、対立候補を辞退させて当選した。それでも当時はまだ執政官は二人制であったので、輪番制を主張し、嫌気のさした相手を辞任に追い込んで一人その位を享受した。だが任期制であり、彼の闘争はまだまだ続かなければならなかった。彼は総督としてガリアに赴任し、そこから元老院に定期的に報告書を送り、それを纏めたものが『ガリア戦記』である。この報告書は自然環境から各部族の動向を忠実に記しており、彼の名声を高めるのに一役買った。彼はその地から再び立候補することを要求するが、元老院からの返事は、ならば本国に帰れとのことであった。
本国に帰るためにはルビコン川を渡らなければならなかったが、そのためには武装解除する掟があった。しかし、そうすれば命の保証はなくなる。そこでカエサルは武装したままの部下を引き連れて渡河を決行する。その時の掛け声は『プルタルコス英雄伝』によれば、「賽を投げてしまおう」であり、スエトニウスの『ローマ皇帝伝』によれば「賽は投げられた」であった。それに驚いたポンペイウスはローマを捨て、南に向かって逃げることになったが、大胆不敵、迅速果敢で部下の人望も厚かったカエサルは空になったローマで執政官に就任し、ついにポンペイウスをエジプトまで追い詰めた。形勢を読み取った地元政府の要人がポンペイウスを殺害して首を差し出すが、カエサルの意図に反していた。カエサルはその後スラがかって占めた独裁官となり、さらにそれを終身官とした。王になりたがっているという噂は絶えなかった。シェイクスピアの戯曲『ジュリアス・シーザー』では、側近のアントニウスが王冠を三度捧げたが、それを払いのける手は次第に弱々しくなり、最後には広場の真ん中でぶっ倒れたと描いている。
カエサルにとっては家の守り神であらたビーナスを敬愛していたが、後にアレクサンドロス大王を尊敬する人物とした。若年で準州の奥スペインの総督に派遣される途次、はらはらと涙をこぼし、自分のこの年にはアレクサンドロスはすでに偉大な業績を達成していたのに、何もしていない自分の不甲斐なさを従者に語った。カエサルの最初の役割モデルは母方の叔父のマリウスであったに違いないが、自らの役割をどのように果たすべきかを学んだ。カエサルとポンペイウスは属する派閥も違い、対立関係にあった。対立が最初に顕在化したのは、スパルタクスの乱でクラッスス将軍の下にカエサルも参戦して奮闘したが、その手柄をポンペイウスが独り占めしたためであった。執政官の選挙でも妨害され、味方の寵絡に努めたが、相手もそれを上回る手練手管を用いることを知った。執政官の職を終えると、南仏、北伊、イリリュムにインペリュームという大権を与えられて赴任した。帰ってみると、族閥派でありながら、ポンペイウスが部下に与える恩賞の件で元老院と対立していた。そこで二人はクラッススを加えて三頭政治を組むことにした。そして一人娘のジュリアをポンペイウスの後添えとして与え、新しい任地となったガリアに向けて出発した。だがそのうちにポンペイウスは元老院とよりを戻し、貸し与えた師団を返せ、などと難癖をつけてきた。その関係は彼に嫁がせていた娘の病死でますます悪化し、とうとう三頭政治も瓦解した。ここに離合集散の現実を垣間見ることができる
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