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トルコを「新オスマン」と見なすことで、新しい秩序

未唯へ。この最近、トルコの情勢が気になっています。オバマ大統領がヨーロッパ遊説でトルコへ行き、演説をした内容について、NHKの「視点・論点」で解説していました。なかなかためになります。

イスラム世界とヨーロッパ世界とアメリカとイスラエルのすべてに関係しています。トルコがそれらの接点にいます。トルコはそれを利用しようとしています。今までのどっちつかずの弱さを強みに変えようとしています。

オバマ大統領の本名は「バラク・フセイン・オバマ」です。「バラク」「フセイン」とも、イスラム圏の名前です。選挙中は前面に出していなかったけど、今度のトルコ演説では大々的に出していました。「私のファミリーにはイスラム圏の人間がいる」とすることで、家族主義のイスラムの共感を得ようとしています。ここでも弱みを強みにしようとする人がいます。

解説の中に、「ガザ侵攻」が出てきました。別の本でも大々的に、その非人道的な写真が掲載されていました。トルコ大統領の国連でのイスラム糾弾がアラブ世界の共感を得ています。

世界にトルコほど、地理的な位置が重要な国はない。コンスタンチノープルは1100年の長きにわたってビザンチン帝国の首都であり続け、オスマン帝国の時代になって名前をイスタンブールと変えてからも、北アフリカから黒海に至る広大な地域を支配する権力の中枢であり続けた。

ギリシャもビザンチン・オスマン帝国に支配されてきたが、宗教については、干渉を受けることがなかった。「奴隷の宗教には関心がない」という柔軟性が帝国を長続きさせてきた。

ケマル・パシャにしても、政教分離を国是にしてきた。トルコを挟まれた国と見るのではなく、ブルガリア・ハンガリーからイスラエル・イランなどへの全方位外交の元での「新オスマン」として扱うと新しい構図が見えてくる。

オバマにしても、アメリカが出て行くよりも、トルコをバックアップするカタチをとることが正解かもしれない。トルコは、どんな相手とでもパートナーになれます。これは「オスマンの知恵」かもしれない。東西南北に手を広げることで安定させるという術は、交差点の国ならではの手法です。

Global meets Localは安定と安心をもたらします。それをトルコで実験してもらいましょう。本とネットでしっかりとウォッチします。本当は行きたいけど。
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