サムエル記第二 23章18−39節
「みことばの光」では本章を1−19節と20−39節の二つに分けて読みますが、記述の内容から区分すると1−7節と8−39節という分け方がよいのかもしれません。
本章後半には、ダビデにいのちがけで仕えた勇士たちの名が記されています。その人が本当の友であるかどうかは、苦しい時に一緒にいてくれたかどうかでわかると言われます。ダビデにとっての財産とは、ここに記されている勇士たちだだったのだと、ここを読んで思うのです。
繰り返される「あの三人」とは、ヨシェブ・バシェベテ、エルアザル、そしてシャンマのことです。特に彼らがそのように呼ばれ称えられているのは、サウルに追われてユダの荒野を放浪していたダビデのために、彼らが敵に支配されていたベツレヘムから水を汲んで来たからです。ダビデは三人が水を持って来た時、「これは、いのちをかけて行って来た人たちの血ではないか」として自分で飲まずに主の前に注ぎました。このダビデの行為もまた、周囲にいた者たちの心を主とダビデとに結びつけたのではないでしょうか。
8節から39節までには、36名の名前が記されます。この章の終わりに「合計37人」とありますが、これらの名前にヨアブを加えて37人としてあると考えられています。これらの人々はその出身とともに名が記されています。ダビデの出身であったユダ部族以外にも、ダビデのいのちを狙うサウルが出たベニヤミン部族からの者もいます。さらには、「マアカ人」、「アンモン人」、「ヒッタイト人」という外国人も名を連ねています。
39節に名を残す「ヒッタイト人ウリヤ」とは、ダビデの妻となったバテ・シェバの夫でした。ウリヤのダビデ王への忠誠はダビデが罪を犯し、それを覆い隠そうと悪らつな企てをする中で、ひときわ輝いていました。ちなみにウリヤという名の意味は「主は私の光」とのこと。
何事かを為そうとする時、あるいは成し遂げた時には、多くの人の名前を頭に浮かべて感謝することと、それを賜った神をほめたたえることを忘れてはならないのです。