みことばの光的毎日

聖書同盟「みことばの光」編集者が綴るあれこれ

心に決めておくこと

2020年09月04日 | ルカの福音書

ルカの福音書 21章1−19節

「どう弁明するかは、あらかじめ考えない、と心に決めておきなさい。」21章14節

 「セルフ・バーバー」第二段(正確には第三段)。少しずつ進歩しているようだと自己満足しています。毎日できたらもっと進歩するのに…と思いますが、さすがにそうはいきません。

 エルサレムの宮で、イエスは何をなさっているのでしょうか。ここにあるのはまず、献金する人を見ておられたということです。イエスのことばには今に通じる献金の姿勢が説かれています。

 次に、宮の美しい装飾をご覧になっています。正確には、それを見ている人びとの会話を聞いてのことばです。イエスがおられたのは、バビロン捕囚から帰還したゼルバベルたちによって建てられた第二神殿を、ヘロデ大王が大幅に改造し豪華にしたものです。ヘロデの神殿とも呼ばれています。

 ヘロデの神殿は、改造拡張工事の完成まで80年以上もかかったと見られています。イエスがここにおられた頃にはすでにあらかたが完成していて、人々が驚嘆するほどの豪華さでした。けれどもイエスは、これらはやがて崩されると言われたのです。聞いた人々はどんなに驚いたことでしょう。

 そしてそれに続くのは、この神殿が壊される日が来るまでに起こる一つ一つの出来事についてでした。ここを読むと、終りの日についてのイエスのことばと考えます。確かにそのことに通じています。しかし、これを聞いていた弟子たちの中には、紀元70年のローマによるエルサレムの破壊という歴史的な出来事を経験したものも少なくないことでしょう。そしてそれに至るまでを振り返って、あの時主が言われたとおりだったと語り合ったのではないかと、想像するのです。

 迫害の中で、何を弁明するのかを考えなくてもよいとのイエスのことばが心に留まります。神のみこころの中にそれが起こるのであれば、すべては、その時に言うことばでさえ、神が用意しておられるのだということに、励ましを得ます。


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