shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

The Best Of Annette

2009-02-20 | Oldies (50's & 60's)
 アネットは50年代後半から60年代前半にかけてアメリカの“究極のティーン・エイジャー”と呼ばれたアイドルで、その屈託のない健康美はまさに「古き良きアメリカ」を象徴していた。彼女は泣く子も黙るウォルト・ディズニーが直々にスカウトしてウォルト・ディズニー・プロダクション入りし、「ミッキーマウス・クラブ」というテレビ番組のダンス&コーラス担当グループ「マウスケティアーズ」のメンバーとして抜擢されて一躍人気者になった。しばらくして彼女はポール・アンカと恋仲になり、全曲ポール・アンカ作品の「アネット・シングズ・アンカ」というアルバムも作ったりもしたが、“歌のお姉さん”の色恋沙汰はご法度ということでイメージを大切にするウォルト・ディズニーの逆鱗に触れ、二人は別れさせられたたしい。このあたりは極東のどっかの国の某芸能事務所にそっくりだ(笑) 彼女はその後ポップ・アイドルとしてコンスタントにヒットを飛ばし、更にカリフォルニアのサーファーたちの青春を描いたいわゆるビーチ・パーティーもの映画にも数多く出演した。これはそんなアネットの日本特別編集によるベスト盤で、幻のミッキーマウス・レーベル音源を始め、ブエナ・ヴィスタ・レーベルの10枚のオリジナル・アルバムからセレクトされた26曲が収録されている。①「ミッキーマウス・クラブ・クロージング・テーマ」は「ミッキーマウス・マーチ」の超スロー・ヴァージョンで、アネットはマウスケティアーズの24人コーラスの一人として参加している。彼女初の、そして最大のヒットとなった④「トール・ポール」は楽しさ溢れる曲調が耳に残るティーン・アイドルらしいヒット曲。タイトルは当時付き合ってたポール・アンカとは何の関係もないとのこと。ホンマかいな?⑥「ファースト・ネーム・イニシャル」も④同様、絵に描いたような明るいティーン・ポップスで、彼女のちょっと舌っ足らずな歌い方がたまらない。私のようにこの魅力にハマッたオールディーズ・ファンは中々抜け出せないと思う。ポール・アンカ作の名曲⑩「トレイン・オブ・ラヴ(恋の汽車ポッポ)」では、声自体は甘ったるいのだが歌い方は実にキリリと引き締まっており目は笑っていない。そのあたりのサジ加減というかバランスが絶妙で、アネットの歌声とバックの軽快なリズムがベストのマッチングをみせる。イギリスでは「ポケット・トランジスター」のアルマ・コーガンが、日本では「白い蝶のサンバ」の森山加代子がそれぞれカヴァーして、スマッシュ・ヒットさせていた。アネットの代表曲とでもいうべき⑫「パイナップル・プリンセス」ではあのスティール・ギターのイントロが聞こえてきただけで気分はもう完全にハワイアネット(笑)、嫌なことはすべて忘れてウキウキした気分にさせてくれる。これぞまさにアネットの世界である。日本では田代みどりのカヴァーが有名だが、他にも森山加代子、栗田ひろみ、松島トモ子らがカヴァーしていた。⑬「ドリーム・ボーイ」は何かどっかで聴いたメロディーやなぁと思ってたら何のことはない、イタリア民謡の「フニクリ・フニクラ」だった。この曲を聴いてすぐに細野晴臣ヴァージョンが思い浮かんだ私って一体...(>_<) ビーチ・ボーイズとの共演(24)「モンキーズ・アンクル」はアネットのヴォーカルとビーチ・ボーイズのコーラス・ハーモニーの絡みが最高で涙ちょちょぎれる。大好きなアネットの中でもベスト・オブ・ベストと胸を張って言える名曲名演だ。それにしても「ビーチ・ボーイズ」+「アネット」+「ウォルト・ディズニー」って古き良きアメリカの「明」の部分を象徴するような最強の組み合わせやなぁ... (≧▽≦)

The Beach Boys: The Monkey's Uncle