shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

From A Distance - The Event - / Cliff Richard

2009-02-08 | Oldies (50's & 60's)
 ビートルズ登場以前の50年代後半から60年代初めにかけて「ヤング・ワンズ」「サマー・ホリデイ」「リヴィング・ドール」といったヒット曲を連発してイギリスのミュージック・シーンを席巻していたポップ・スターがクリフ・リチャードである。やがてビートルズを始めとするバンド・ブームが来てその人気はやや下火になったものの、イギリス国内では根強い人気を誇り、79年には「恋はこれっきり」が全英№1になるなど「イギリスの国民的ポップ歌手」といってもいいほどのシンガーだ。彼のアルバムでは「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」や「ワン・ファイン・デイ」、「ホームワード・バウンド」etcが入った「ドント・ストップ・ミー・ナウ」(67年)が好きで、良質の懐メロ・オールディーズとしてよく聴いていた。
 90年の冬のこと、全英ヒット・チャートに彼の「セイヴィヤーズ・デイ」が登場、あっという間に№1になった。それはポール・マッカートニーの「マル・オヴ・キンタイア」を彷彿とさせるコテコテの純イギリス風バラッドで、聴けば聴くほど心に染み入る必殺のメロディーに溢れていた。寒風吹きすさぶ中、何かこう心にポッと暖かい灯がともり、しみじみと人生の幸せを感じさせるようなこの曲は、当時ヒットしていたベット・ミドラーの「フロム・ア・ディスタンス」やポイズンの「サムシング・トゥ・ビリーヴ・イン」etcと共に私的ヘヴィー・ローテーションとなり何度も何度も聴きまくった。もう「過去の人」と思っていたクリフに一本取られた格好だ。ちょうど時を同じくしてウェンブリー・スタジアムでのライヴ盤がリリースされたので即購入、まず曲目を見て驚いたのは収録時間の約1/5をロックンロール・メドレーが占めていたこと。まず①「メドレー1」では「ホール・ロッタ・シェイキン」、「バード・ドッグ」、「イッツ・マイ・パーティー」、「カモン・エヴリバディー」といったオールディーズ・ロックンロールの名曲たちが次々と現れる。彼のちょっと鼻にかかったソフトな歌声はミディアム・テンポの単調な曲ではやや甘すぎてハッキリ言って退屈なのだが、ノリの良いロックンロールやスキッフルを歌うと甘さが中和されてちょうど良い具合になる。そこにキャリア30年の円熟味も加わって言うことなしの楽しさ溢れるロックンロール・ショーが展開されるのだ。そのノリは②「ジング・ウェント・ザ・ストリング・オブ・マイ・ハート」から⑥「ガール・キャント・ヘルプ・イット」、⑦「シー・クルーズ」へと引き継がれ、前半の最大の聴き所⑧「メドレー2」がやってくる。「ブック・オブ・ラヴ」、「ブルー・ムーン」、「ドゥー・ユー・ウォナ・ダンス」、「シャンティリー・レース」、「アット・ザ・ホップ」、そして「ロックンロール・イズ・ヒア・トゥ・ステイ」と、オールディーズ・ファンには堪えられない展開だ。メドレーの最後を「I just wanna be your teddy bear ~♪」でシメるところなんかもうたまりません(≧▽≦) まさにプロ中のプロですな。そしてトドメの一撃がクリフ一世一代の名唱⑮「ヤング・ワンズ」... バックのシャドウズが例のイントロを弾き始めただけで胸をかきむしりたくなるような切なさに涙ちょちょぎれる。こういうのをエヴァーグリーンっていうのだろう。去勢された郷ひろみみたいな風貌とは似ても似つかぬエネルギッシュなステージを見せつけたこのライブの時でちょうど50才、ということは来年でクリフも70才か... 何か思いっ切り時の流れを感じてしまうなぁ(>_<)

Cliff Richard - Medley oldies
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