shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

ウクレレ・ビートルズ 2

2009-02-04 | Beatles Tribute
 昨日は「ウクレレ・ビートルズ」をボロクソにけなしてしまったが、今日はその続編「ウクレレ・ビートルズ 2」である。このシリーズは元々ウクレレ・フリーマガジンの「ローリング・ココナッツ」誌の企画で生まれたもので、 “ビートルズのカヴァーをウクレレで” というアイデアそのものは良かったが、いかんせん肝心の参加アーティストに問題があった。下らない演出に凝ること自体、リスナーだけでなくウクレレという楽器さえもバカにしているということに気付かない愚かな連中だ。
 しかしこの続編の参加メンバーを見てまず気付くのは、前作でそのようなアホバカ演奏を聞かせた連中がキレイサッパリ外され、マトモな演奏を聴かせる真のウクレレ・アーティストだけが参加しているということである。多分リスナーの苦情が多数寄せられたのだろうが、おかげで本作は実に聴き応えのあるものになっている。ビートルズの楽曲の素晴らしさは今更言うまでもない。ウクレレの素朴な音色と絶妙なスイング感も同様だ。だからしっかりしたテクニックと溢れんばかりの歌心でもってストレートに演奏すればいい、ただそれだけのことを今回参加した14組のアーティスト達はきっちりとやっているのである。
 まずはトップの①「ヘルプ」(今野英明とニューメキシコ)でいきなりガツーン!とやられる(>_<) ソンブレロをかぶったマリアッチの一団が目に浮かぶようなメヒコなサウンドにウクレレがベストマッチで、ビートルズ好きなアミーゴたちもグラシャス!と泣いて喜びそうな演奏だ。余計な音を足さないシンプルな演奏に耳が吸い付く②「抱きしめたい」(ハーブ・オオタJr)や③「イエスタデイ」(IWAO&吉川忠英)もごっつうエエ感じ。⑤「涙の乗車券」(ウクレレ・クラブ・ド・パリ)はハスキーな女性ヴォーカルが醸し出す哀愁が胸をしめ付ける(≧▽≦) ⑥「ペイパーバック・ライター」(ジェイムズ・ヒル)はウクレレの魅力全開の軽やかで可愛らしいヴァージョンに仕上がっているのが微笑ましい。
 定番化してきたリズムボックスとウクレレの組み合わせが実に楽しい雰囲気の⑧「エイト・デイズ・ア・ウイーク」(ベイビー&サイダー)には結構ハマッてしまった。リラクセイション感覚溢れる⑨「ヘイ・ジュード」(ラウラ feat.サクラ)は癒し効果抜群の女性ヴォーカルが◎。哀愁舞い散る⑩「エリナー・リグビー」(ダニエル・ホー)やどことなく懐かしい感じがする⑪「ペニー・レイン」(ローズ・アンリミテッド)もウクレレでしか出せない味わいがたまらない。
 そしてやはりというべきか、日本ウクレレ界の第一人者の歌心溢れるプレイに圧倒される⑫「シー・ラヴズ・ユー」(ペティー・ブーカ&キヨシ小林)は①と並ぶベスト・トラック。抜群のテクニックをそれと感じさせずに聴かせてしまうワザは凄いとしか言いようがない。まぁこれだけ内容が素晴らしいと「ビートルズ1」のベタなパロジャケにも愛着が湧いてくるというものだ。これはローリング・ココナッツ誌が捲土重来を期して前作の汚名返上に燃え、見事に名誉挽回に成功した起死回生の1枚だ。

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