魯生のパクパク

占いという もう一つの眼

山の彼方

2014年06月19日 | 日記・エッセイ・コラム

イラク政府から、過激派を空爆してくれと頼まれたアメリカは、困り果てている。
アメリカ流の正義が倒した政権が、たまたまスンニ派だったために、早期撤退で残った政権は、対立するシーア派になってしまった。
その政権に阻害されたスンニ派とクルド人を加勢すると、シリアからなだれ込んできたのは、オバマの失策で力を増した過激派だった。

過激派を攻撃すれば、シリアもイラクも、アメリカが支持できない政権を助けることになる。かと言って放置しておけば、アメリカ&イスラエルと対立するイランが介入して、全域がシーア派イランの傘下になる恐れがある。

この状況にしたのは、ブッシュ、オバマの歴代「オッチョコチョイ」大統領だが、その大統領はアメリカ国民の代表だ。
中東の混乱は英国など欧州の蛮行の結果であり、それを引き継いだ、アメリカという欲望と偽善のパワーだ。

大金を抱えてアメリカを乗っ取ったユダヤ勢力に牛耳られ、ホロコーストの大義名分で、イスラエル国家を中東にねじ込んだアメリカは、半世紀以上にわたって、中東の混乱と運命を共にしてきた。
今更、手を引こうにも、抜き差しならない。

イラクで進退窮まったオバマ政権は、「民族、宗教を乗り越えた国家を作ることが先決だ」と、イラクのシーア派政権に愚痴るが、いっこうに聞く耳を持たない。その結果、ウクライナや西太平洋でも信用を失い、ますます進退窮まっている。

近代国家アメリカの夢
アメリカは近代が生んだ国家だ。大航海、宗教改革、産業革命により、古い因襲から逃れて集まった人たちが創った国であり、近代の目標であり、試金石の国だ。アメリカの理想こそは産業革命パラダイムの目指してきたものだ。
しかし、今、それが、行き詰まっている。

理想の近代国家像では、民族や宗教を乗り越えられない。共産主義でも資本主義でも、近代国家の概念では数千年の農業文明が生んだ、民族や宗教の集団原理を解消させることはできないと言うことだ。
共産主義の世界同時革命と同じように、アメリカのもくろんだグローバリズムも成立しない。

アメリカの主導するグローバリズムは成立しなくても、一方で、実体としてのグローバリズムは進行している。計画通りの世界像は成立しないが、実体としての世界像はすでに出現しつつある。

山を越える者
やがて、近代国家は必ず過去のものになる。そして、現状を良く見極め、来たるべき時代を先取りする集団だけが、地球村の勝ち組と呼ばれる者になるだろう。

それには、「現在の姿」から将来を見るのではなく、「現在の問題」が解決された先に目標を定めて、歩み始めることが鍵となる。
険しい山を闇雲に越えようとしても怪我をするが、山の向こうに目標があれば、越える力が湧いてくる。
株価を上げたり、オリンピックやカジノであぶく銭をかき集めて、その場しのぎの空騒ぎをしても、未来の山を越えることはできない。


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