魯生のパクパク

占いという もう一つの眼

本場の味

2012年11月06日 | 日記・エッセイ・コラム

11月6日からズワイガニ漁が解禁になった。
カニは各地に様々な種類があり、それぞれの味わいがあって、好みも様々だ。ほとんどの地元の人は、地元のカニが最高だと思っている。
中国人にとっては最高の上海ガニだが、ズワイガニと比べれば差して美味いとも思わない。

好みとはそんなものだが、いずれも、現地に行って、現地の空気の中で現地の料理といっしょに、現地風に食べれば、確かに最高に美味しく感じるだろう。
昔から地元で食べてきた人々の、知恵や工夫が詰まっているからだ。

近年は、流通も保存も発達し、どこでも食べられるようになったが、現地で取れたてを冷凍保存せずに食べる味とは、やはり、決定的に違う。
ところが、流通によって、現地での値段が高騰し、地元の人も地元の味を簡単には食べられなくなった。

結果的に、各地の名産は冷凍保存によって、相対的に全国一律で味が落ちることになった。

地元から都会の大市場に出すことで、大量に売れ、良いことづくめのように思われていたが、地元での高騰、本物の味の喪失、そして資源の枯渇と、悪いことずくめになっている。

地産地消の時代だ。ズワイガニのような特産品は、軽々に都会に出荷すべきではない。都会で食べようと思えば、一枚10万円ぐらい出さなければ食べられなくすればいい。地域収入格差も大きいのだから。
地元に行かなければ買えないようにして、本当に、土地と季節の味覚を際立たせるべきだ。

地元に行けば、確実に、美味しくて安い。お土産に買って帰るのは自由だが、トラックで出荷はしない。
そのことで、土地のイメージ、観光資源が大きく上がるから、観光誘致の方に力を入れれば、「買ってもらって終わり」より、経済効果が遥かに大きい。

話は違うが、日本製品不買運動をする中国に何とか買ってもらおうと手もみするより、中国外でブランドイメージを高める方が、良い商売ができるだろう。
「買ってくれ買ってくれ」と言うより、うちの商品は「そう簡単には売れません」と言う方が儲けになることもあるのだ。
地産地消には、そういう効果もある。

ところで、ドイツでは、外来種の上海ガニが大量発生して、漁師を困らせていたが、中華料理店に売ったら良い商売になり、今では輸出までしているそうだ。そのうち、ドイツが上海ガニ料理の本場になるかも知れない。


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