物や人を政治的道具として使う中国に、期待はできない。都合次第、気分次第で、いつでも出さなくなる。貿易も観光も、来る者拒まずの範囲で付き合った方が良さそうだ。
近場で人海戦術の中国を当てにするより、遠くでも、普通の付き合いができる、先進国欧州を掘り起こすべきだ。
観光案内は、何故か、英語、中国語、ハングルしか表示されてない。なぜ世界の公式言語の、フランス語やスペイン語、ドイツ語の表記がないのだろう。
中国人が来日して、本当の日本を見てくれるのは、ありがたい事だが、観光客としてあまり期待すると怪我をする。
日本からの欧州観光は、ラッシュのように押しかけるが、欧州からの観光客はあまりにも少なすぎる。
ハワイを始め、アメリカとの往来は属州のように頻繁だが、欧州とは日本からの一方通行だ。
日本から欧州に押しかけるのは、日本人が欧州の歴史文化の情報に触れる機会が多いからだが、欧州の人間は、想像以上に日本の事を知らない。極論すれば、いまだに東方見聞録の、地の果てジパングのイメージから出ていない。
文化歴史は浮世絵など、ジャポニズムや、ネオジャポニズムのフィルターを通してみている。
日本に関して、すぐ、男尊女卑の嫌疑が掛かるのも、欧州文化がほとんど、本当の日本を知らないからだ。武士道やゲイシャのイメージが何かにつけて強く影響している。
しかも、良きにつけ悪しきにつけ、この欧州のバイアスが、アメリカに伝わり、さらに、欧州を追随する新興国の日本観に影響する。つまり、本当の所、欧州の日本理解は極めて重要で、欧州人にこそ、もっと日本に触れてもらうべきなのだ。
欧米の観光客には、英語で対応すれば良いと思っているが、フランス人やドイツ人の観光客は、アメリカ人や中国人より、良質で、しかも、日本人からすれば意外かも知れないが、彼らは旅行好きだ。殊にドイツ人は、探究心旺盛で、どこにでも出かけ、徹底的に追求する。
先日、ドイツ人の少年がレインボーブリッジの120メートルの支柱に登って逮捕されたが、写真を撮ろうとしての事らしい。
トロイ発掘のシュリーマンも、徹底した好奇心で日本にも来ているし、易経などの中国の古典の研究や仏典研究、言語学の系統化を打ち立てたのもドイツ人だ。
観光案内には中国語も良いが、中国人は、日本語の漢字を多少は読める。むしろ独仏西などを優先的に併記すべきだ。また、欧州人の好奇心を引き出す、時空に広がる立体的な日本の観光キャンペーンも行うべきだろう。