転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



「どうにかして、ころころっと10億円くらい入らんかな~」
と、怪獣『ころもん』を自称する主人が、まだ言っている。
だったら、とりあえず宝くじでも買えば?と思うのだが、
生来のケチが災いして、それも決心がつかないらしい。

ころもんに言わせると、10億あれば、現在の彼の問題は、
ほぼ、すべて解決して幸福な人生が訪れるのだそうだ。
勿論、命あっての・・・、が大前提ではあるわけだが、
まず、サラリーマン生活をしなくても全く心配なくなる。
まあ遊んでばかりというのも娘の教育上良くないから、
脱サラして個人事務所でも開くことになるだろうが、
その場合も、気に入った話だけ受けて丁寧にやればいいので、
極めて良い仕事ができるのだそうだ。
場合によっては、高給優遇で優秀な人材を雇い、
自分は決済仕事だけをする、という経営にしてもいい。
そして、スケジュールは自分で決めればいいから、
気が向いたときにパリやマドリードに出かけられる、というわけだ。
さらに、もし、この先、療養する必要が出てきても、高齢になっても、
10億あれば、生活の選択肢は限りなく増える、と、ころもんは力説する。

・・・そういえば、その昔、ア○ウェイを私に勧めた人が、
成功すれば手に入れられると語った、夢の生活は、
ちょうど、今、ころもんが夢想しているような類のものだった、
みたいな、遙かな、記憶が、あるが・・・・・・

それで考えてみたのだが、10億で私の生活はどうなるのかというと、
とりあえず、壁紙を変えたり、カーテンをオーダーしたりして、
存分にインテリアで遊びたい、という夢は叶えられるようだ。
また、家事労働をするのに他人を雇うことができる、
という点でも、確かに負担減に、なるような気がする。
ころもん本人の、むちゃくちゃ細かいグルメ趣味も、
プロの料理人を雇えば、良い解決が出来るかもしれない。

「それに、歌舞伎座の特等席だって、ばんばん買えるよ!」
と、ころもんは、私の意を迎えるように言った。

ふぅむ。
確かに、今の私は三等Bか一幕見席が常だ。
さすがのころもんも、それは知っていたようだ。
だが、特等を買って、私が頻々と東銀座に通っても、いいのか?
『今週は歌舞伎座ね。来週は南座。次の週は、シメの『再会』ね。
クリスマスはたかちゃんのディナーショー、お正月は音羽会の新年会よ』
などと、私が思い通りに出歩いていて、
それを、ころもんは、毎回、上機嫌で、
『ああ、行っておいで』と見送ってくれるというのか?

「う・・・。まあ、その場合は、家族旅行やね
と、ころもんは、口ごもった。


なんでやねん


なお、仮に10億入ったとしても、
娘の生活は別に改善しないし、彼女の悩みも解決しない。
お金があっても、勉強しないことには学力はつかないからだ。
もし、家に10億円あった御陰で入れるようになった大学、
というものがあったとしたら、それは絶対にロクなものではない。

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