元町の夕暮れ ~万年筆店店主のブログ~

Pen and message.店主吉宗史博の日常のこと。思ったことなど。

倉敷を訪ねる

2012-08-06 | 仕事について

自宅から車で2時間で倉敷に着きました。

子供の頃から何度も訪れている街で、いろんな思い出があるので、美観地区はもはやなじみのある土地で、新しく何かを見つけるというよりも、見慣れた景色を確かめるために訪れる。

真夏の強い日差しの日ということもあるのか、日曜日なのにあまり人出が多いという感じではなく、日曜日だということを忘れそうでした。

でも当店も日曜日はお客様の引きが早く、平日の方が賑やかなことの方が多いので、ここもそれに当てはまるのかもしれません。

倉敷意匠の直営店など、素晴らしいお店もありましたし、観光地特有の日常離れした雰囲気も楽しめましたが、こうやって他所の場所に来た時に私はいつもこの土地で、自分は仕事をすることができるかどうかを考える。

人口は神戸市の約3分の1ですが、製品出荷額は市町村として西日本2番目の売り上げ額を誇る力のある町ですが、駅前商店街は少し寂しい感じ、人通りが多いところにあるわけではない当店ですが、倉敷の街で万年筆店をしたらどうなるのだろうか。

扱っているものが日々の買い回り品ではないし、インターネットが買い物の手段やお店のPRの手段の中心となっているとはいえ、この街で万年筆店をやっていくことは相当に努力の要ることなのだと思います。

人通りの少ない商店街や観光地区の片隅にある個人経営の古いお店も見ましたが、そういったお店を見ると、そのご苦労を感じずにはいられないけれど、地元の店として踏ん張り続けていることに敬意を覚えます。

倉敷には以前チボリ公園というテーマパークが美観地区や商店街の駅の反対側にありましたが、それがなくなり、大きなショッピングセンターが出来ていて、そこはものすごく込み合っていて、人の流れが完全に移行していることが分かりました。

信念を持って、世の中のためになるものを扱い努力していても、世の中の流れ、移り変わりというもののは抗えないものがあって、私たちは頑なに守り続けるものと、時代の変化とともに変えていかなければならないものを冷静に選択していかなければならないと思うのです。


夏季休業(8月5日~8日)

2012-08-04 | 仕事について

当店は明日8月5日(日)から8日(水)夏季休暇とさせていただきます。ご来店を予定して下さっている方はお気をつけ下さい。

 

休みはもちろん嬉しいですが、私たち自営業者の休みはとても複雑な心境です。

いつも違った気分でのんびりするのもいいけれど、休めば休んだだけ売上のことが気になるし、店を離れた旅先などで、ふと来年もこうやって家族で3人で夏休みを過ごせているだろうかと考えてしまう。

これは業績が良くても悪くても思うことなので、もしかしたら齢のせいなのかもしれず、何をしても一期一会感がつきまとう。

今年は息子が受験生なので、泊りがけの旅行は止めにしておいて、日帰りで行ける範囲内の場所を訪れるつもりです。

訪ねる所は妻が雑誌などで得た情報により、倉敷と奈良という反対方向の2箇所。

今の車、フォルクスワーゲンポロになって、ちょうど1年ですが初めて遠出に使います。

まだ4600kmしか走っていなけれど、この車の安定感と力強さに感心しています。高速道路での巡航、追い越し時の加速など、ヨーロッパ車は長距離移動で初めて真価を発揮すると言われているので、やっとその価値を感じることができるかもしれません。

ターボチャージャー、7速DSGもついていて、停止、発進を繰り返してもストレスもないし、加速も良いと思っています。小回りも利くので、街乗りとしてとても適していて、日頃は妻が買い物車として使っています。

このポロにちょっとした話しがあって、数ヶ月前うちのポロがリコールの対象になっているとディーラーさんから連絡がありました。

内容はコンピューターの設定が低燃費を実現できないものになっているため、一部交換するという。

意味が分からなかったけれど、リコールから戻ってきたポロに乗ってみてすぐに分かりました。

今までアクセルをちょっと踏み込んだら、コントロール不能ギリギリの強烈な加速をしていたのにそれがマイルドになって、アクセル操作がシビアでなくなっていました。

妻はずっと何て乗りにくい車だと思っていたので、乗りやすくなって喜んでいるけれど、私はあの強烈な加速が懐かしい気がしています。

 

当店の長期休暇は毎年今の時期とお正月の年2回で、世間並みに休むことができているのは本当に幸せだと思っています。

たぶん店が忙しくても、暇過ぎても休みはとれなくなると思うから。

 

 


RIVER MAILへの旅

2012-08-02 | 仕事について

にぎやかなJR山科駅を降りて、京阪電車京津線に乗り換えて次の駅四宮で降りると、駅前に小さな商店街があります。

京都市内なのに田舎の商店街といった風情でなかなか趣があります。

買い物客の減少、後継者問題などでこの商店街もシャッターが閉まったままのお店が目立ちますが、近年になって若い人がここで今の感覚のお店を開くしょうな動きが出てきています。

リバーメールは駒村氏が、お母さんたちがしていたけれど数年前に閉店した本屋さんを改装して昨年9月にオープンしました。

インディアンジュエリーとステーショナリーのお店で、不思議な組み合わせだと思われることがありますが、なかなか合っていて全く違和感を感じません。

現地の部族を訪ねて直接買い付けしていくるインディアンジュエリーの品揃えは相当なもので、業界では既に知られた存在です。

ステーショナリーもセンスの良い内装にかっこよく陳列されていて、見ていてとても楽しい。

お店をしているとお客様が来られず、ポッカリと時間が空いてしまうことがあります。

そんな時、駒村氏は商店街の真っ直ぐ先にある駅の向こうの小高い山までの景色をタバコを吸いながら見るのが好きだと言います。

私もそうやって道路より少し下がった店先のスペースからパレス神戸の上に見える空を見ている。

店がダメになったら私たちは生活していくことができない。好きなことを仕事に選んだからには前に進んでいくだけだと腹をくくっているけれど、私たちはそうやって景色を見ながら、実は次の手について必死に考えている。

話が反れてしまったけれど、リバーメールはもちろん、商店街や四宮の駅の雰囲気、小さくてかわいい京津線の電車など、楽しい旅になると思います。

RIVER MAILにもぜひ行ってみてください。