元町の夕暮れ ~万年筆店店主のブログ~

Pen and message.店主吉宗史博の日常のこと。思ったことなど。

悠久の時に想いを馳せる

2012-08-08 | 仕事について

私が子供のコロは山越えのルートか、かなり南を通る西名阪道のルートしかなかったと思いますが、トンネルができていて神戸から奈良は1時間ほどで着く近さになっていました。

大阪から見る生駒山はとても高く見え、、その山頂にアンテナをたくさん立てた姿を小学校の教室から見た時の気持ちを思い出しました。

今も変わっていないつもりでいるけれど、あの時は目に入るもの全てが美しく、情感を込めて見ることができた。

生駒山をくぐったらすぐに奈良に入り、到着が早すぎると思ったら、左手に朱雀門が見えて、寄り道していくことにしました。

平城京跡は、朱雀門と大極殿、他小さないくつかの建物があるだけの大きな野原ですが、何もないところがかえって想像力が掻き立てられ、ロマンを感じることができます。

かっての都の中心を南北に隔てるように近鉄電車が横切りますが、その電車の存在が過去と現在の対比を面白くして、1300年という歳月について考えさせられますが、1300年という人間の行為でさえ地球の46億年という活動の中では点のように思える時間なのかもしれないし、さらに人間の一生はほんの一瞬にも満たないと思えます。

何もかも強い色合いに見える強い日差しの草の野原の中、そういうことを思うことができる時間を楽しみました。

妻も息子もこの平城京跡の意外な楽しみを感じていたようで、それぞれ口数少なく、野原を見渡して何かを考えている表情。

車の旅ならではの寄り道の楽しみでした。