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元町の夕暮れ ~万年筆店店主のブログ~

Pen and message.店主吉宗史博の日常のこと。思ったことなど。

神戸の夜

2008-06-03 | 万年筆
岐阜の木工家永田篤史さんが神戸にやって来られましたので、例によってル・ボナーの松本さんと3人で夕食に出掛けました。
土曜日の夜の三宮はたくさんの人が行き交っていて、昼のようで、夜が早い元町に慣れていますので、そのギャップに戸惑いました。
以前、松本さんとライターの名畑さん、バゲラの高田さんと行った冨に行きました。
今回は鳥鍋ではなく、好きなものを選び満腹になるまで食べました。
永田さんと一緒の時、松本さんはル・ボナーを始めるずっと前のお金が全くなかった時のことを笑い話にして話してくれます。
ブログにも書かれていない壮絶なお話もありますが、私たちは爆笑しながら聞いています。
今、腕の良い鞄職人として名声を得てル・ボナーという多くの人から支持されている店を作ることができているからこその笑い話で、鞄職人として生きていくことができず、途中で諦めていたらとても笑い話にできないだろうと思いました。
私たちも自分の失敗や未熟さを笑える未来を手に入れたいと思っています。
永田さんは私よりも7つほど若いですが、早くから木工家として独立して活動していますので、こだわりを貫いた仕事のやり方もサマになっていますし、顧客もお持ちなので、今のまま継続されるともっと認められると思います。
それでも一番若い永田さんを松本さんと二人でからかいながら、冨での夕食は鱧鍋で終わりました。
土曜日だったので、前に松本さんに連れてきていただいて、一度で大好きになったバー、バランザックへ行くことができました。
私はお酒が飲めないので、超極薄にいれてもらったカクテルや、大好きなシャーリーテンプル(1930年代の子役の名前だと知りました)しか飲めませんが、このバーの内装や雰囲気が大好きです。
バーというのは、マスターの美学が表現された空間であり、それは茶室に共通するように思えます。そして、マスターの太田さんのお酒を作る所作はお茶のお手前のように無駄がなく、美しいスマートなものでした。
口数は少ないですが、タイミングを心得た話し方や、一度しか行っていない人間の名前を言えるところ(名刺ファイルは見ていましたが)など、見習って、私も心掛けたいと思いました。
バランザックは時間の経過や、外の喧騒を超越していて、外界からドア1枚で異空間にあるような、どこにも属していない場所でした。
外の現実の世界に戻って、松本さんはタクシーに乗り込み、永田さんはホテルへ、私は大騒ぎの中、三ノ宮駅へ向かいました。

4 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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スネークウッド・カッター (Nagao)
2008-06-03 21:23:41
先日購入しました、スネークウッドのカッターナイフ
愛用しています。といっても眺めたり磨いたりしていることの方が多いですが。さすが木の宝石といわれるだけあって、眺めていても見飽きません。
木の良さを実感しています。
木の素材を使ったいろいろな製品をこれからも期待しています。
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スネークウッド・カッター (penandmessage.)
2008-06-04 01:13:06
Nagao様
いつも非常にいい時におられるので、幸運な方だと思っています。スネークウッドのカッターナイフは数量も少なく、これからもあまり作れないとのことで、非常に希少な1本だと思います。
これからもよろしくお願いいたします。
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食事会 (setu)
2008-06-04 22:00:22
先日は、楽しい時間をありがとうございました。
いやー、旬の鱧、旨かったっす!!
バランザックでの、お酒の時間もいいですね。僕は、旨い酒が飲め、Barというおしゃれな空間がとっても好きです。学生時代は、週7で通ってました。

しかも、僕がお二人より高いお酒を飲ましてもらい、割勘なんて・・・ご馳走様でした。。

松本さんのお話は面白く、笑い話でしたが、僕もそんな風に、いつか、誰かと語りたいと思いました。
木工の腕と拘りを貫いて、これからも、仕事をしていきたいと思います。

で、若い僕をからかってたんですか???まったく気がつかない俺って・・・天然?

でわ、またお伺いしたいと思います。次は何が食べれるか楽しみです。
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食事会 (penandmessage.)
2008-06-04 23:29:08
setu様
神戸に来られるのがいつも楽しみです。口実においしい食事ができますし、おしゃべりも楽しいですね。少なくとも私はからかっていた瞬間もありましたよ。(セルロイドやエボナイトはやらないと分かっていたので)
ぜひまたご一緒してください。
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