カンダミサコさんに神戸ペンショーの時実験的に作ってもらった様々な素材のペンシースの中でも、一番人気があったクードゥー革。
それで2本差しペンシースを作ってもらったら、なかなか好評でした。
アフリカの大型の牛科の動物であるクードゥーの革は、自然の中でいきているため、傷やムラが多く、厚みもバラバラです。
しかし、それがこの革の景色というか、模様のようになっていて、面白味のある革だと思っています。
キメの揃った作り込まれた完成度の高い革もいいけれど、私はどうしてもこういう素材感に溢れたものに惹かれてしまう。
こういうものを私はきれいと汚いの間と日頃から言っていて、モノのあり方として最高のモノとしてきました。
その価値は、かけた手間や金額では推し量ることのできないモノのあり方で、完全に自分の好みだけど、そういう自分だけのモノの見方の基準もあってもいいと思います。
きれいと汚いの比率はその有り様によって様々ですが、この間に存在する全てのものを私は拾っていきたい。
ちなみにクードゥーの革の度数は、きれい3:汚い7くらいのかなりの上級者でないと理解できないものだと思っています。
クードゥーの革のユニークなところは、表革がかなり暴れているのに、裏革はスウェードに使えるくらいのキメの細かさと、揃った毛並みを持つところです。この表裏の極端な差を知ってから、さらにこの革に惹かれるようになりました。