元町の夕暮れ ~万年筆店店主のブログ~

Pen and message.店主吉宗史博の日常のこと。思ったことなど。

誰のせいにもしない

2020-04-05 | 仕事について


角の桜が満開です。通る人の目をなぜか惹きつける魅力がこの木にはあります。

 

若い頃、売上が悪いことを天気のせいにしてはいけないと上司に言われて、それを守ってきました。
天気を言い訳にしてしまうと、そこで何も考えなくなってしまうからだと解釈しています。

今回のコロナウイルス禍ではそれを忘れていました。
何でもコロナウイルスのせいにしてしまったら、そこで諦めてしまい、何の努力もしなくなってしまう。

中には風評被害にあったり、自粛要請などあって営業することすらできなくなっている飲食店などもある中で、当店は営業できている。させていただいている。
コロナウイルス禍という悪天候をまず差し引いて、自分の店に足りないことや打つ手について考えるべきだと思いました。

世の中の経済が止まって、店の業績が悪くなって困った時に誰かが助けてくれたらいいけれど、そんなことは起らない。国も他に助けないといけない人がたくさんいるので、自分が助けてもらえるとは思えない。
自分たちの力で、お客様のお力を大いにお借りして立っていないといけない。

何か危機が訪れた時に誰かのせいにして、非難したくなるのかもしれません。
でも国や政治を非難しても私たちの状況は良くならない。

自分たちで考えてウイルスを避けながら、どうやったら楽しく暮らすことができるかを考えないといけない。
私は自分の提案した万年筆やステーショナリーを人が使ってくれて、自分と同じように楽しいと思ってくれて、それで自分たちの生活が成り立つことが一番楽しいことだと思っています。

それを続けていくにはどうしたらいいかを考えたい。
そういうことを考えることも、実は楽しい作業だと思っています。
小さな店なので今まで何度も危機に遭遇してきた。見えない力に助けれらているのかもしれないけれど、そのたびにゲームのステージをクリアするような感覚で、楽しみながら切り抜けてきた。楽しみながらと言うと、遊び半分に聞こえるかもしれないけれど、その都度真剣に考えてきました。

今は将来の見通しが全く立たず、状況がどんどん変化すると思っていたけれど、今までも将来のことが見通せていたかというと、そんなことはなかった。先に何が起こるかなんて、元々誰にも分からなかったのではないか。

今回のステージも当店には少々難易度が高いかもしれないけれど、楽しみながらクリアして、また違うステージに進んでいきたい。