元町の夕暮れ ~万年筆店店主のブログ~

Pen and message.店主吉宗史博の日常のこと。思ったことなど。

インクとロマン

2014-12-02 | モノについて

少し前までアラスカに凝っていました。

凝っていたと言ってもインターネットでアラスカに関することを調べたり、関連する本を読んだりするくらいです。

でもいつかアラスカを訪れたいと思いましたし、冒険のようなことはなかなかできないけれど、旅してみたいと思っています。

こういう世界中の他所の土地に関するマイブームは常にあって、アラスカの前はウクライナ、その前はスペインで、脈絡なく世界を巡っています。

以前は、歴史や風俗、文化などに興味がありましたが、カメラに興味を持ち出してから美しい風景に興味の対象が移っています。

世界巡りは今、南米の最南端パタゴニアに来ています。

紀行作家のブルース・チャットウインの本を読んだのがきっかけでパタゴニアに惹かれ始めました。

パタゴニアのさらに最南端がティエラ・デ・フエゴ(火の土地)というところで、その土地もいつか訪ねてみたい場所のひとつになっています。

実はパタゴニアに惹かれる前から、エルバンのインクでこの土地をイメージしたインクで、「TERRE DE FEU」というそのままに名前のインクがあって、ずっと気になっていましたが、パタゴニアに凝るようになって使うことにしました。

今は手帳用の万年筆に入れているけれど、そのインクを使いたいために違う用途でも手帳用万年筆を使うほど、気に入っています。

世界中の土地土地に興味があって、そんな世界の中の地名がついたインクにとてもロマンを感じます。

あまりそういうインクは他に目にしないし、あってもサマにならないと思います。

エルバンのこのインクは少し寂しげな、最果ての地を上手く表現したラベルや、少し薄い、でも私にはちょうどいい赤みがかった茶色のインクの色はイメージにピッタリで、旅情をかきたてられるインクだと思っています。

 

いつもセンスの良いモノのチョイスをするIさんの古いコダック