万年筆の委託販売を始めて3年半が経ちました。
最初感覚がつかめず、特に値付けにおいて難しいと思いましたが、さすがに最近は理解してきました。
持ち込んで下さるお客様は少しでも高い値段で売りたいと思うのは当然であるし、私は少しでも安い値段で売りたいと思う。
値段を少しでも安くした方が、その万年筆が売れる可能性は高くなります。
売ろうとした決心したペンが結局売れずに元の出し主さんのところに戻るというのは何となく寂しいものだと思いますので、なるべくそれは避けたい。
預かった時に憎まれても、後で笑っていただけるように、私は1円でも安い値段を付けようとしています。
持ち込まれる万年筆の中には、私が心から欲しいと思っているものもあります。
そういう時には心が激しく揺さぶられて顔に出そうになりますが、なるべく表情に出さないようにしています。
表情を変えずに、何食わぬ顔でお預かりの業務をこなします。
私が良い反応をしてしまっては、出された方が過度に期待してしまうという心配からですが、これがまさしくポーカーフェイスなのだと思います。
委託販売は、新しい万年筆はほしいけれど家に使っていないもがたくさんあるから、新しいものを買うのに気が引けるという多くのお客様の声に応えた取り組みで、私たちのような万年筆店にはあるべきだと思っています。
次に何が来るのか分からない。私にはコントロール不可能なコーナーですが、日々何らかの動きがある。
当店で最もめが放せない場所になっています。