元町の夕暮れ ~万年筆店店主のブログ~

Pen and message.店主吉宗史博の日常のこと。思ったことなど。

人の気持ちが出入りする店

2010-12-05 | 仕事について

狂言師の安東先生が12月8日の公演前というお忙しい中来店して下さりました。
いつもそのお話の中で教えられることが多いですが、私たちのような個人事業(安東先生が主催される大和座狂言事務所も)は、その活動を継続させたいという気持ちを持ったお客様方のおかげで成り立っているという話で共感しました。
当店のような店はまさにそうで、品揃えや利便性など、目で見えたり、数字で計ることができるものは大きなお店の方が圧倒的に優れています。
それでも当店のような店にお客様方が来て下さるのは、この店の活動を助けてあげたいというお客様方のお気持ちによるところが大きいと思っています。
店という場所は、特にたくさんの人が出入りしないと空気が淀んでしまいますので、この店にたくさんの人が出入りするようにしたいという、そしてこの店で他の店でしていないことをさせてあげたいということで神谷利男先生と堀谷龍玄先生はフライデーワークショップの講師をして下さっていて、それはやはり当店の継続を手助けしたいというお気持ちから引き受けて下さっていると思います。
この店を助けたい、そして万年筆を使う人を増やしたいという気持ちはお客様方に伝わって、万年筆で絵を描いたり、文字を書く心構えが変わってきた人たちがいて、自分たちの時間であるワークショップを楽しいものにしたいという気持ちを持って下さっています。
ただ教えてもらうだけでなく、積極的に参加しょうという大人の勉強する姿勢を皆さん持っておられて、それがワークショップをさらに楽しいものにしています。
神戸といういわば地方都市にある店ですので、当店に来たり、ワークショップに参加したりしたくてもなかなか来ることができないけれどいつか行ってみたいと思って下さっている方々のお気持ちも届くこともあります。
先日の”万年筆で美しい文字を書こう”教室に参加して下さった香道師の森脇直樹さんとお姉さんの優さんから当店を訪れたいと思っているけれど、ご病気をしていることもあってなかなか来ることができない横浜市のKさんからの差し入れをいただきました。
店に実際に来られないけれど、当店のことを思って下さっている方々がいることも、また心強いことだと思いました。ありがとうございます。
店を始めて3年が経った今年、こういったことが少しは分かるようになりましたが、それまでの自分はどれだけ人の気持ちを気付けていたのだろうと反省し、これからもこういったことに気付ける心を持ち続けていきたいと思っています。