元町の夕暮れ ~万年筆店店主のブログ~

Pen and message.店主吉宗史博の日常のこと。思ったことなど。

お盆

2008-08-13 | 万年筆
お盆と聞いていつも思い出せる光景があります。
毎年夏休みを過ごした、長野県川上村の母の実家での光景です。
お盆になるとご先祖様が帰ってくるとして、お盆飾りをして、ご馳走を作ったり、果物を供えたりしていました。
裏山ではドンドン火と言って、火を燃やして、子供たちが大きな声でドンドン火を盛り上げました。
それぞれの家の敷地の前では迎え火を焚きます。
家々の前に小さな炎が燃えているのはなかなか田舎らしい幽幻的な風景でした。
家の中では行灯に火を入れて、そのまわりでご飯を食べたり、大人の話を聞いたりしましたが、テレビがなくても全然退屈しませんでしたし、クリスマスと違って、ケーキもプレゼントもありませんでしたが、子供なりにお盆という、日本らしい行事を楽しんでいたのだと思います。
お盆の子供の頃の思い出として、思い出されるのは迎え火、送り火の藁の焼ける匂いと暗闇の中にポツポツと燃える炎、そして心で感じた静かな夜でした。