元町の夕暮れ ~万年筆店店主のブログ~

Pen and message.店主吉宗史博の日常のこと。思ったことなど。

趣味の文具箱vol.11発売

2008-07-30 | 仕事について
趣味の文具箱vol.11が発売になっていて、当店でも扱っています。
今回もオリジナルインク、委託販売などの当店の記事が掲載されています。
vol.9から書かせていただいている記事は、今回は中屋万年筆についてです。
中屋万年筆は以前からとても好きなペンでしたし、コンセプト、デザインなど共感する部分が多かったので、こちらからお願いして書かせていただきました。
あのような記事を書く時にいつも心掛けているのは、何度も読むことができて、その万年筆を使いたくなるようなもの、その万年筆の数値的なデータなどではなく、精神的なものを理解していただけるものを書きたいということです。
そのペンのコンセプトや会社の考え方など、その背景などに私自身は興味がありますので、そのような理屈っぽいことに目をむけることがおもしろいと思っています。
コンセプト、ターゲットなどがはっきりしているペンは名品と言われるものが多く、万人受けを狙ったものと違って、思い入れが込められて送り出されたものだと思います。
そんなものを少しでも多く、皆様に紹介して、私の解釈によるペンインプレッションをしたいというのが、趣味の文具箱での私の記事です。
今回も楽しんでいただけたら幸いです。

旅の風景2

2008-07-30 | 万年筆
岩国を後にして、海沿いの国道2号線で広島へ向かいました。
海を挟んだ近くに宮島があり、線路と平行して走ることもあり、ここの国道2号線は朝霧、舞子、須磨あたりの2号線の景色とよく似ていました。
バイパスなどを通ってホテルに早めにチェックインできたので、家族3人とも修学旅行などで行ったことがあったので、今回のコースには入れていなかった原爆ドームへ行きました。
八丁堀の賑やかな交差点から路面電車に乗りました。
その周りでは、外国人観光客の姿を多く見かけましたが、それぞれ思い思いに過ごしているとても和やかな雰囲気と、原爆ドームの異様なグロテスクな姿がとても対照的で、この原爆ドームを残すことの意義を強く感じました。
広島の街を訪ねるたびに、私は後ろめたい気持ちになります。
この街で、まだ1歳の父は被爆者になり、医者であった祖父は救護活動をしていました。
私は20万人の人が命を奪われた原爆の被爆2世遺族の一人として、毎年この街で行われている平和記念式典に参加したことがありませんでしたし、本当はこの原爆の惨さ、戦争の無益さ、悲惨さを語り継いでいかなければいけない立場にいるはずの人間なのに、せいぜい息子にしかそれを伝えられていないことに、何か義務を果たしていないように思っています。
毎年、夏は戦争について、原爆について、そして亡くなった非常にたくさんの人たちの生活について深く考えさせられます。