殿は今夜もご乱心

不倫が趣味の夫と暮らす
みりこんでスリリングな毎日をどうぞ!

寄生計画

2008年12月04日 12時10分34秒 | 不倫…戦いの記録
「M美…おなかすいた…」

テーブルの上にあったパンを見ながら

少女がつぶやきました。

「Kの介も…」

午前1時…。


夜更かしすると、お腹が減るものです。

私も食べたくなりました。

パンで釣っている間に急いでうどんを作り、三人で食べました。


昔、子供たちが使っていた

熱くならないドンブリなど出して来て、久かたぶりの子育て気分です。


       「いつも二人で留守番してるの?」

「うん!」

        「すごいね」

「M美、おねえちゃんだから、がんばらないといけないの」

「Kの介もがんばるー」

        「えらいねぇ」


「がんばったらシアワセがくるって、ママが言ってた」

        「ふ~ん」

「それでね、大きくなったらね

 M美はシャチョウレイジョウになれるんだって」

      「ほぅ…そりゃすごいね」

「パパのお父さんが死んだら~、パパがシャチョウサンになって~

 そしたらM美はシャチョウレイジョウなんだって」

      「へぇ~」

「それでね、Kの介は大きくなったら
 
 シャチョウサンになれるんだって」

  
    「…じゃあ、ママは?ママは大きくなったら何になるのかな?」

「シャチョウフジン~!」  

          「ほぉ~」

「だから、おるすばんをがんばるの」

        「がんばってね」



C子みたいなのがいるから、世の中は面白いのかもしれません。

なかなか楽しい計画ですが、平成以降の零細企業は悲惨です。

それに…長男の入社が決まっていました。


サラリーマンになったほうがまだ安全だと思っていましたが

生涯いち従業員でいいとまで言うので

翌年から、ひとまずよその会社へ修行に出すのを決めたところでした。


        悪いが…多分君たちの計画は白紙だよ…         


幼い子供の口から出た話…半分に聞いても

それを日々彼らにインプットしているC子の気持ちは容易に想像できます。


寄生という手段で幸せをつかもうとするC子。

我が子のために、どうしても引きたくない私。

綱引きするほどの値打ちもない、つぶれかけた会社と

資金繰りの厳しさや家族の確執を受け止めきれないまま、恋に走る夫。

風呂に入り、寝てしまった二人の顔を見ながら

複雑な思いにかられる私でした。   


こういう気分の時は

目の前の今できることをひたすらやるのが良策です。

寝ること、そしてこの子たちを無事C子の元に返してやることでした。


翌日の昼過ぎ、夫は子供たちを連れに来ました。

窓から見えない離れた場所に車を置いたところをみると

C子も退院して一緒に来たのかもしれません。


「おばちゃん、さよなら~」

パパの後について、二人は帰って行きました。

手がかからず、かわいらしい子供たちでした。

淋しい子供というのは、どこでももの怖じせず

スッと入り込めるようです。


M美の話によると、C子はM美たちの父親の転勤で

…小学校に入る前と言うから…

3年ほど前に四国からこの県に来たようです。

ほどなく離婚して父親は自分の郷里に帰りました。

「それから今のパパじゃないパパと遊園地に行った」

と、ややこしいことを言います。

夫の前に彼氏がいたため

その住まいから離れなかったのかもしれません。


「ママが、今のパパのほうがショウライがいいんだって。

 遊園地行けないけど」
    
       
          将来ねぇ… 


確かに夫はそういう場所が苦手でした。


C子の実家も四国ですが

母親も独り身で働いている上に

一緒に住んでいる男性がいるらしく

あまり行き来は無いようでした。


あの子たちが幸せになれますように。

       あ、それには私が邪魔なのか…

             へへへ
 
コメント (6)
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