殿は今夜もご乱心

不倫が趣味の夫と暮らす
みりこんでスリリングな毎日をどうぞ!

シワ改善?

2024年01月28日 19時16分23秒 | みりこんぐらし
先日、10キロ痩せたとブログで話した。

富永愛…とまでは言えないけど

“スラリ”という表現が使えそうな気がする。


しか〜し、手放しで喜ぶわけにいかない64才。

胸の肉がそげ落ち、骨が浮き出て

地獄絵図に描かれた亡者や餓鬼みたい。

それでもこっちの方は、服さえ脱がなければ隠せる。

問題は、顔の小ジワじゃ。


最も深刻なのが、頬の登頂部。

いくらペッタンコな私の顔でも

ここはわずかに盛り上がって、控えめなツヤをたたえていたはず。

それがどうよ。

微細な小ジワがひしめいて、しぼんだ風船みたいだ。

これが、かの有名な“ちりめんジワ”か。

ガ〜ン!


おまけに数少ないチャームポイントだったエクボは

もはやエクボにあらず。

両頬の下部からアゴにかけて、深い縦ジワを掘り込む

スタートラインになり下がっとるではないか。


一応、手当てはした。

同級生マミちゃんの店で買う美容液や栄養クリームをランクアップして

今までの倍の量を塗りたくるのだ。

しかし何ら変化は無く、変わったのは財布の中身だけ。

美容液とか栄養クリームって、とにかく高いのよ。


これではいかん…そう思っていたところへ

ひと月かふた月に一度訪れる置き薬のセールスマンが来訪。

置き薬って、今どきは家庭常備薬と呼ばれているが

定期的に顧客の家を訪問しては使われた薬の代金を受け取り

新しい薬を補充する仕事をする人である。


その昔、置き薬のセールスマンといえば

やさぐれた怪しげなオジサンがお決まりだった。

転職を繰り返して行き着く先は、誰でも入れてくれる営業職。

身内や友だちを顧客にし尽くすまでは、雇ってもらえるからだ。

あの本社雇用の松木氏なんぞ、ピッタリな感じ。

続かないので、家に来る人がしょっちゅう変わるのも特徴だった。


しかし今どきは、そんな人物だと警戒されて門前払いになる。

よって明るく爽やかで、闇を感じさせない人物が主流になった。

この男も30代後半の、太った人懐こいタイプ。

うちの息子と同年代なので、話しやすい。


うちはこの置き薬の会社が扱っている目薬と

葛根湯ドリンクが気に入っている。

いつものように支払いと補充を済ませると、彼はたずねた。

「そうそう、ヒアルロン酸ジェルはまだありますか?」

顧客に薬を貸して使った分だけ現金を回収するという

従来の営業形態に加え

その場で何かを販売するのも彼らの仕事である。


ヒアルロン酸ジェルは、全身に使える3千円くらいの保湿剤。

以前買って、風呂上がりの手足に付けていたが

プルプルと潤っているのはジェルだけで

付けた人間はちっとも潤わない。


そればかりか、ジェルから漂う花の香りに犬が激しく反応。

二匹が競って私を舐めまくるため、鬱陶しくなって長男に与えた。

あの子もはや中年、私に似て乾燥肌なので

風呂上がりには顔に何か付けないと、肌が乾燥するのだ。


そのジェルは大きな入れ物に入っていて、まだたっぷり残っている。

だから、「いらない…潤わないし」と答えた。

すると営業上手な彼は言う。

「新しいのが出たんですよ。

ナイアシンアミドが入ったクリームです」


ナイアシンアミド…

最近、テレビの通販番組でよく耳にする単語である。

「えっ?ナイアシンアミドが入って、このお値段?」

などと大袈裟に驚くやつよ。


「すごくしっとりと潤うんですよ」

彼はサンプルを取り出し、試すように勧める。

直径7センチぐらいの小さい入れ物だ。


化粧をしているので顔に付けるわけにはいかず

手の甲に付けるが、ハンドクリームと同じ感触でよくわからない。

それでも「しっとり潤う」と言われれば、心が揺れるではないか。

もちろん置き薬のセールスマンに、お肌の悩みなんか打ち明けはしない。

汗かきで脂性の彼に、乾燥肌や小ジワの話なんかしたって

わかるわけがないのだ。




30グラム入っていて、価格は4,800円だそう。

今使っている美容液や栄養クリームに比べたら、3分の1じゃんか。

ダメ元で飛びつき、使うようになったが

話の通り、ものすごく潤う。

ワタクシ史上、最高の潤いっぷりではなかろうか。

配合されているというナイアシンアミドが良いのか

クリーム自体が粘っこいからなのかは不明だが

一日中、これほど潤いっぱなしのクリームは知らない。


潤いさえ入手すれば、こっちのもんよ。

シワ問題は年齢問題でもあるので

整形でもしない限り解決しないとわかっているけど

ツヤが出て小ジワを多少、反射してくれるのと

笑ったら頬がピシッと音を立てそうな不快感が無くなった。

それだけでも幸せよ。


振り返れば、胎盤エキス、ヒアルロン酸、コエンザイムQ10、レチノール

プロテオグリカン、セラミド、ビタミンC誘導体、卵殻膜エキス…

店販、訪販、通販で、さまざまな成分を売りにした基礎化粧品を使ってきた。

が、まさか置き薬の男から栄養クリームを買う日が来ようとは思わなかった。

マミちゃんには悪いが、しばらくはこれを使うつもり。
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手抜き料理・茶色祭

2024年01月19日 15時53分19秒 | 手抜き料理
同級生ユリちゃんのお寺で料理を作る習慣は

昨年の10月以来、ご無沙汰。

20年前に父が他界して以来、一人暮らしを続けできた実家の母が

90才を迎えた途端に衰えたため

そっちが忙しくなったことに遠慮しているらしい。


口では忙しいとナンボでも言えるが、私の場合、見た目が証明している。

何だかんだで結局、10キロ痩せた。

その姿を見て、厚かましいユリちゃんもさすがに何も言えないようだ。


そうよ、本当に忙しければ痩せる。

「働くのは私ばっかりで、寝る暇も食べる暇も無い」

ユリちゃんの訴えを信じて同情し

「うちら同級生がやらねば誰がやる!」

そう思って始めたお寺料理だが、あれから5年…

ユリちゃんは順調に太り続けている。

そのありさまをドラム缶と表現していたけど、撤回させてもらう。

ドラム缶の方が縦長で、スラッとしてるぞ。



で、一回り細くなってご満悦の私だけど、問題は顔よっ!

急激に痩せたので、肌は小ジワ祭、目の下はクマ祭。

スキンケアを頑張っても、64才じゃ効果が出ないのよね。

スタイルを手に入れたら、顔が悲惨…

やはり何かを得るには、何かを失わないといけないみたい。

虚しいわ〜(ここ、笑うところ)。



さて、寒くなったので、おでんでもどうです?


忙しさを免罪符に、煮込み料理が多くなった。

この日のおでんの出汁は、牛テール。

こってりした良い出汁になる。

具は大根、こんにゃく、ジャガイモ、厚揚げ、練り物に

私の暮らす瀬戸内ではタコを入れることもある。

タコを入れると、なぜか男どもが喜ぶ。



豚の角煮


角煮を簡単に美味しく、そしてさっぱり仕上げたくて

長年研究していたけど、やっと作り方が確定。


①鍋に水を張り、豚バラをブロックのまま入れて強火で1時間煮る

②1時間後に火を止め、そのまま冷ます

③完全に冷めると豚から出た脂が白い膜になるので

それをすくい取って捨てる

④残った透明の汁はそのままにして

肉をフライパンに移し、全面を焼きつける

⑤肉と汁を圧力鍋に入れ替え、酒、ニンニクひとかけ

ショウガひとかけ、白ネギの葉を数本入れて煮る

圧力鍋が無ければ、普通の鍋でコトコト煮る

⑥圧力鍋から蒸気が出たら火を止め、冷めるまで放置

普通の鍋なら強火で1時間程度煮て、フタをして放置

⑦肉が冷めたら再び脂が膜になっているので、すくい取る

この時、ニンニク、ショウガ、ネギも取り除く

⑧砂糖大さじ1、少しの醤油を入れ、また煮てから火を止め放置

※醤油は最初にたくさん入れて煮ると肉が硬くなるので

この時は少しにしておく

⑨冷めたら味と柔らかさを確認し、醤油が足りなければ足して汁を煮詰め

また冷めるまで放置してから切り分ける

※冷めていないと、切る時にバラバラになる


脂をすくい取り、味を決めて煮詰めたものがこれ

ちょっと食べたので、減ってる


工程を言葉にすると長ったらしくて嫌気がさすけど

実際にやるのは放置祭。

ブロックのまま冷蔵庫に入れておくと数日は保存がきくので

おかずのない時、切って温めてから生野菜の上に置き

煮詰めた汁をかければ立派な一品。

細かく切ってチャーハンの具にしたり、ラーメンのお供にしたり

汁と一緒にご飯にかければ焼き豚丼。

この焼き豚丼に目玉焼きを乗せたら

焼き豚卵飯(やきぶたたまごめし)といって

愛媛県だったかの名物B級グルメになる。

私は年寄りなのでやらないけど、若い人は喜ぶ。



椎茸マヨ


生椎茸をサッと洗って水分を拭き取り

マヨネーズと塩胡椒をかけたらオーブントースターで焼くだけ。

これがあなどれない美味しさ。

しかも早い。

私はパセリをかけてみたけど、無くても大丈夫。


気づけば茶色のおかずばっかりね。

美しくて洒落たお料理は苦手どす。

すんませ〜ん。



『しおやさんへ』

前記事のコメント欄でお話ししてくださった前立腺癌の話。

昨日、経験者から詳しい話を聞いたのでご報告いたします。

その人は同窓会の会長、通称モトジメ。

4年前、同窓会の還暦旅行でカニの本場、城崎温泉に行きながら

カニを注文し損ねた男。


別件で久しぶりに電話をかけてきたんだけど

実は俺…ということで、闘病絵巻を聞くことになりました。

しおやさんと話したばかりなので、あまりの偶然に驚いた次第です。

ヤスヒロのケースと違うので

詳しくはコメント欄へお越しくだされば幸いです。
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開運のコツ…かもよ

2024年01月13日 09時59分23秒 | みりこん流
遅ればせながら、明けましておめでとうございます!

元旦から能登半島で大地震、驚きましたね。

皆様のお住まいの地域は大丈夫でしたでしょうか?

被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。


しばらくお休みさせていただきましたが

何のことはない、年明けから風邪引いてましてん。

わかっとります。

色々疲れたんですわ。


それにしても年寄りっちゅうのはどうして

「迷惑かけたくない」と言いながら

迷惑なことばっかり言うんでっしゃろなあ。

こっちは車でどこかへ連れて行ったり

代わりに何かやったりするのは迷惑と思わんのですわ。

ただ、何をして欲しいという要望に到達するまでの前置きが長い。

迷惑なのは、それを延々と聞いてる時間なんだけど。

年を取るって、要望を簡潔に言えなくなることなのかもね。


とまあ、のっけから辛気臭い話ですまんことです。

もう大丈夫、こんなことで負けてはおられまへん。

今年もぶっ飛ばして行きまっせ!



さて、私は子供の頃から…

正確には11才で母親が他界してから

自分は不幸だと思って生きてきた。

母親の一人や二人亡くしたぐらいで不幸を名乗るとは図々しい…

親と早く別れた経験の無い人はそう思うかもしれないが

子供にとって母親に死なれるのはきつい。


そのダメージが精神的な方面ではなく

肉体に影響するのが、大人と違うところだ。

身体中の関節という関節が全部外れたような感じで

糸の切れた操り人形になったみたいなんじゃ。

首、手足、指…ちゃんと繋がっているはずなのに

何だかブラブラして力が入らない。

初めての感覚に、私は戸惑うばかりだった。


「悲しみに負けず頑張ろう…」

一応は、そう思う。

しかし、この関節問題だけはどうしようもない。

ともすれば脱力してヘナヘナと座り込みそうになるため

両足を踏ん張ってどうにか立ち、平然を装うのがやっと。


とにかく「関節、外れてませ〜ん」を装うのに必死なもんで

子供であることを楽しむ余裕はあんまり無い。

そんな状態で普通の小学生を演じるには

視線をやや下に落とし、歯を食いしばって行動するしかなかった。


その姿はハタから見れば、不機嫌に感じられたと思う。

「みりこんさんは、いつもダラダラしています。

みんなが頑張っている時は、もっとやる気を出して欲しいと思います」

告発の快感を覚え始めた一部の級友は、そんな私を帰りの会で糾弾した。

「うるせぇわ!好きでダラッとしとるんじゃないわい!

首やら手足がブラブラなんじゃ!」

そう言いたいけど言えない、このつらさ(ここ、笑うところよ)。


何か言い返すと、母親のことに触れられるのは決定事項。

「お母さんが亡くなって悲しいのはわかりますが

元気を出さないといけないと思います」

「僕も、私も、そう思います」

上辺の励ましに、まばらな拍手。

おお、嫌だ。

だから何も言わない。


アレらは良いことを言っているつもりだろうが

何もわかっちゃいないし、わかってもらいたいとも思わない。

このような上辺のことを言われると

死んだ母親を悪く言われているようで、子供としては耐え難いのだ。


私は悲しみを引きずっているのではない…

死んだものは仕方がないというのは、あんたらよりもわかっている…

ただ、関節がブラブラなだけなんじゃ…

じきに治ると思うから、そっとしておいてくれ…

心で叫んだものである。

上辺で小美しい口をきく人間を忌み嫌う癖は、この頃からだと思う。


中学でブラスバンドに入ると、関節のブラブラ病?は徐々に回復した。

だってブラスバンドは、音楽が好きで入部した人間ばかりだ。

彼ら彼女らは音楽というアイテムで、自分の機嫌を取るスベを知っている。

だから、家庭で貯めたストレスを外で人にぶつける必要が無いのだ。

もちろん音楽に限らず、スポーツや他の趣味も同じで

一心に取り組む者は他人を気にしない。


安心できる仲間に囲まれ、より美しい演奏を追求する楽しさを知った私は

ブラスバンドだけが生き甲斐になった。

人並みの青春を謳歌できるようになったからか

急激に背が伸びて各関節に成長痛が訪れ

ブラブラどころか痛いので、そっちに神経が行ったからかは不明だが

中2になる頃にはブラブラ病から解放された。


そんなわけで復活した私だが、ブラブラ病に対する恐怖は残った。

あの不可解な症状は消えたものの、得体の知れぬ脱力感は

その後も長く続いたからだ。

新しい人間関係も、新しく始めた何かも

どうせ途中で嫌なことが起きる…

だったらいきなり全力を出さずに、しばらく観察して様子を見よう…

私はいつもどこかでブレーキをかけ、脱力感と共存する道を選んだ。


やがていつしか、あの不快な脱力感は消えたが

ブレーキの方は癖になったまま幾星霜。

しかし50代半ばのある日

ブレーキをかけるのが急にバカバカしくなった。

正確には義父が他界した頃だと思う。

一人片付いて余裕が出たので

このままブレーキをかけ続けるのがもったいない気がしてきたのだ。


そんな私が何をしたかというと、全然たいしたことではない。

ただ、集まりに早く行くようになった…それだけ。

友人や近所の集まり、参加せざるを得ない様々な活動

通夜葬儀にも、とにかく早めに行く。


それまでは時間を逆算して、いつもギリギリに行っていた。

早く行って熱心だの暇だのと思われ、アテにされたら困るからである。

だってアテにされたら、張り切るではないか。

私は自分の性分を知っている。

張り切ったら最後、パワー全開。

火宅の家や選挙で培った強烈なものだから、容赦ない。


それが良い結果を生むこともあるけど

集団の中には、山で言えば六、七合目あたりを頂上と信じ

登頂したと思っている人や

いつまでも裾野を漂っていたい人もいるものだ。

そういった一部の人たちにとって、私は迷惑な存在。

だから首を深く突っ込まないための予防策として

あんまり嬉しげに早く行かない。

私にとっては効果的なブレーキの一環…のつもりだった。


が、変に気を遣うことをやめたのだ。

早く行くと何がいいかって、主催者が安心して喜ぶ。

そして私と同じく早く来た人も、続いて早めに来た人も

誰か居ると安心する。

その安堵が周囲の空気を変えるのか

通夜葬儀は別として、自分もゆったりと楽しめることが判明。


のめり込んだっていい、突っ走ったっていい…

だって老い先短いんだもの…

そう思って解除したブレーキだが

今のところ、のめり込むことも突っ走ることも無い。

燃えるものが無いと言った方がいいかも。

自分が年を取ったら、周りも年寄りばっかりじゃん。

楽しくて無我夢中になってしまう集まりなんて、ほとんど無いのよね。

な〜んだ。


新しい出会いもしかり。

六十何年も生きてきて、今まで知り合わなかった人って

やっぱり縁の無い人なのよ。

な〜んだ。


でも、早めの集合は続けるつもり。

誰かに安心してもらうって、こちらも安心した気持ちになる。

人と良い関係を保ち、穏やかに生活する秘訣かもしれない。


『大晦日に作ったオードブル』


毎年大晦日の夕方、夫の叔母宅に届けるのが恒例。

叔母は義父の妹で、彼ら6人兄妹の中では唯一生存している。


今年は食材がたくさんあったので

もう一軒、知り合いの家にも持って行った。

確か、これを作るまでは元気だったはず。

無理をしてはいけないと、つくづく思った。
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