殿は今夜もご乱心

不倫が趣味の夫と暮らす
みりこんでスリリングな毎日をどうぞ!

体験入部

2017年10月29日 19時29分55秒 | みりこんぐらし
2年と8ヶ月前、義母ヨシコは伴侶に先立たれ

その3ヶ月後、ヨシコの友人、骨肉のおトミもご主人を亡くした。

以来、ヨシコとおトミは、以前より頻繁に行き来するようになった。


ヨシコの年寄りの友達‥人呼んでヨリトモは5人いたが

尿漏れのおチヨが認知症、インスリンのおタツは糖尿病の悪化で脱落。

不眠症で精神安定剤を常用するバランスのおシマも

ご主人の癌発覚を理由に参加しなくなったため

2人になったというのもある。


おトミは、同居する嫁に口をきいてもらえない。

嫁の教育が実り、成人した孫たちもおトミを透明人間として扱う。

骨肉の原因はおトミの娘‥嫁から見れば旦那の妹‥

つまり小姑だ。


おトミの娘は、父親の経営する会社から給料をもらいながら

両親のおそば去らずを営業してきた。

うちの義姉カンジワ・ルイーゼの未婚バージョンだけど

同じ鬼千匹でも、既婚と未婚じゃ大きく違う。

既婚の場合は顔を合わせなくて済む時間が持てるが、未婚だと常駐。

可愛い娘をそばに置くのは当たり前(親はそのつもり)‥

親子でじっとり、ねっとり、コソコソ(嫁にはそう見える)‥

これが24時間、30年以上続いたあげくの骨肉であった。


ご主人がいなくなると、おトミは骨肉生活がこたえるようになった。

「家にいたら気が狂いそうになる」

おトミはそう言い、ヨシコを誘い出しては食事に行くようになったが

80を越えたおトミの運転は危うい。

そこで去年からおトミの娘、つまり骨肉の中心人物

聖子ちゃんが、お出かけの運転手を買って出るようになった。


父親の死後、聖子ちゃんの兄が社長を引き継いだが

フタを開けてみると負債が大変なことになっていたので

実働していない聖子ちゃんは解雇された。

この措置の黒幕が、骨肉の兄嫁であることは想像に容易い。


その後、聖子ちゃんはよそへパートに出るようになった。

週に2回、聖子ちゃんが休みの日はおトミから電話がかかる。

3人で遊びに行こうというのだ。

両親の庇護のもと、外界を知らずに年ふりた聖子ちゃんは

美人でしっかり者だが、きつ〜いお方。

おトミはいつも叱られているという。

「母娘2人だけだと、トミ子さんが怒られてかわいそう」

ヨシコはそう言って、誘われるままに同行していた。


私はこの習慣を喜んでいた。

嫁が一番嬉しいのは、姑の留守。

留守の内容は問わない。

遊びでも入院でも、何でもいい。

数時間でも何日でも、なんなら永遠でもいい。

いなくなればいいとは言わないが、嫁にも深呼吸が必要。

週に2回、お昼前からには夕方まで

ヨシコを連れ出してくれるおトミ母娘に、心から感謝する私であった。


が、ヨシコ、だんだん行きたがらなくなった。

外食と一口に言うけど、彼女たちの行程はハードらしい。

ドライブがてら、市外で食事の後は

ショッピングセンターやホームセンターを複数ハシゴ。

各店内の徘徊はもとより、何度も繰り返す車の乗り降りや

駐車場から店までの距離は弱った足腰にこたえると言う。

軽自動車なので、長時間乗るのも辛いそうだ。


体力の問題に加え、お金の問題もヨシコを苦しめていた。

世話好きで親切な聖子ちゃんは、ヨシコの洋服を見立ててくれる。

買った物を見ると、彼女が目利きであることは私にもわかる。

さりげなく流行を取り入れた上質な物ばかりを

セールをうまく利用して選んでいるのはさすが。


とはいえ、お一人様の年金で服ばっかり買うわけにはいかないのも事実。

そして、いくら素敵なお洋服でも

老人の体型と生活習慣に合わなければ無駄遣いであった。


例えば、今流行りのコーディガンと呼ばれる長いカーディガン。

背筋を伸ばしてちゃんと立てる人なら、それはオシャレなんだけど

背が低くて背中が曲がり始めた81才のヨシコが着ると、ほぼ寝巻き。

足に絡んだら危険だ。

しかし、センスに自信を持っている聖子ちゃんの押しは強い。

連れて来てもらっている負い目があるので、ヨシコは拒否できないのだった。


お金の問題はもう一つあった。

3人で食事をする時、お会計が明朗でないとヨシコは打ち明ける。

おトミと聖子ちゃんは食欲があり、お高い物をたくさん召し上がるが

ヨシコは入れ歯の関係で、食べられる物が限定されている。

この差が還元されていないらしい。


例えばある日は、おトミと聖子ちゃんがステーキセットで

ヨシコはスパゲティ。

誰が何を食べようと、聖子ちゃんは人数で割った金額を徴収する。

損得とは違う何かが、ヨシコの心に引っかかってしまうらしい。


ガソリン代を手伝うつもり‥

自分に言い聞かせてみるが、結局のところ

そうまでしてお出かけに付き合う必要性は発見できず

かといって残り少なくなった、生きている友達を失いたくもなく

複雑な心境を私に吐露するヨシコ。

複雑が苦手な彼女は、ともすれば腰痛を言い訳にして

お誘いを断ることが増えていった。


姑の留守が減るのは、嫁にとって死活問題。

「我慢しなさい」

「誘ってもらえるうちが花よ」

そう言って尻を叩く私に、ヨシコは訴える。

「一回、一緒に来てみてよ!そしたらわかると思う」


そこで、おトミ母娘のお出かけに参加することを決めた私。

実際に体験することで、あわよくば解決の糸口が見つかるかもしれない‥

そう考えたからであった。

《続く》
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仲良きことは‥

2017年10月25日 14時58分09秒 | みりこんぐらし
皆様、雨風の中での投票、お疲れ様でした。

台風の被害はありませんでしたか?

次の台風もどうか気をつけてください。



唐突だが、地方のデパートには3ランクある。

松・都会にある本当のデパート

竹・都会と田舎の中間地点にある、ミニサイズのデパート

梅・田舎にある贈答品狙いの出張所


松は遠いので、滅多に行けない。

梅に用は無く、うちらの町ではとっくに撤退。

したがって我々が赴く頻度は、竹が多い。

竹は車で1時間ぐらいの街にあり

ちょっと気の利いた物が欲しい、または見たい時に行く。


先日、この竹デパートへ夫と行った。

この人と行くのは初めて。

目的は黒のストッキング。

このところ葬式続きでストックが減ったのもあるが

やっぱり黒のストッキングは、いいヤツでないと困る。

そこらのスーパーに置いてある安物だと、マダラになることがあるからだ。

これって案外、目立つ。

安物は濃淡の出方が違うので、足も太く見える。


町に梅デパートがある頃はそこで買っていたが

撤退してはや20年、私はいつしかストッキングに無頓着になり

近年はセブンイレブンの物を愛用するまでに落ちぶれた。

フィット感が強めで丈夫だったため、まあまあ気に入っていた。


が、いつからか中身が変わった。

同じセブンイレブン仕様だけど、製造元が変わったのか

品質が大幅に低下していたのだ。

もうセブンイレブンのストッキングには別れを告げねばなるまい。


今増えているパンツスーツの喪服にすれば

ストッキング問題は一気に解決するはずだが

悲しいかな、長身の私に合うパンツ丈の喪服にはまだ出会っていない。

長ければ詰めたらいいけど、ちんちくりんで短いのはどうにもならん。

スソを直してまで着たいような情熱も湧かない。


というわけで高級ストッキングを必要とした私は、夫をそそのかす。

ストッキングを買いに、はるばる1時間もかけて一人で行くなんて

かったるいじゃないの。

「ワッフル食べに行きませんか〜?」

ピクリと反応を見せる甘党の夫。

竹デパートには、コーヒーとワッフルがおいしい店があるのだ。


話は簡単に決まり、我ら夫婦はさっそく出かけた。

お昼前に到着したので、混む前にワッフルを与えておとなしくさせ

さあ買い物よ。


お目当てのストッキングも入手し、我らは地下食品売り場へ。

ここにもお目当てが‥創味のつゆ。

麺つゆみたいなものだけど、これ、便利なの。

和食の仕上げに使うと、味付けが決まるのよ。

添加物の心配もあるから、たくさんは使わないけど

ちょっとの量で、いい味を出してくれるのよ。


私らの町には普通味と甘口しか売ってないけど、ここには白だし風味のがある。

汁物や茶碗蒸しにいいわけよ。

これを3本入手し、非常に喜ぶ私。

何が嬉しいんだかわからない‥という顔で、重たくなった買い物カゴを持つ夫。


と、向かったレジの手前に、豚角煮の屋台が‥。

40代とおぼしき清楚な女性から試食の一切れを手渡され

食いつく、いやしい夫婦。

2人でモグモグやって、買おうということになる。


こういう店頭販売は不要な物でない限り、なるべく買うようにしている。

食品会社で経理事務をしていたOL時代

スーパーに入って試食販売を行う

デモンストレーターの給料計算をしていた名残りだ。


今日はあの町、明日はこの町と渡り歩く‥

これだけでも臆病者!の私はビビッちゃう。

それに食品売り場のエラい人って、こう言っちゃナンだけど

意地悪な男性、けっこう多い。

上からヤイヤイ言われてるからだと思うけど

弱い立場の者に当たるのは常識みたいなところがある。

デモンストレーターなんてよそ者は、格好の餌食なわけ。

もちろん、いい人もいると思うわ。

私が知らないだけ。


この環境だけでも、弱々しい!私は打ち震えるというのに

試食に使っていい数は会社から決められていて

限られた試食で結果を出さなければならない彼女たちの

プレッシャーはいかばかりか。

そんなことを直に聞いてるもんだから

激励の気持ちを込めて買ってるの。



販売員の女性は「こちらも試食してみてください」と

牛スジ煮込みの切れ端も渡す。

牛スジの刺された爪楊枝を受け取って夫に渡すと

女性は驚いたように言う。

「先にご主人に渡す奥さん、初めて見ました!」

リップサービスかもしれないけど、本当にびっくりしていた。


「信じられない‥本当に仲がいいですね!」

「ええ、仲良し。

ごらんなさい、小柄!で華奢!な妻のためにカゴを持つ優しい夫を」

「ほんとだ‥うちじゃあ考えられない‥

どうしたらそんなに仲良くできるんですか?」

「年金が近づいたら、自動的に仲良くなるもんよ」

「本当ですか?」

「あなた、まだ若いからよ。

もうすぐ年金もらうようになってみなさいよ。

2人じゃないと生活苦しいから、自然にお互いを大事にできるわよ」


豚角煮は2本で、税込み2500円だった。

支払いはレジでするシステムだそうなので

パックを持って去ろうとすると

「2千円でいいです、値段、書き直します」

女性が言うではないか。

「あら、ありがと」

「あの、私も頑張ります!

主人と仲良くします!」

「頑張って」


仲良きことは‥500円の儲け。

チーン。
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投票日近し

2017年10月19日 10時39分53秒 | みりこんばばの時事
皆さん、すでにお気づきだと思う。

ここしばらく、ぱったりとミサイル騒ぎが無いことに。


この13日から、友人がハワイ旅行に出かけている。

私は諸事情で参加しなかった。

出発前、友人は電話で私に言った。

「こんな時期だけど、一週間も留守にできるのは今しかないから

覚悟を決めて行ってくるわ」


こんな時期とは、もちろんミサイルのこと。

あちらさんは当初、基地のあるグァムやハワイに向けて撃つと言っていたのだ。

もしもその通りのことが起きたとしたら、混乱は免れない。


「総選挙だから、大丈夫じゃない?」

私は言い、友人はその真意を測りかねて一瞬黙ったが

「みりこんちゃんがそう言うんなら、大丈夫ね」

と笑った。


実は後で、少し後悔した。

もしもかの国の人々に対する私の認識が間違っていたとしたら

友人一行は、無事に帰国できるだろうか‥

我ながらいい加減なことを言ったものだ‥。



が、今のところ静か。

選挙中に騒ぎを起こしたら、多くの日本国民が気づいてしまう。

「夢や理想で国は護れない」と。

「今大事なのは国防」と。

「未経験者に命を預けるわけにはいかない」と。

だから静か。

なんとわかりやすいことだろう。

このゲンキンさに感心してしまう。


本国は静かにする一方、日本国内に散る同胞は

マスコミを使って、与党が優勢と大喧伝。

過去、どこが優勢だの、議席が何割取れる予定だのと

ここまで賑やかに報道されたことがあるだろうか。


選挙を少しでも知っている人であれば

これがいかに危険な報道かが即座にわかるはず。

選挙戦真っ只中に「大丈夫」や「安泰」の言葉が出始めたら

非常に危ない。

相手を落選させるために、あえて楽勝、大勝の噂を流すのは

昔からポピュラーな戦法の一つである。


「どこに投票しても同じなら、かわいそうな方に入れる」

「勝つとわかっている人じゃ面白くないから、危ない方に入れる」

「長い人は飽きたから、新しい人に入れる」

この言葉、戦歴は少ないものの

経験年数だけは20年以上のウグイスとして

私は実に多くの有権者から、直接聞いている。

このお花畑の票をいかに取り込むか。

それを考えながらウグイス稼業をやってきた。


経験から言うと、いや、誰でもわかると思うが

これは有権者の40%を占めるという、浮動票狙い。

日本人は、劣勢と言われる方に味方してしまう習性がある。

同じ椅子に長く座り続ける者に対して、嫌悪感を抱く習性もある。

この習性を知っておくのは、ウグイスの常識だ。


その心理を利用した、報道操作に丸め込まれようとしている。

日本人にとって、とても危険な状況だ。

与党大勝の予測を言いふらして浮動票を誘導し、得をするのは誰か‥

喜ぶのはどこの国か‥

そう考えた時、黒幕はおのずと浮き上がってくる。


で、現在。

与党優勢をあんまり強調し過ぎて、気を引き締められてしまったので

ちょっと静かになって様子見というところ。

政治がおわかりになる賢い方々の考えは知らないけど

選挙の現場しかわからない私の認識をお話しさせていただいた。



‥4才の時だった。

私は家の前で、三輪車に乗って遊んでいた。

と、急に後ろから、私に覆いかぶさるようにして

三輪車のハンドルを掴む者がいた。

小さい子にこういうことをする者は、まずいない。

驚いて見上げたら、隣に住む在日一家の長女、2才年上のお姉さんだ。

一緒に遊んだことは無い。

この時が、ほぼ初対面だった。


体の大きいお姉さんは、無言で私に覆いかぶさったまま

後輪の間に片足を掛け、もう一方の足で地面を蹴って

三輪車を私ごと運び始めた。

私はどうしていいかわからず、めまぐるしく過ぎ去る灰色の道路を見下ろしていた。


乗っ取られた三輪車は、家からどんどん離れていく。

何百メートル走っただろうか、母の呼ぶ声が聞こえてきた。

その声が聞こえると、お姉さんはスピードを上げた。

母は私の名を呼びながら、追いかけてくる。

お姉さんは、さらにスピードを上げる。


やがて追いついた母は三輪車の前に回り、ハンドルをつかまえた。

ハアハアと息を切らし、必死の形相であった。

今思えば、無理もない。

私たちが走っていたのは国道。

衝動によって開始されたこの行為が、やはり衝動で終了する可能性は低くなかった。

連れ去りに飽きたら、放り出されたかもしれない。

無事に解放される保証は無かった。


お姉さんはパッと手を離すと、走ってどこかへ行ってしまった。

母は無言で私を抱いたまま、片手で三輪車を引いて帰途につく。

家に帰ると、母は雑巾で足の裏を拭いた。

彼女は裸足で追いかけて来たのだった。


今、あの時のことを思い出す。

裸足で駆けつけ、我が子を取り戻した鬼の形相の母。

本気で守ってくれるのは誰かを知った瞬間だった。

これが私の感傷的追憶に過ぎないことを心から願う。
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キッパリおかん

2017年10月16日 22時51分55秒 | みりこんぐらし
先週の土曜日は夫の姉カンジワ・ルイーゼの姑さんの四十九日だった。

当初は法要後の会食を家でやることになっていて

私には労働が待っている予定だったが

その数日前、庭の離れで寝たきりだったルイーゼの舅さんが

死にそうになり、救急搬送されてそのまま入院した。


自宅での会食は、父親を一人で置き去りにしたくないという

ルイーゼの亭主キクオの要望によるものだったが

入院したとなると話は別。

会食は急遽、町内の飲食店で行われることになった。


姑さんの葬式以来、我ら一家は厄介な問題に巻き込まれていた。

キクオの親戚が、我々を新興宗教に誘い始めたのだ。

葬式の後に行われた精進落としで、魅入られてしまったらしい。


会食が終わりに近づいた頃、遠くから来た者の何人かは帰り始めたため

我々一家の座る席の周りが歯抜けのように空いた。

と、見知らぬ男が私の前の席にやって来て、話しかけたのだった。

「僕、キクオさんの隣に住んでいます」

プロ野球の古田元監督が栄養失調になったようなその男は、私と同年代。

ペラペラと口のよく回る男だったが

その時は宗教のことなど、おくびにも出さなかった。


「妻は◯◯の娘です」

挨拶の後、男が口にしたそれは、うちらの住む町にあるケーキ屋の名前だった。

「まぁ!あそこのお嬢さんですか?」

酒を飲んでいたせいもあり、私は大袈裟に驚いてみせた。

「ご存知ですか?」

「もちろんですわ!」

ケーキ屋は町に5軒しかない。

人気の無さでは一、二を争う老舗だ。


「そこの娘なんですよ、妻は」

背後の席に座った女房を振り返り、得意満面の男。

「それはそれは、お見それいたしました」

合わせる私。

この会話を耳にして急にアゴを上げ、気取る女房。

こういうことで、賢いか、そうでないかがわかるってもんよ。

たまらんわ〜!


その後、会食はお開きとなったので、私はすっかり忘れていた。

が、そいつは忘れてなかったらしい。

どうやら妻の実家の知名度に、私がひれ伏したと勘違いしたようで

あれ以来「信仰の話を聞いて欲しい」とルイーゼから何度も伝言があった。


ルイーゼ夫婦もずっと誘われているが、親の病気を理由に断り続けているという。

問題の男とは親戚としての血筋は遠いものの、家が近い。

そこがルイーゼ夫婦の泣きどころだった。


よって、ガキの使いのごとく男の伝言を伝えるルイーゼ。

私は毎回「断る」と言ったが、ルイーゼはそのまま伝えにくいため

「忙しいらしい」「その日は用があるらしい」

などと、男に曖昧な返事を返していた。

宗教狂いに曖昧で対応すると期待を持たれて

後が厄介になると相場は決まっているが、仕方がない。


そして、男と再び顔を合わせる四十九日がやってきた。

あの男は手ぐすね引いて、この日を待ち焦がれたに違いない。


夫は朝からバタバタと落ち着かなかった。

どうしたのかと聞いたら、仕事が忙しいと言う。

途中で帰りたいと希望するので、我々一家5人は車2台に分乗して現地へ赴いた。


キクオの家で営まれた法要では、何事もなかった。

その後、会食を行う店へ流れると

男はいつまでも席に着かず、部屋の入り口にたたずんでいる。

この日、彼は女房を同伴せず一人で参加していたため身軽だ。

我々が席に着くのを待って、近くへ座ろうと狙っている。


私は席順にこだわらない方だが、こいつと食事をするのも胸くそが悪い。

ここは仲居時代の経験を生かし、他の客を次々と上座へ案内して

下座にちょうど5人分の席が残った瞬間、素早く家族を座らせる。

席が無くなった男は、残念そうに別のテーブルに座った。


これで何事もなく終わるわけがない。

新興宗教をやってるヤツは、しぶといものだ。

私も終わらせるわけにはいかない。

こいつは今日、しっかり叩いておかないと後がたたる。

休みのたびにルイーゼ経由で誘われたら面倒くさい。


食事が終わる少し前、事前に予定していた通り夫が先に帰った。

私の目の前だった夫の席は当然空く。

男はそこへおもむろに座り、あらたまった口調で言った。

「あの、こすずさん(ルイーゼの名前)を通して

何度かお誘いして、お忙しいという返事だったんですが‥」

「はい」

「それで、その、青少年の‥あの‥ゴニョゴニョ‥」

青少年の家だか庭だか、そういう名前の宗教らしいのは

ルイーゼから聞いていた。


「宗教のお話は、キッパリお断りいたします」

私はキッとパリの間を長く開け、大きな声で言う。

男は呆然としている。

賑やかに歓談中の御一同、急にシーン。

それから、こらえきれないように爆笑した人が数人。

多分、勧誘の被害者だ。


「そうですか‥」

男は下を向いて立ち去った。

ふと気がつくと、うちの息子たちがいない。

帰りに外で合流した彼らが話すには

「あのおじさんが近づいて来た時に、急いで外へ出た」

と言うではないか。

「絶対秒殺するけん、気の毒でそばにおられんかった‥フフ」

「見ろよ、あのガッカリした後ろ姿‥クックッ」


「なによっ!

はっきり言わんとわからんわいねっ!

仏さんの席で宗教の勧誘なんか、許されんわ!」

と怒ってはみたものの、きつい母親であることは彼らが一番よく知っている。

同性が恥をかかされるとわかっている場面には、居づらいのだ。

どこまでも見たがる女と違い、男ってそういうところがある。


「ひょっとして父さんも、それで先に帰ったん?」

私は彼らに問うてみた。

「当たり前じゃん。

最初から車2台で来たのはそのためよ」

あ、そう。
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ハワイ未遂

2017年10月13日 19時32分22秒 | みりこんぐらし
「姑がまだ動けるうちに、行きたい所へ行っておきたいの‥」

思いつめた表情の同級生、ユリちゃんから

五泊七日のハワイ旅行に誘われたのは夏。

「誰にも言わずに、4人でこっそり行きましょうよ」

そうささやかれ、私の心にはワイキキビーチが広がった。


そりゃ行きたいわよ。

ユリちゃんにマミちゃん、それに今回はリョウコちゃんも一緒。

リョウコちゃんはついぞ数年前まで、長いことハワイ暮らしだったが

認知症のお母さんを世話するために帰ってきた。

施設に入れたお母さんも、今のところ大丈夫みたいなので

思い切って参加するという。

彼女がメンバーということは、無料のガイドがいるようなもんだから

それはそれは楽しい旅になるはず。


でも断った。

とても残念だけど、諦めは早い方。

私には、一週間も家を留守にできる環境が与えられていない。

皆、かなりの覚悟を持って行くとは言うけど

檀家さんに留守を頼めるユリちゃんと

親世代を全員見送り、今はほぼ余生みたいなマミちゃん

一人暮らしで身軽なリョウコちゃんとは、家に残す人数や立場が違う。


夫と息子たちは何とかなる。

たまには羽を伸ばして来いと、送り出してくれる。

それは優しさというより、主婦のいない状況が

どんなものかを知らないからだ。

コンビニ弁当で食いつないで、母のありがたさを思い知るがいい。


しかし、姑はそうはいかない。

この人、若い頃に行ったのがご自慢で

ハワイは自分だけのものと思い込んでいるフシがあり

人が行ったら気に入らない。

ましてや憎い嫁が行こうものなら、キラウエア火山の噴火どころじゃなかろう。


嫉妬にもだえたあげく、出発の前日か当日の朝

必ず仮病を使って入院に持ち込む。

これは想像ではない。

夜が終われば朝が来るのと同じ、決定事項だ。

ドタキャンで友達に迷惑はかけられない。


人間、その気になればどんなことでもできるという。

私も入院すると思えばいいかもしれない。

家出やストライキでも、まかり通るかもしれない。

が、行きたいなぁ‥という“その気”と

行かせてなるものか‥という“その気”では、後者の方が強い。

泣く子には勝てないと言うけど、泣く婆にも勝てない不甲斐ない私よ。


ユリちゃん御一行の計画は着々と進み、私の代わりに行く人も

ユリちゃんの友達に決まった。

そして先日、ユリちゃんは私に日程を知らせてきた。

行かない私に知らせるのは、留守中のアリバイ工作のためである。


同級生の親に不幸があった時や、急な招集がかかった時は

いつも皆勤賞のユリちゃんやマミちゃんが参列しないのをいぶかしむ者を

うまくごまかさなければならない。

それが私に課せられた使命であった。


誰かに知られると、喜ばれもしないハワイ土産を買わなくてはならない。

なぜ自分を誘ってくれなかったのかと思う者も、いないとは言い切れない。

年を取るって、色々なことから解放されることでもあるけど

面倒臭いことも増えるのだ。


日程によれば、出発は今日。

明日は夫の姉カンジワ・ルイーゼの姑さんの四十九日。

妻を亡くして脱力したお舅さんも死にそうで

四十九日が先か、葬式が先かという状況。

どっちにしろ、私は行けなかった。

日本に残る私は、ユリちゃんたちから与えられた使命を

立派にこなす決意を新たにするのだった。

な〜んて大袈裟に言ってみるけど

同窓会関係の葬式や招集が無ければ、何もしなくていい。


で、明日は一家で四十九日の法要に行くんだけど

現在、問題発生中。

姑さんの葬式で知り合った、ルイーゼの旦那の親戚から

新興宗教の熱心な勧誘が‥。


「集まりがあるから、参加してもらえないだろうか」

「家にお邪魔してもいいだろうか」

葬式以来、ルイーゼに何度もことづけがあった。

言う方も言う方だけど、それをしれっと私たちに伝えるルイーゼもルイーゼよ。

お前の所で止める常識はないんか。

あ、それがルイーゼだったわ。


親戚のオジさんの気持ちはわかるよ、わかります。

うちらって、話してみたら気さくで面白かったのよね。

信仰に引き入れたいのは、そういう人よね。

一挙に一家5人も入ったら、嬉しいわよね。

拝んでばっかりで、身の程というものを知らずにきたのよね。

明日はまた会えるから、チャンスなのよね。

返り討ちにしてくれるわ。

バカタレが!
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キッパリ女将(おかみ)

2017年10月10日 21時47分33秒 | みりこん胃袋物語
その店は、義母ヨシコの知人である牧野夫人から勧められた。

「友達夫婦がやってるんだけど、すごくおいしいの。

ぜひ行ってあげて!」

が、隣の市にあるし、周りには何もない田舎だし

行くきっかけがつかめないまま、日は経った。

ヨシコは、たまに牧野夫人と会うたび

「もう行った?」とたずねられ

「まだ」と答えては落胆される繰り返し。


定年退職したご主人と、ドライブがてらどこへでも出かける

60代の牧野夫人と

誰かが足にならなければ、どこへも行けない80代のヨシコでは

お出かけの頻度も条件も違う。

しかし牧野夫人は顔を合わせるたびに行け、行けとうるさく言い続け

ついに一昨日は、店の場所や電話番号が書いてある名刺を

夫婦でわざわざ届けに来た。

あまりの熱心さに半ば恐れをなしたヨシコは

昨日、娘のカンジワ・ルイーゼに頼み

話題の店「和食どころ・やまがみ(仮名)」へ

行くことにしたのだった。


ちょうど我が夫は、バドミントンの大会で終日留守。

子供たちもそれぞれ釣りに出かけ、やはり終日留守。

つまり昼ごはんの用意をしなくていいという幸運に恵まれた私も

同行することになった。


先に義父アツシの墓参りをしてから向かったので、午後1時に到着。

古民家を装った作りの「和食どころ・やまがみ」は

テーブル席が二つ、座敷が一つの小さな店だ。

60代らしき夫婦と、30代の息子でやっているらしい。

女将さんはショートヘアにメガネをかけた、仏頂面の人である。


祭日の午後というのに、お客は年配の女性が2人だけ。

和食どころとうたいながら

壁にはなぜかイ・ビョンホンのポスターと切り抜きが

ベタベタと貼ってある。

女将さんの趣味であろう。

あまり期待してはいけない‥そう気を引き締める私だった。


注文を聞きにきた女将さんは愛想もクソもなく

マイナーな公的機関の窓口みたい。

「牧野さんに紹介されて来たんですよ」

にこやかに言ってみるヨシコだが

女将さんの応答は、いっそ清々しいほど素っ気ない。

「お客さんはいちいち名乗りませんから、名前までわかりませんっ!」

牧野夫人の友情は、報われていないらしい。

それとも窓口みたいな女将さんだから、個人情報に配慮したのだろうか。


注文を迷ってグズグズするヨシコに、女将さんはキッパリと助言する。

「マツタケ料理がお勧めですっ!」

なるほど、マツタケづくしの昼コースが、ここは4千円とかなり安い。

マツタケ山でも持っているのかもしれない。


が、我々はマツタケを食べるわけにはいかなかった。

好物ではないし、この日はルイーゼのおごりと決まっていたからだ。

姑の葬式で何かと世話になったお礼だと察するが

人のおごりで、価格設定が高めの物を食べるわけにはいかない。

結局、マツタケを勧める女将の要望には応えず

健康志向のルイーゼは豆乳鍋のセットを

肉好きのヨシコに流され、彼女と私はステーキ丼のセットを注文した。


そして長い待ち時間が訪れる。

30分ほど待ってやっと出てきたが

すごいボリュームで、食べたらうまいんじゃ。

ステーキ丼の肉は柔らかく、甘辛いタレもいい。


一緒に出てきたのは、なぜか海老フライ。

ヨシコがそれを一尾、ルイーゼに与える。

ルイーゼは上品ぶって割り箸で小分けにしようと試みたが

海老フライはポーンと飛んで宙を舞い、床に落下した。

一部始終を無言で見守る女将さんの冷たい視線。

さすがのルイーゼもコソコソと、床の海老フライを拾いに行く。


2人の年配婦人は帰り、客は我々だけになった。

3人は、女将さんに監視‥いや見守られながら食べる。

15分が経過し、ルイーゼも私も食べ終わった。

が、ヨシコはまだ半分くらい。

一人でつまらぬことをしゃべり続けるのと入れ歯の問題で

食事の時間が長いのは家と同じである。


「私、友達と食べる時も、いつもビリ」

手を止め、甘ったれるヨシコ。

それを聞いた女将さんはすかさず、そしてまたもやキッパリと言った。

「2時から休憩しますから、早く食べてくださいっ!」

ここは学生寮か?

女将さんが我々の横にぴったりと張り付いているのは

早く休憩したくて、空いた皿を片っ端から引っ込めるためなのであった。


文句を言いたかったが、ここで怒ると私はピエロ。

ジロリと女将さんを睨むにとどまった。

だって肝心のヨシコはどこ吹く風で

皿にかじりつき、モグモグやっているのだ。

この人、昔から食欲はあるけど、最近は特に旺盛。

怒って途中で立ち上がる気概が欲しいぞ、ヨシコ。


やっとヨシコが食べ終わり、一触即発の雰囲気のまま立ち上がる。

「ごちそうさまぁ、美味しかったですぅ。

また来ますぅ」

ヨシコのやつ、能天気におじょうずまで言いおってからに。

「もう来ることはないわい!」

と聞こえるように言ってから店を出る。

楽しい外食のひとときだった。
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隣のドロドロ・2

2017年10月08日 23時22分58秒 | みりこんばばの時事
肌の色や顔形が日本人と似ている彼らは

通名と呼ばれる日本人ふうの名前を名乗り

さまざまな場所に紛れ込んでいる。

近所、学校、職場、マスコミ‥。


近所ならトラブルが絶えず

学校の先生なら子供の愛国心を摘み取り

職場の上司だったらイジメや過労死が起こり

マスコミに就職した者は、捏造報道で国民を洗脳する。

議員の中にもいて、祖国が得をするように

そして日本人でなく同胞が住みよい国にするため

日本人の納めた税金を使って頑張っている。


人間の究極は、結局のところ故郷である。

新天地にどれほど馴染んでも、心はいつも古里を向いている。

それが血であり、DNAだ。

ことに、かの民族はその傾向が強い。

日本で生まれたことなど、何の歯止めにもなりはしないのだ。

日本人よ、これでいいのか。



ここからは余談になるが、我々の業界にも、もちろんいる。

建設業界というのは修練や伝統を必要としない世界なので

比較的入りやすい業界といえよう。


彼らの中にはいい人もいるし、見るからに危ない人もいる。

付き合いが浅ければ、どうってことはない。

我々が気をつけているのは、取引。

行きがかり上、仕方なく短期の取引をすることがあるが

気持ち良く終わった試しがない。

仕事を横取りしたがるからだ。


その手口は、主にダンピング。

つまり自分の所だけ値下げをするから、次はうちだけ使って‥

と、こっそりお願いするもの。

これが仮に成功したとしても利益は薄いため

「やりたければ、やったらいい」と我々は思っている。

在日特権で納税を免除されている彼らにしかできない技であり

それに乗るような元請けも、ろくな会社ではないので

先が見えるというものだ。

しかし彼らは、日本人から仕事を奪うと非常に喜ぶ。

気持ちが悪いのは、この温度差である。


だからなるべく近づかないようにしている。

向こうから近づいてくる時もあるが、私もこの手の経験は長い。

親しくなったら終わり、いやストレスの始まりなので

見破り方は心得ている。


仕事柄、男性がほとんどではあるが

まずお辞儀がヘタか、お辞儀をしない。

初対面で日本の通名を名乗っても、名刺でおよそのことはわかる。

彼らの本当の苗字を一文字取ったものや、故郷の地名が入ったもの

彼らが好む左右対称の漢字などだ。

ピンとくる人は、たいてい目が釣ってエラが張っている。


これでわからなければ、耳たぶが無いかを見る。

しかし例外もある。

耳でわからなければ、中年以降の男性の場合

目の下にあるクマというか、目袋が目立つかどうかを見る。

メガネをかけている年配者の場合、金縁で四角いレンズを好む。


仕草にも特徴がある。

握手をする時、握手に使う右手の手首や腕に左手をかける。

水を飲む時は、口元を隠す。

これが礼儀らしい。

が、取引は成立しないので握手を交わすことはなく

来客にはコーヒーを出すので、水を飲んでもらう機会も無いため

参考にはならない。


この見破り方を使ってテレビを見ると、多くのことがわかる。

芸能人は、かなりの高確率で該当する。

議員にも予想以上に該当者が多いことがわかるだろう。


活用したいのは、CMや通販。

該当者を起用している会社は、隣国資本であることが多い。

日本を憎んでいる国が、憎い日本人のために

良い商品を作るわけがない。

日本人に、安いまがい物を高く売りさばいて笑っている。

何も知らないのは日本人だけなのだ。




画像は皇室全般画像掲示板様よりお借りしました。

《完》
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隣のドロドロ

2017年10月07日 22時20分49秒 | みりこんばばの時事
いつもお越しくださって、ありがとうございます。

私の実家の隣人が在日一家だったのは

今年3月31日から4月にかけてアップした

『この期に乗じて・思い出』の5話でお話ししました。

《まるぞう備忘録》という有名ブロガーさんのおかげで

一時的に訪問者数が増えた僥倖に乗じ、急いで私の体験を書き残したものです。


今回も、私のつたない記事を紹介してくださったモモさんと

モモさんのコメントを承認してくださったまるぞうさんの懐の深さ

そしてお越しくださった方々に感謝しています。

ありがとうございました。

再びの僥倖に乗じ、急いで書き残したいことがあるので

ごらんいただければありがたく存じます。



『隣のドロドロ』

私が生まれる少し前、祖父母と両親は

とある田舎町の駅前で事業を始めた。

そこへいきなり「パチンコ屋がやりたいから土地を半分譲れ」

彼らはそう言ってきた。


嫌だと言っても通用しない。

朝鮮民族のあくなき欲望と執拗、そして残忍性を

祖父は戦中戦後のありさまを実際に見て、知っていた。

言うことを聞かなければ、一家皆殺しになるくらいの危機感を持って

ちょうどいいというのが祖父の認識であり

また、それくらいの注意が確かに必要であった。


そんなに嫌なら、うちがどこかへ行けばいいようなもんだが

そうすれば彼らの思うツボ‥パチンコ屋が倍の大きさになるだけだ。

そしてうちの仕事の性質上、移転は不可能だった。

当時は国の認可が必要な業種で、そのための軽からぬ責任が関係していたからだ。

「嫌な人が来たから、商売をたたんで引っ越します」

というわけにいかなかった。


こうして隣同士になって17年が経った頃、隣のおばさんが自宅で急死した。

遺族は当惑するほかなく、近所の者もまた、異国の一家が迎えた突然の不幸に困惑した。

そこで手を差し伸べたのが、うちの祖父。

家が一番近いので仕方がないのだった。


隣のおじさんが言うには、朝鮮系のお寺だか教会だかは遠く

装束や小道具の類いも手に入らないため、日本式でやりたいということだった。

そこで祖父は、お寺と葬儀屋を紹介し

翌年には遺骨を埋葬したいと言うので墓地と墓石屋も紹介した。


それからさらに20年が過ぎ、今度は隣のおじさんが亡くなった。

ここで問題発生。

隣の長男が、父親に付けられた戒名(かいみょう)にケチをつけたのだ。


おばさんが亡くなった時、うちが世話になっているお寺を紹介したので

おじさんの戒名もそのお寺が付けた。

この宗派は戒名に流行りすたりがあるようで

古来、男性なら『◯◯院・釋◯◯居士』

女性なら『◯◯院・釋◯◯大姉」だったが

しばらく前から、末尾の居士や大姉が省略されるようになった。

うちも25年前に他界した祖父までは居士が付いているけど

12年前に他界した父には付いてない。


末端の省略は、ちょうどおじさんが亡くなる前に始まったようで

お寺さんは本願寺の意向だと懸命に説明した。

そう聞けば日本人は黙って従うか、話し合って納得する。

しかし隣の長男は、要するに外国人なので理解できなかった。

「母親の戒名より短い!朝鮮人じゃ思うてバカにしやがって!」

漢字が得意でない彼は、戒名に表された故人の人柄を偲ぶといった

日本人の感性は持ち合わせず、ひたすら合計の文字数に怒り狂った。

祖父はすでに他界していたので、父がお寺さんに頼んで

居士の二文字を足して位牌を書き直してもらい、葬儀は行われた。


これで騒ぎはおさまったか。

おさまらなかった。

「書き換えたということは、やっぱり朝鮮人をバカにしとったな!」

隣の長男はますます怒り狂い、母親が亡くなった際にお寺を紹介したうちを

逆恨みの対象にした。


かの民族は、そういう思考回路である。

もしもお寺さんが書き換えを拒否したとしても、やっぱり

「バカにしている!」と言い出すのは、もはやお約束。

どっちにしても、恨まれるのは同じ。

日本では「お世話になりました」と言うはずの場面が

あちらでは「こらしめてもいい」ということになるのだ。


親身に世話をしても、甲斐が無いどころの騒ぎではない。

彼らは常に激昂できるネタを探し、差別につなげて

逆恨みに持ち込むのがライフワーク。

日本式の道徳観が通用しない民族なのだ。


その頃、隣の長男は中年期になっており

隣国の遺伝的疾病「火病(ファビョン)」を発症するお年頃であった。

手のつけられないヒステリー症状である。

この症状も手伝って、父は執拗に絡まれ続けた。


ヒステリーを起こしたいなら他人に迷惑をかけず

家で発散すればいいと誰でも思うだろう。

けれども隣には、成人した男の子が2人いる。

家庭でやれば、返り討ちに遭うのは明白。

そこはしっかり計算している。

父は死ぬその日の朝まで、何年にも渡って彼にいじめられ続けた。


何でこんなことをお話ししたかというと

父の死を引きずって嫌韓を気取っているからではない。

自ら近づいてつけ入る機会を狙い、彼らなりの理由を見つけたら最後

自身の残忍を正当化して暴れる民族性への注意喚起である。

死者の戒名をネタにするなんぞ、誰が考えつこうか。

この意外性を頭に入れておいていただきたいからだ。


たまたま隣の一家がそういう人たちだったわけではないことは

近年、ますますつまびらかになってきた隣国の行状を思い浮かべれば

おわかりいただけると思う。

二つの国に分断されているが、根っこは同じである。


うちの隣にはトトロじゃなくて、ドロドロがいた話をした。

在日特権に守られて増殖の一途を辿る彼らが

現在、あるいは未来、皆さんの近所や職場に現れないと断言できようか。

できないと思う。

《続く》
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みりこん流・ニュースはこう読む・2

2017年10月03日 21時20分40秒 | みりこん流

たびたびお話しているけど、私は建設業界の生き物。

たまに勘違いされるけど、おうちを建てる建築業や

基礎工事をする土木業じゃないのよ。

道路、滑走路、ダム、時々ビルが主なステージで

うちの会社はその脇役ってところかしら。


道路やダムと聞くと、その昔、道路族とかダム族とか言われて

甘い汁を吸ってる悪いヤツという印象を持たれることがあるけど

あれは仕事を発注する側の政治家や官僚と、仕事を直接受注する大手ゼネコンの話。

田舎で暮らす末端の私たちにまで、甘い汁は流れて来ないわよ。

強い国土を造ろうと、厳しい法令を遵守しながら誇りを持って働いてるわ。

安全管理と上質な材料にこだわったら、儲からないようにできてるのよ。

どの業界もそうでしょ。


仕事の対象が大きめだと、公共工事ということになるわね。

国の公共工事は国家予算から振り分けられる。

予算を決めるのは国会。

だから解散総選挙が終わって組閣がなされ

予算が決まって、ちびりちびりと仕事が降りてくるまで

私たちは暇なわけよ。

その間、食いつながなきゃならない。

そんな建設業界で生きていれば、自然と政治の流れに敏感になるし

情報も財界ほどではないけど、わりと豊富だと思ってる。

情報収集と分析は、仕事のうちみたいなものね。


でもこの業界って、現実的なの。

期待だの、カリスマ性だの、そんなぬるいものに用は無い。

生活かかってるんだもの、絵に描いた餅は食わないわよ。


今回の解散は、昨年の夏からささやかれていたことなので

驚きは無いわ。

大事なのは、今の日本を守れるのは誰かってこと。

安倍政権以外に思いつくかしら?

批判もあるだろうけど、じゃあ誰ならいいわけ?

お尻に火がついてるのに、ギャンブルしてる余裕ある?


私、裏稼業が選挙のウグイスだからって

親しい保守系議員や政党を無条件に崇拝しないし

言ってることを鵜呑みにもしないわ。

選挙は選挙、政治は政治。

別物よ。

この区別がつかずに「議員の誰それと仲良し」なんて

勘違いしちゃいけないの。


今回の新党立ち上げ騒動は、選挙と政治がごっちゃになってる感じ。

当選しなけりゃただの人‥それが議員。

とにかく議席を確保するために必死なのはわかるけど

選挙で目立つことをやる人が

そのまま政治のできる人ではないのよ。

選挙技術と政治手腕は別なの。

日本を良くするために当選したいのか。

それとも反日議員の人数を増やして、日本を解体するために当選したいのか。

有権者には、そこをしっかり見極めてほしいわね。


私が憂慮するのは、政権交代。

マスコミに乗せられて、お花畑の国民が投票しちゃうことよ。

お祭り騒ぎの興奮と引き換えに、日本がより弱体化することよ。


現実問題、総理大臣が変わるとどうなると思う?

アメリカを始め、いろんな国のトップと

「初めまして、こんにちは」

から始めなきゃならないのよ。

ミサイルが飛んで来てるのに、まず挨拶回り

それから信頼関係を築いて‥とか悠長なことをしてる場合?


それともう一つ。

過去、政権交代すると大地震が起きてる。

阪神淡路大震災の時は自民、社会、さきがけの連立政権で

社会党の村山富市氏が総理だった。

彼が自身の理念に反する自衛隊を使いたくなくて

グズグズしているうちに犠牲者が増えたわ。


東日本大震災の時は民主党。

何もできず後手後手に回った菅政権の対応のまずさに

日本中がヤキモキしたはずよ。


二度あることは三度ある‥

そんなことわざをひけらかして、怖がらせたいわけじゃないのよ。

でもね、一度ならず二度までも実際にあったんだから

もう都市伝説の部類じゃない。

前例として、私たち建設業界人は想定しておく必要があるわけ。

「怖いわ〜」「どうしましょう」

なんてのじゃなく、現実的な想定。

復興よ。


資材の不足は、過去2回の震災で経験済み。

東日本大震災の時は、工事用のプレハブが市場から消えたわ。

ダンプや重機の新調も2年待ちになった。

復興優先は常識だから、被災地が遠くて近くても

これは全国的に起きる。

それに有事の時って、反社会的勢力が出てきて

裏で仕切ろうと暗躍するのもお決まり。


もしも私たちが生き残った場合

犠牲者を悼み、被災者を心配する気持ちとは別に

それらの危機管理をちゃんと考えておく必要があるのよ。

でないと責任の持てる仕事はできないわ。


私たちはこうして、さまざまな場面を想定しながら生きてるの。

ニュースは聞き流すんじゃなくて、その先を読む。

難しいと思う?

案外簡単よ。

マスコミが華々しく報道する政治家は、裏でやってることに注意が必要。

これ、基本。

みりこん流・ニュースの読み方でした。

コメント (13)
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