殿は今夜もご乱心

不倫が趣味の夫と暮らす
みりこんでスリリングな毎日をどうぞ!

みりこん流・ファッション道

2019年08月19日 05時41分37秒 | みりこん流

 少し前の記事、『名古屋場所』のコメント欄で

 

つけもりさんと、大柄女性のファッションについて話した。


>オフィシャルな場で、女性らしく品もあり


>でもモサくならない着こなしに悩んでいます。

 

…つけもりさんはおっしゃる。

 

 

大柄族の一味である私にとっても、これは永遠の課題。

 

普段着ならいざ知らず、オフィシャルな場では

 

女性らしく品もあり、でもモサくならない着こなしを

 

常に心掛けている。

 

心掛けているからといって課題をクリアしているかは疑問だが

 

本人だけはそのつもり。

 

 

中でも大柄族が最も回避したいのは、「モサい」という状況。

 

モサいとは、モッサリして見えることを指す。

 

 

長身で肉厚な大柄族は、ごく若いうちから老けて見られやすい。

 

その原因は細い首や肩、くびれたウエストなど

 

女性特有の可憐や華奢を表現する部分が見当たらないためだ。

 

風雲幾星霜を乗り越えた、強くたくましい印象を与えてしまい

 

つまるところ、それがオバサンぽい。

 

 

そして大柄族はかさばる。

 

立っても座っても大きいという印象はぬぐえず

 

こっちは遠慮しいしいでも、はた目にはそう見えない。

 

オバサンぽくてかさばる…それがモサいの素である。

 

 

身体が大きいので、衣類の分量も多くなる。

 

上下同じ色の物、つまりスーツやアンサンブルを着たら

 

ますます大きく見えてしまい、モサさはバージョンアップ。

 

きちんとした場所、つまりオフィシャルは大柄族にとって鬼門だ。

 

 

きちんとした場所できちんとすべく、大柄族は努力を試みるが

 

そもそも大柄族に合う服が少ない。

 

普通サイズでは小さく、肥満サイズだとブカブカ。

 

長身、肉厚、長い手足の大柄族は、日本の衣料界において規格外なので

 

流通する洋服の絶対数が少ないのだ。

 

 

少ない中から、まず入るものを選別する。

 

次に袖丈やスソが短くないものを選別すると、残りはごくわずか。

 

それからやっと色やデザインの検討。

 

好きだの嫌いだのと、選り好みできる身の上ではないのだ。

 

 

しかしそこで妥協すると、問題は振り出しに戻ってしまう。

 

オバサン問題である。

 

ゆったりだの大きめだのという服は、たいていオバサン風。

 

ババアはこれでも着とけ!とばかりに

 

色が地味で、腕回りや胸周り、腰回りが大きめに作ってあるので

 

ただでさえかさばるというのに、ますます大きくかさばって見える。

 

 

オバサンぽいのと、かさばりを避けたかったはずが

 

結局は堂々巡りというわけだ。

 

このジレンマを分かち合える同志が現れて嬉しいので

 

田舎のオバサンである私なりの大柄対策を話したくなった。

 

 

 な~んてえらそうに言ってるけど

 

実は私、洋服に関してさほどの苦労はしていない。

 

なぜなら20代の若かりし頃より


「ワールド」という神戸の国産メーカーの


大柄族御用達ブランドを愛用していたからである。


自分で探したのではない。

 

よく行く町内の洋品店が、たまたま扱っていたのだ。


 

このメーカーにあるコルディアというブランドは

 

ちょっと大きめの女のために作られている。

 

コルディアは最初の頃、「ワールド・コーディネート」という名前だった。

 

その名の通り、コーディネート商法と呼ばれていて

 

同じ素材を使った色違い、デザイン違いの商品が何種類もあり

 

店員が組み合わせてくれた上着、インナー、ボトムを身にまとえば

 

それなりに着こなせるシステム。

 

 

やがて町内にもう一つ、同じワールドのリニアという

 

クィーンサイズを扱う店ができた。

 

このリニアの一番小さいサイズが、私にはピッタリ。

 

 

同じ店に、やはりワールドのウナパルテという

 

生地や染色に凝ったブランドが置かれるようになった。

 

こっちも大きめサイズ。

 

私は中高年向きのコルディアや、色が地味なリニアより

 

華やかなモード系のウナパルテが好みだった。

 

 

町内でワールドを扱う店は他にもあった。

 

ルイ・シャンタン、ビルダジュールなどのブランド名で

 

おしゃれな物が揃っていたが 

 

これらは普通サイズなので、私には太刀打ちできなかった。

 

 

大柄族御用達のコルディア、リニア、ウナパルテは

 

Tシャツの普段着からスーツやコートまで種類が豊富。

 

型紙からして大柄族を研究してあり、着心地が抜群で細く見えた。

 

縫製技術が素晴らしく、ニットも布も肌ざわりが良く

 

私好みのシックなデザインなのも気に入っていた。


難点を挙げるとすれば、田舎主婦にとっては少々高いこと。


よって、セールの時にまとめ買いをしたものだ。

 

 

ワールドのデッカちゃん用ブランドさえ着ていれば

 

何とかなるので、私は安心しきっていた。

 

冒険より安定を選んだ不甲斐ない私は

 

センスを磨くなんて微塵も考えないまま、年ふりたのである。

 

 

ところが15年ほど前だったか

 

お気に入りのリニア、ウナパルテを扱う店が閉店。

 

続いて数年前、コルディアを置く店も廃業。

 

知らない町の知らない店へ行ってまで

 

安くない買い物をする気にはならず、私は頼りのワールドと決別した。

 

 

以後は自力で調達している。

 

集合写真を撮ったら、人間の中にドラえもんが一匹…

 

誰かと思えば自分だった…なんて失敗も時にはあるけど

 

ワールド時代の記憶をなぞっていれば、及第点は取れる。

 

 

その記憶によると、大柄族が最も留意すべき点は「襟」。

 

丸首や、立ち上がってない大きめの襟は大柄族に似合わない。

 

フード付きも、ますますかさばって見えるので、よした方がいい。

 

デコルテの美しい人なら、いっそ胸元を大きく開けたものも良かろうが

 

大柄な女性って、私を含め鎖骨が目立たない。

 

こういうタイプは胸を開けたら、ダボシャツを着た寅さん状態になる。

 

 

これらを消去法で無くすと

 

チャイナカラー、小さめのシャツカラー、Vネック、ショールカラー

 

前身頃が着物のように打ち合わせになったカシュクールなどが残留。

 

襟さえ似合っていれば、多少は見られるものだ。

 

 

しかし個人的見解と周囲の反応によれば

 

大柄族に最も似合う襟は、これだと思っている。

 

下の絵の右側。

開いた襟ぐりから、襟が立ち上がっているのが

 

おわかりいただけるだろうか。

 

人の目というのは、襟が始まっている部分から内側を首

 

襟から腕までを肩と思い込む習性がある。

 

よって肩幅が狭く見えるため、全体的に細く見える。

 

頑丈な首は、ネックレスで引き締めるのがコツ。

 

 

左側の絵は、大柄族にとってポピュラーなデザインの服。

 

大柄用のスーツといったら

 

たいていこんなのしか売ってないので描いてみた。

 

 

けれども大柄族がモサくなく見える最も簡単な技は

 

実のところ、着る物よりも髪である。

 

ヘアスタイルはショートでもロングでも、何でもいい。

 

意識して、頭頂部を高くすることだ。

 

頭頂部を盛り上げると、たいていの衣類は着こなせる。

 

 

上の絵の左側をごらんいただきたい。

 

これはこれで、人によっては素朴な感じが好ましいかもしれないが

 

大柄族に最も合わない印象は、素朴方面である。

 

スポーツ選手でなければ、ただ大きいだけの女の人になってしまう。

 

 

大柄族はゴージャスが身上。

 

これに反すれば反するほど、モサ方面へ向かう。

 

オバサンと呼ばれる年齢になって頭頂部がぺちゃんこなのは

 

モサさの素なので描いてみた。

 

 

大柄族は、これ以上長身に見えなくてもいいという概念があるため

 

小柄な人に比べて頭頂部への配慮が足りない。

 

一度だまされたと思って、頭のてっぺんを盛り上げてみるといい。

 

頭を縦長にすると、顔の幅も細く見える。

 

頭と顔を長方形にすると、若く見えるだけでなく

 

全身のバランスが整い、細く見えるはずだ。

 

 

目の錯覚とはいえ

 

頭頂部の盛り上げ一つで錯覚してもらえるんだから

 

大柄族はもっと頭頂部に気を回したほうがいい。

 

そして長身者しか履きこなせないハイヒールで

 

堂々と闊歩してもらいたいと願っている。

 

ご清聴ありがとうございました。

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近時事二題

2019年08月12日 07時58分02秒 | みりこんばばの時事

『 小泉進次郎議員、滝川クリステルとできちゃった婚』

 

はいはい、美男美女でよござんした。

 

 

議員の中ではイケメンで、弁舌さわやかな小泉氏。

 

お父さんは元総理だし、ご本人も将来はそのつもりのサラブレット。

 

いかにも爽やかに日本を引っ張ってくれそうな印象だけど

 

やってる仕事は疑問なのよね。


日本の農地で使わせるために


韓国肥料の大量輸入に踏み切ったことは記憶に新しいわ。

 


韓国がどうこうじゃないのよ。


反日国から、わざわざ大量に買ってあげることはないじゃないの。

 

何が入ってるか、わかんないわよ。

 

安全性の面で疑問が残る肥料を日本の国土にばらまいて

 

できた作物は日本人が食べるのよ。

 

大丈夫なのかしら。


 

ともあれ近年、彼の容色に衰えが見え始めてきたのは確か。

 

何とか綺麗なうちに、結婚が間に合ってよござんした。

 

 

奥さんの方も世界的指揮者、小澤征爾氏の息子さんと

 

恋愛が長かったわね。

 

でも小澤征爾氏の反対で破局して、そのまま40越え。

 

こちらも綺麗なうちに結婚が間に合って、よござんした。

 

 

それにしてもマスコミは

 

一議員の結婚でどうしてこんなに騒がなきゃいけないの?

 

同胞だから?

 

官邸で会見なんて、前代未聞だし。

 

何様のつもりかしら。

 

あ、元総理のご子息様と

 

お・も・て・な・しで五輪誘致に一役買ったタレント様だったっけ。

 

 

これを許した官邸も官邸だけど

 

嫁さんまで、すっかりその気の衣装と態度だったのは

 

なんだかイタかったわ。

 

 

生まれたお子さんには、ぜひ韓国製の肥料で育てた野菜を

 

たくさん食べさせてあげてくださいましね。

 

パパがやったお仕事なんだからね。

 

 

 

『徴用工問題』

 

日韓関係が悪化しているそうじゃない。

 

この問題の根っこは、徴用工問題らしいわね。

 

 

その昔、日本人が半島の人たちを無理やり連れてきて

 

重労働させた…

 

だから賠償責任を負うのは当然…というのが、あちら側の主張。

 

慰安婦問題が下火になってきたら、今度は徴用工。

 

 

この、『韓国が主張する、いわゆる徴用工』だけど

 

私が認識しているものとは違うのよね。

 

それをお話しておきたいわ。

 

 

私がそれらしき話を聞いたのは、中1の時。

 

今から50年近く前よ。

 

当時、徴用工という言葉は使われてなくて

 

強制連行と強制労働という表現だったわ。

 

 

話したのは、うちの隣に住む在日のA子。

 

彼女のことは何度か記事にしたけど

 

どうしても避けられなかった、招かれざる隣人よ。

 

 

ある日、私の通う中学校で差別についての授業があったの。

 

その席でA子が話したのよ。

 

「私のお父さんは、日本人に強制連行されました」

 

 

何でこういう話になったのか知らないけど、先生とA子の間で

 

あらかじめ打ち合わせがあったみたい。

 

強制連行で嫌々ながら日本へ来た被害者なんだから

 

差別されるいわれは無いというのが言いたかったのね。

 


「お父さんは家族と引き裂かれて、強制連行されて


何年も強制労働をさせられました」


強制連行に強制労働…初めて耳にする言葉だったわ。


強制連行は、なんだか誘拐みたいだし


強制労働は奴隷みたいで、どっちも衝撃的だから


皆、静かに聞いたものよ。

 

 「お父さんは苦労して頑張って、家を建てて商売を始めた。

 

今は幸せだけど、差別との戦いは終わってない」

 

かいつまむと、そんな内容。

 

 

ここで先生が、シメの言葉を言った。

 

「A子さんのおうちの皆さんは、被害者なんです。

 

A子さんを差別する人は、先生たちが許しません。

 

A子さんに向かって、朝鮮人のちの字でも言ったら体罰です。

 

皆さん、わかりましたね?」

 

 

それで終わるはずだった。

 

でも男子の一人が質問したの。

 

「日本に連れて来られた時、お父さんは何才だったんですか?」

 

A子は答えたわ。

 

「14才」

 

子供にそんなむごいことをするなんて…

 

一同は顔を見合わせて驚いたものよ。

 

ええ、確かにショックだったわ。

 

 

こうなると、次の質問が出る。

 

「一人で連れて来られたんですか?」

 

皆が食いついたからか、A子は上機嫌で答えたわ。

 

「お祖父ちゃんと、お祖母ちゃんと、弟や妹と一緒に連行されました」



なんだ、一家総出じゃないか…


私は密かに思ったけど、なにしろ隣の家の子だから滅多なことは言えない。

 

でも、同じことを考えた者は多かったわ。

 

「それって、家族と引き裂かれたとは言えないんじゃあ…」

 

旗色が悪くなったA子は、声を荒げて叫ぶ。

 

「おじさんやおばさんとは引き裂かれて、今もずっと会えない!」

 


質問はさらに続いたわ。

 

「じゃあ、お母さんは?」

 

「お母さんも強制連行だったんですか?」

 

A子はうなづく。

 

「お母さんも家族と一緒に強制連行されて日本へ来て

 

お父さんと出会って結婚しました」

 

 

ここらでもう、およそのことはわかったわよ。

 

A子の言う強制連行は、誘拐じゃなく移住で

 

強制労働は奴隷じゃなくて就職だって。

 

それを何で大袈裟に言うんだろう?という疑問は残ったけど

 

そこまで言及する中学生はいなかったわ。

 

だから、授業はここでおしまいになった。

 

 

これが今で言う、いわゆる徴用工なんじゃないかしら。

 

私はそう思うの。

 

 

それからほどなくよ。

 

うちの祖父さんが、夜中の駅で数人の密入国者を見つけて

 

警察に通報したのは。

 

ずいぶん前、『おとな帳』という記事で書いたけど

 

差別を理由にA子のいじめが始まったのは、この時からよ。

 

 

今にして思えば、全部つながっていたのね。

 

密航して密入国じゃ、困るわけ。

 

日本人による強制連行じゃないと、都合が悪いわけ。

 

親から子へ、子から孫へ、この筋書きが伝えられて

 

今の徴用工になってるんじゃないかしら。

 

うちの祖父さんがやったことは

 

彼らが代々申し合わせてきたドラマを滅茶苦茶にする行為だったのよね。

 

その孫である私に報復するのは、彼らにとって当たり前なのよ。

 

 

これはほんの一例かもしれないけど

 

そういう事実もあるってことで。 

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手抜き料理・焼きおにぎり

2019年08月03日 07時43分39秒 | 手抜き料理

先日は同級生の男女10人ほどで、花火見物をした。

 

場所は、友人のユリちゃんが嫁いでいるお寺。

 

少し遠いけど、花火が盛大という話だ。

 

 

男子は夕方、電車で行くと言う。

 

我々女子は、朝から車で現地へ乗り込んで昼ご飯を作り

 

それを食べながらおしゃべりをすることにした。

 

おいしい店がたくさんある街で、みすみす家食は残念だが

 

猛暑の中を散策する気になれなかった。

 

 

女子の顔ぶれは例のごとく、いつもの5人組。

 

案内は全員に回したものの、集まったのはこのメンバーだけ。

 

他の者が忙しいのか、我々がよっぽど暇なのか。

 

 

家食と決まったら、病院の厨房に勤めるけいちゃんが

 

何か作って行くと言った。

 

今回はロールキャベツとカボチャの煮物を持って来て

 

おいしかった。

 

 

夏にロールキャベツ?と思うかもしれないが

 

冷たくてもおいしいタイプ。

 

具が、鶏とエビのミンチなので

 

脂が浮かずさっぱりしているからだ。

 

ソースはスパゲティ・ミートソースのレトルト。

 

料理をいちいち温める必要が無いため

 

気の置けない会食にはピッタリである。

 

 

カボチャの煮物は病院の献立。

 

小豆(あずき)と一緒に煮るのが特徴だ。

 

老人の好物、カボチャと小豆の組み合わせは

 

こちらが想像する以上に喜ばれる。

 

カボチャのぼんやりした甘さを小豆のかすかな渋味が引き締め

 

何やら粋な味になるので、若い人も面白く食べられる一品。

 

 

病院では生の硬い小豆を下煮してから

 

カボチャと合わせて炊くという手間のかかる工程だが

 

けいちゃん、冷蔵庫にあった小豆の缶詰を使ったのはさすが。

 

氷あずきなんかに乗せる、甘~い缶詰である。

 

 

小豆缶が甘いので、カボチャを煮る時に砂糖は入れない。

 

ひたひたのダシで煮たカボチャが柔らかくなったら

 

小豆缶と醤油少々を投入し、少し煮込めばすぐにでき上がる。

 

どちらも大好評であった。

 

 

ユリちゃんの希望で、私はお寺で何か作ることになっていた。

 

何を作ろうかと前日まで考えあぐねていたが

 

いつもうちに来る魚屋さんが

 

生きのいい小エビを持って来たので

 

即座に得意料理の天津飯に決定。

 

新鮮な小エビの身と脳みそが無ければ

 

私の天津飯は成立しないのだ。

 

 

義母ヨシコに手伝ってもらってエビの殻をむき、塩水で洗って冷凍。

 

当日は早起きして材料を全部カットし、卵や調味料を持って行った。

 

よその台所で「あれはどこ?」といちいちたずねるのが面倒なので

 

塩コショウやゴマ油、寿司酢まで持って行く。

 

この荷物の中にはもちろん、私の隠し玉

 

『ヒガシマル・ラーメンスープの素』が潜んでいる。

 

 

どの料理も昼ご飯では食べきれなかったので

 

男子と合流した夜の宴会でも提供。

 

けいちゃん作の冷たいロールキャベツは珍しがられ

 

やはり大好評だった。

 

 

天津飯は、飯抜きのエビ玉として出す。

 

男子が口々に「このエビ玉は金が取れる」と言っていたが

 

当たり前じゃ。

 

そもそもエビに金がかかっている。

 

 

美しい花火を眺めながら

 

仕出しのオードブルをつつく宴会が終わると

 

おむすびがたくさん残った。

 

お寺で食べ物を捨てるのは、はばかられる。

 

私は焼きおにぎりを提案した。

 

焼いておけば、ユリちゃんが明日にでも食べられる。

 

 

フライパンを持った私に、ユリちゃんを始め女子一同は怪訝な顔。

 

「え?網で焼くんじゃないの?」

 

「私はオーブントースターで作るけど…」

 

 

網やオーブントースターを使って、あっさり仕上げるのもいいだろう。

 

しかし飲酒の習慣が無い我が家において

 

焼きおにぎりはシメの一品ではない。

 

真剣に取り組む立派な食事だ。

 

 

それに、居酒屋の真似をしたら失敗することが多い。

 

家庭用の熱源で、おいしい焼きおにぎりを作るのは難しいからだ。

 

時間だけかかって、できあがるのは硬く焦げたご飯の塊。

 

焼きたてを食べ損ねると、やがては廃棄される運命となる。

 

 

私はフライパンを使い

 

味付け海苔を巻いたおむすびをバター焼きにする。

 

大さじ一杯のバターを溶かしたフライパンに

 

おむすびを4~5個並べたら、弱火でじっくり焼くのがコツ。

 

 

一度にたくさん焼いてはならない。

 

多少のスペースを確保しておかなければ

 

ひっくり返す時に崩れやすくなる。

 

 

こうして三角むすびの表と裏をゆっくりと

 

バターで揚げるように焼いていく。

 

時間に余裕のある時は、おむすびを縦にしたり横にしたりして

 

全ての面を焼くと、より形よく仕上がる。

 

 

バターを吸ったおむすびをむやみに動かすと、バラバラになるので

 

焼いている最中はつついたり動かしてはいけない。

 

焼く面を変える時はそっと。

 

おむすびに巻いた味付け海苔は、バターとよく合うが

 

型崩れを最小限にとどめる目的もある。

 

 

両面がこんがり焼きあがったら

 

フライパンのふちに少量の醤油を回しかける。

 

それをおむすびに吸収させたら、でき上がり。

 

 

塩で握ったおむすびには、すでにバターと

 

味付け海苔の塩分が加算されている。

 

その上、醤油をたくさん使ったら意外なほど辛くなるので

 

醤油は少な目に…

 

おむすびの上から醤油を直接かけると水分で崩れるので

 

おむすびに当たらないよう、鍋肌にかける…

 

これらが注意点。

 

裏表の両面に吸収させる必要はない。

 

片面の一部分に醤油の茶色が染みるだけで、十分味が付く。

 

 

これで残り物のおむすびは

 

わざわざ作って食べたい料理へと昇格を遂げ

 

かったるい時のメイン料理にすらなる。

 

今までにこれを食べた老若男女で

 

「また食べたい!」と言わなかった者は今のところゼロ。

 

夏休みの昼ご飯にいかがだろうか。

 

 

思えば、この焼きおにぎりの歴史は古い。

 

4才の時、近所に住む同級生、松井君の家へ遊びに行った。

 

そこで彼のお母さんが食べさせてくれたのが

 

このバター醤油味の焼きおにぎり。

 

あまりのおいしさに感動した私は、家に帰って作ってもらった。

 

その時からだ。

 

 

余談になるが、うちのバターは『カルピスバター』。

 

カルピスの会社が作っているバターで

 

香りが良く、とてもおいしい。

 

一個1500円ぐらいと割高だが、容量が450グラムと大きいので

 

家族の多い我が家には便利なのだ。

 

田舎には売ってないため

 

デパ地下の乳製品売り場へ行った時はまとめ買いしている。

 

 

さらに余談になるが、このカルピスバターを買うと

 

かの有名な洋菓子店「マッターホーン」の店主のご尊顔が拝める。

 

マッターホーンでピンときた人は、かなりの皇室通。

 

 

というのも、箱の中にはこのバターを推薦する料理人の顔写真と

 

短いコメントを掲載したチラシが入っている。

 

そのメンバーの中に、あの小室圭さんのお母様である佳代さんが

 

パートで勤めていた洋菓子店

 

マッターホーンの店主も名を連ねているのである。

 

 

金銭トラブルが噴出して以来

 

それを気にした佳代さんが長期欠勤してもクビにせず

 

マスコミの取材には

 

「何で私が説明をしなければならないのですか」

 

そう冷たくあしらったと言われる、伝説の雇い主だ。

 

 

最近では長期欠勤中の佳代さんに休業補償を要求されたそうだが

 

その要求を飲んだか否かは明かさなかったという。

 

この店主、寛大なのか、従業員を守る志が高いのか

 

変わっているのか、どうでもいいのかは不明だが

 

店が流行っているため、マスコミに媚びる必要が無いのは

 

確かだと思う。

 

 

確認してないので、同じ店名の違う店かもしれない。

 

しかし合っていたら、何となく嬉しい。

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